テストマーケティングとは|手法・目的・得られる効果・活用例を解説!
新たなプロダクトを市場投入する前に、テストマーケティングでリスクヘッジしておきたい。しかし、どんな手法を採用すればいいのかわからない。そんなマーケティング担当者の方に向け、代表的な手法から目的、得られる効果、活用例まで、テストマーケティングの全体像を解説していきます。
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【無料】テストマーケティング代行会社を紹介してもらうテストマーケティングとは
テストマーケティングとは、規模を限定したマーケティング活動を展開することによって、新プロダクトへの需要や戦略の整合性を確認するマーケティング手法のこと。地域を限定したテスト販売を実施する、あるいはオンライン / オフラインで市場調査を実施する場合が一般的です。
このことからもわかるように、日本語でテストマーケティングを試験販売と呼ぶのは必ずしも正しくありません。そもそも、マーケティングとは「プロダクトが売れるための仕組みをつくる」こと。プロダクトの販売だけではなく、プロモーションを含む「売るためのあらゆる活動」をマーケティングと呼びます。
テストマーケティングの目的
テストマーケティングの目的は大きく2つ。1つは、テストマーケティングで得られたデータを分析し、プロジェクトを継続して進行させるか断念するかの判断材料にすること。もう1つは、分析結果とマーケティング戦略の差異を検証し、戦略の修正・改善に活かしていくことです。
本記事では、テストマーケティング後のプロジェクト継続を前提に解説を進めていきます。
【無料】テストマーケティングについて相談するテストマーケティングの手法
BtoC領域で活用される場合の多いテストマーケティングですが、BtoB領域でも有効です。ただし、どのようなプロダクト(商品 / サービス)が対象なのかに応じて、適切なテストマーケティング手法は異なり、複数手法を組み合わせて実施する場合もあります。
以下から、大きくオフライン / オンラインに分類できる代表的なテストマーケティング手法を紹介していきましょう。
実店舗でテスト販売(オフライン)
期間 / 地域を限定し、プロダクトを実店舗で販売するテストマーケティング手法です。コンシューマー向け商品に適しており、広告 / プロモーションを含めて展開する場合が一般的。プロダクトを市場投入する際のマーケティング / 販売戦略を、規模を縮小して実施する手法だとイメージすればわかりやすいでしょう。
実際の市場にプロダクトを投入してシミュレートする手法のため、高精度なデータを収集できることがメリット。一方、規模を縮小するとはいえ、広告 / プロモーションを含むテストマーケティング費用は高額になりがちです。
モニター調査 / HUT(オフライン)
モニター調査とは、モニターの家庭でプロダクト(商品)を使用してもらい、使い勝手や効果などの感想をフィードバックしてもらうテストマーケティング手法のこと。ホームユーステスト(HUT:Home Use Test)とも呼ばれます。
化粧品や健康食品など、一定期間以上使い続けることで効果を実感できる商品に向いており、消費者の実感に近いフィードバックを得られることがメリット。一方、モニターのターゲット層を見誤ると、精度の高いデータを収集できない可能性もあります。
会場調査 / CLT(オフライン)
会場調査とは、ターゲットとなるモニターを1か所の会場に集め、プロダクトに関する感想をフィードバックしてもらうテストマーケティング手法のこと。セントラルロケーションテスト(CLT:Central Location Test)とも呼ばれます。
モニター調査と異なり、プロダクトに触れられるのは会場のみである場合が一般的。そのため、すぐに効果を実感・判断できる商品、あるいはパッケージデザインなどのデータ収集に向いています。メーカーが試作品などを発表 / 展示するトレードショーなども、CLTの1つだといえるでしょう。
Webモニター(オンライン)
インターネットユーザーを対象に、Webアンケートを実施するテストマーケティング手法です。Webアンケート用ツールなどを豊富に使えるため、手軽に実施できることがポイント。ただし、オフライン調査のように実態に即した感想、意見などを収集しにくい一面があり、開発中のプロダクトのテストマーケティングにも向いていません。
SNSテストマーケティング(オンライン)
SNSを利用してプロダクトの情報を発信し、コメントなどをフィードバックしてもらうテストマーケティング手法です。自社SNSアカウントがあればすぐにでも実施できる手軽さは、オンライン調査ならではのメリット。一方、起業したばかりのベンチャーなどでは、フィードバックを得るのに充分なフォロワー数を稼げない場合もあります。
クラウドファンディング(オンライン)
プロダクトの開発資金調達を目的とするクラウドファンディングを、テストマーケティングに利用する手法です。そもそも、クラウドファンディングは「カスタマーが開発を応援したいと思えるプロダクト」でなければ、充分な資金を集められません。これは、まさに市場の需要を推し量るバロメーターとして機能します。
これまでにない斬新なプロダクトであれば、メディアでの露出を期待できるのもクラウドファンディングのメリット。資金調達だけでなく、PR(パブリックリレーション)効果も期待できます。
プロトタイプ(オンライン / オフライン)
プロダクトのプロトタイプ(試作品)をユーザーに販売、あるいは無償で使ってもらい、感想や意見をフィードバックしてもらうテストマーケティング手法です。オンライン / オフラインどちらでも利用される手法ですが、どちらかというとBtoB向け、あるいは個人のプロフェッショナルを対象にしたプロダクトに向いています。
市場の需要を確認しながら、製品版に向けた貴重な意見を収集できることがプロトタイプのメリット。一方、利益を確保できる高額なプロダクトでなければ、利用しにくいテストマーケティング手法だともいえます。
【無料】テストマーケティングについて相談するテストマーケティングの効果・メリット
