クロスセルとは「複数商品の提案」!アップセルとの違いやメリットも解説【2024年最新版】

クロスセルとは?メリット・デメリット、具体的方法を解説

クロスセルとは一言でいうと「ある商品を買おうとしている顧客に対して別の商品も提案すること」。本記事では、クロスセルのメリットや適したタイミング、アップセルやパッケージセルとの違いをわかりやすく説明します。ぜひご活用ください。

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目次
  1. 1. クロスセルとは
    1. 1-1. クロスセルの定義
    2. 1-2. クロスセルに適したタイミング
    3. 1-3. クロスセルとアップセルの違い
    4. 1-4. クロスセルとパッケージセルとの違い
  2. 2. クロスセルのメリット
    1. 2-1. 売上を伸ばせる
    2. 2-2. 費用対効果が高い
    3. 2-3. 新たな販売機会につながる
  3. 3. クロスセル実施時の注意点
    1. 3-1. 押し売りしない
    2. 3-2. 売って終わりではない
  4. 4. クロスセルの具体的方法
    1. 4-1. ステップ1:顧客理解を深める
    2. 4-2. ステップ2:販促のシナリオプランの構築
    3. 4-3. ステップ3:クロスセルの実行
  5. 5. クロスセルの成功事例
    1. 5-1. 株式会社ユーティル
    2. 5-2. Amazon
    3. 5-3. Salesforce
    4. 5-4. マクドナルド
  6. 6. クロスセル促進に便利なアプリ3選
    1. 6-1. Synargy!
    2. 6-2. ContentsRecommend
    3. 6-3. b→dash
  7. 7. クロスセルのメリットや注意点、成功事例を紹介しました

クロスセルとは

クロスセルの定義

クロスセルは「ある商品を購入しようとしている顧客に、別の商品を提案して購入してもらうこと」を指します。企業が売上を伸ばすためには「顧客数を増やす」か「顧客単価を増やす」のどちらかが必要です。

つまり、クロスセルは「顧客単価を増やす」ための販売手法。たとえば、パソコンの購入を検討している顧客に対して「リモートワークなら、こちらのヘッドセットもいかがですか?」と提案をするのがクロスセルの例です。

クロスセルに適したタイミング

クロスセルを行うタイミングは「顧客の課題をクロスセルで解決できそうだ」とわかった時です。

たとえば先ほど例に挙げた「パソコンの購入を検討している顧客」であれば、「リモートワークに必要なものを持っていなくて困っている」とわかったタイミングでヘッドセットなどを提案するのが良い、ということになります。顧客と話始めてすぐわかる場合もありますが、購入の直前にわかる場合や購入後にわかる場合もあり、具体的にいつクロスセルを行うかはその時によって異なります。

クロスセルをするタイミングを「アポイントを取ったとき」「商談中」などと具体的なシチュエーションで決めたくなるかもしれませんが、それはナンセンス。あくまでもクロスセルは顧客の課題を解決する手段である以上、「顧客の課題をクロスセルで解決できるタイミングに気づいたとき」に行うべきです。

課題解決になるかもわからないタイミングでクロスセルを無理やり行えば「押し売り」という印象を与えます

クロスセルとアップセルの違い

クロスセルが「複数商品をまとめて販売する」のに対して、アップセルは「より高単価の商品を販売する」という意味。たとえば、以下のようなケースがアップセルに該当します。

  • サブスクリプションサービスを契約したい顧客に上位プランを提案する
  • 車の購入を検討している顧客に、より上位のグレードの車種を提案する
  • スマートフォンの購入を検討している顧客に高機能スマートフォンを提案する

アップセルは、顧客のニーズを深掘りして提案するのに適した方法。より上位製品のほうが顧客のニーズを満たせると判断すれば、積極的に行いましょう。

クロスセルとパッケージセルとの違い

クロスセルが複数商品を提案するのに対して、パッケージセルは複数商品をまとめてセット販売します。あらかじめ相性のいい商品同士を組み合わせておき、さらに単体で購入するよりもお得な値段にすることで、顧客の購買意欲を刺激するのです。

たとえば「ファストフード店のハンバーガーセット」「新年度に行われる一人暮らし家電セット」などがよい例でしょう。はじめから複数商品の購入を検討している人にとって「悩まなくていい」「単品で買うよりお得」という印象を与え、売上アップにつなげます。

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クロスセルのメリット

クロスセルのメリット

クロスセルのメリットは以下の3点です。

売上を伸ばせる

売上アップの観点でクロスセルは非常に有効な手法です。1つの商品を購入しようとしている顧客にクロスセルできれば、顧客単価が上がります。とくに営業リソースに限りがある企業では、既存顧客を大事にして顧客単価を上げるほうが効率的に売上を伸ばせるでしょう。

費用対効果が高い

クロスセルでの販売は費用対効果が高いのもメリット。Aという同じ商品を売る時、新規顧客を獲得して売るのと、既存顧客にクロスセルで売るのを比べたら、既存顧客にクロスセルで売る場合のほうが顧客獲得コストがかからないため費用対効果が高くなります

そのため、たとえば、営業にかける費用を抑えることが可能。

あるいは逆に、費用対効果が見合うから顧客獲得にもっとコストをかけられるようになる、というパターンもあります。たとえば「今までは一人の顧客が1つの商品しか買ってくれなかったが、クロスセルで一人3商品くらい買ってくれるようになったからもっと広告費をかけよう」などのケースがあります。