それでは、テストマーケティングを実施することでどのような効果・メリットを得られるのか。それは、まさにテストマーケティングの目的と同義です。もう少し詳しく解説していきましょう。
ターゲット層の見極め / 戦略の修正・改善
ターゲット層の見極め、マーケティング戦略の修正・改善は、テストマーケティング実践で得られる効果・メリットであり、目的でもあります。なぜなら、開発時に想定した「プロダクトのターゲット像」が正しいとは限らないから。ターゲット像が正しくなければ、当然、マーケティング戦略も修正しなければならないからです。
そもそも、開発時に想定 / 設定したターゲット / マーケティング戦略は仮説に過ぎません。市場にプロダクトを投入することで、はじめて仮説が正しいのかを検証できます。つまり、市場投入前に実践するテストマーケティングは「コストを抑えながら仮説と現実の答え合わせ」する適切な手法なのです。
プロダクト改善につながる客観的なフィードバック
開発側が想定していなかった「プロダクト改善につながる客観的なフィードバック」を得られることも、テストマーケティング実践の効果・メリット。ユーザビリティは、プロダクトを開発する際の重要な要素である一方、開発側の思い込みとユーザーの利便性は一致するとは限らないからです。
市場へ投入する前に、テストマーケティングで客観的なフィードバックを得られれば、正式リリースする製品版へプロダクトの改善点を反映できます。
精度の高い調達・生産計画
テストマーケティングを実践することで、精度の高い調達計画、生産計画を立案できる効果・メリットが得られます。特に実店舗でのテスト販売は、自社プロダクトの需要や、需要の規模を確認できるため、より精度の高い調達 / 生産計画を立案できます。
プロジェクトのリスクヘッジ
テストマーケティングの大きな目的でもあり、実践によって得られる効果・メリットでもあるのが、プロジェクトのリスクヘッジです。たとえば、テストマーケティングを実践しなければ、精度の高い調達・生産計画は立案できません。また、検証されていない仮説をもとにプロダクトを大量生産し、思惑通りに販売できなければ、大きな損失につながります。
つまり、テストマーケティングを実践してプロダクトの需要や消費者のニーズを確認することで、プロジェクトのリスクを回避可能。本記事では、プロダクトの改善や戦略の修正・改善を前提として解説を進めていますが、ときにはプロジェクトを中止して損失を最小限に抑える判断を下すことも重要です。
テストマーケティングの実践ポイント
ここまでで、目的・手法・効果・メリットを含むテストマーケティングの概要を解説してきました。それを踏まえた上で、以下からはテストマーケティングを実践する際のヒントとなるポイントを解説していきます。
前提となるマーケティング戦略の策定
テストマーケティングの前提となる、新プロダクトのマーケティング戦略を策定しておきましょう。具体的には、ターゲットの設定、訴求ポイントの明確化、流通経路、顧客とのタッチポイント、広告 / プロモーション戦略、活用するメディアなどです。
上述したように、テストマーケティングは仮説と現実を答え合わせするための手法。そもそも、前提となる仮説(ターゲット像 / マーケティング戦略)がなければ、テストマーケティングを実践できません。具体的な戦術まで作り込まないまでも、戦略の全体像を把握できるようにしておく必要があります。
分析 / 検証の対象となる評価項目
テストマーケティング実践後に分析 / 検証する対象となる評価項目を明確にしておきましょう。なぜなら、分析結果とマーケティング戦略の差異を検証し、戦略の修正・改善に活かしていくことがテストマーケティングの目的の1つだからです。
たとえば、ターゲットの属性、プロダクトの仕様(デザイン、ユーザビリティ含む)、ユーザーの入手経路など。仮説の正しさを判断できる検証しやすい評価項目を設定しておくことが重要です。
商標登録 / 特許権
テストマーケティングを実践する前に、プロダクトの商標登録、特許申請を検討しておくことをおすすめします。なぜなら、本格的に市場投入する前に実践するテストマーケティングには、アイデアを盗用されるリスクがあるからです。
テストマーケティングの活用事例
最後に、プロダクトを市場に投入する前に、テストマーケティングを活用した成功事例をいくつか紹介しておきましょう。
花王「ヘルシア緑茶」
画像出典:花王株式会社
花王の「ヘルシア緑茶」は、内臓脂肪の減少に有効な茶カテキンを豊富に含んだ、特定保険用食品。内臓脂肪の気になる中高年ビジネスマンを主なターゲットとするプロダクトですが、まずは限定商品として関東甲信越のコンビニエンスストアで販売を開始しました。
これは、ターゲット層のコンビニ利用頻度が高いというデータをもとにした、実店舗販売というテストマーケティング事例です。1年半という比較的長めの期間を経て需要を確認した花王は、その後、ヘルシア緑茶を全国展開。だれもが名前を知る大ヒット商品へと成長を遂げています。
RED DIGITAL CINEMA
画像出典:RED DIGITAL CINEMA
RED DIGITAL CINEMAは、Digital Still & Motion Cameraをコンセプトとする、映画製作者向けのシネマカメラメーカーです。2006年の放送機器展「NABショー」で初号機「RED One」の構想を発表すると同時に予約販売を開始。これは、CLTとプロトタイプを組み合わせたテストマーケティングの手法だといえるでしょう。
同社製品の特徴は、将来的なカメラのアップグレードを可能にしたこと。より高画質なセンサーへの交換などが可能なため、アーリーアダプターのプロフェッショナルからも歓迎されました。現在では、国内外の映画製作、ミュージックビデオ制作などに欠かせない存在となっています。
【まとめ】テストマーケティングの手法・効果を解説しました
新たなプロダクトを市場投入する前に、テストマーケティングでリスクヘッジしておきたい。しかし、どんな手法を採用すればいいのかわからない。そんなマーケティング担当者の方に向け、代表的な手法から目的、得られる効果、活用例まで、テストマーケティングの全体像を解説してきました。
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