新たな販売機会につながる

クロスセルを行ってうまく顧客の課題を解決できると、顧客に「困ったらあの会社に相談しよう」というイメージを与えられ、新たな販売機会の創出につながります

たとえば先ほどの、リモートワークで使うパソコンを買おうとしている顧客を例に考えてみましょう。パソコンだけでなく、リモートワークで使いやすいヘッドセットまで合わせて提案してくれた場合、顧客は「リモートワークのツールで困ったらこの店に相談すれば解決する」と感じます。

つまり顧客は「どんな問題が起きてもあの店はいろいろな手段を提供してくれるから安心」と思うわけです。そのため、顧客がリピートして新たな販売機会につながりやすくなります

クロスセル実施時の注意点

押し売りしない

クロスセルは上述したように効果的ですが、やってはいけない注意点もあります。それは顧客に「押し売り」してしまうこと。

冒頭でも説明しましたが、クロスセルはあくまでも「顧客の課題をクロスセルで解決できるとわかったタイミング」で行うべきもの。課題解決になるかもわからないまま提案すれば顧客の心は離れてしまいます。

ではどうすれば押し売りにならないか?ですが、「顧客が商品を買おうとしている目的」を顧客の口から引き出すのがポイント。

たとえば先ほどの例の「パソコンを購入しようとしている顧客」であれば、「何のためにパソコンを買おうとしているのか」を顧客から聞き出すのです。

顧客から「リモートワークすることになったのだが、必要なものが何もそろっていない。とりあえずパソコンは必要だから買いにきた」ということを聞き出せれば、「PCの内臓マイクは音の質がよくないのでヘッドセットを別に用意するのがおすすめですよ」と適切な提案ができるわけです。

目の前の顧客は、なぜその商品を買おうとしているのか?が明確になってから適切な商品を提案すれば押し売りにはなりません。

売って終わりではない

クロスセルで売れたら終わり、ではないことにも注意しましょう。たとえば契約後に、商品の使い方について問合せが来ることもあります。もしクロスセルで3商品一度に売れたら、一人の顧客から寄せられる問合せ数は、単品で売った場合よりも増えることが予想されます。

そのため、クロスセル後のアフターフォローまで対応できる状態を整えておくことが大事。商品が売れても、その後の問合せなどに対応できなければ顧客からの印象はマイナスになってしまいます。

クロスセルの具体的方法

クロスセルの方法

クロスセルを行うにはどのようにすればよいのでしょうか。ここでは、具体的な手順を3ステップで解説します。

ステップ1:顧客理解を深める

クロスセルではそれぞれの商品を顧客がどのように使うか?を深く理解している必要があります。

たとえば、先ほどのパソコンを買おうとしている顧客の例でいえば、「リモートワークでヘッドセットを使う人が多い。なぜならPCの内蔵マイクや内蔵スピーカーは音の品質が良くないから」ということをわかっていて、始めてクロスセルの提案ができます。

自社の商品が顧客の課題をどう解決できるのか、理解することから始めましょう。具体的には、以下の項目を言語化するのがおすすめです。

  • その商品を使うのは誰か?
  • どのような目的で使われることが多いか?
  • 使われるときの具体的なシチュエーションはどのようなものか?

ステップ2:販促のシナリオプランの構築

顧客の分析ができたら、販促シナリオを構築します。販促シナリオは商品・サービスによって様々ですが、ここでは2種類を例に考えてみます。

シナリオ1:引っ越しサービス

引っ越しサービスというと引っ越し作業をするだけ、と思われるかもしれません。しかし、引っ越し作業中に引っ越し関連のアイテムを提案することもできます。

たとえば冷蔵庫の下に敷くものを引っ越し依頼者が持っていない場合に、冷蔵庫マットの購入を勧める、という例があります。これは筆者の知り合いが引っ越した際に経験した、クロスセルのシナリオの例です。

「湿気がフローリングにあたってしまうのは良くないし、扉の開け閉めの振動は意外と下の階に響くんですよ」とそれとなく伝えると、顧客は納得感を持ってその場で購入に至るのです。

シナリオ2:化粧品

あるショップでは、化粧水を購入する顧客は乳液を買う傾向が高いようです。この場合、化粧水を買い物かごに入れたら、乳液を一緒にレコメンドしてあげるシナリオが考えられます。

ステップ3:クロスセルの実行

プランができたらクロスセルを実行します。クロスセルを実行する際には、クロスセルに成功した顧客情報や製品などのデータを収集・分析することを忘れないようにしましょう。データに基づいて仮説を立て、よりよい方法がないかを検証します。

分析によって意外に関連性の高い商品が見えることもあれば、反対に関連性が低いとわかる商品も出てくるでしょう。地道な作業によってクロスセルの精度を上げ、売上を伸ばしていくためのPDCAサイクルを回していくことが大切です。

クロスセルの成功事例

ここからはクロスセルの成功事例を見ていきます。成功事例を知れば自社での導入イメージが湧きやすくなるでしょう。

株式会社ユーティル

株式会社ユーティルコーポレートサイト

営業幹事を運営する、弊社「株式会社ユーティル」の事例。弊社では別のサービスとして「Web幹事」「動画幹事」も運営しています。それぞれ以下のようなサービスです。

  • Web幹事…Webサイトを作りたい企業と、Webサイト制作会社をマッチングするサービス
  • 動画幹事…動画を作りたい人と、動画制作会社をマッチングするサービス

弊社でよくあるクロスセルの例が、「Webサイトを作りたい企業に、Webサイトに載せる動画も作る提案をする」というもの。たとえば採用サイトを作りたい、という企業に対して「採用サイトに載せる動画も一緒に作りませんか」と提案する例があります。これらのクロスセルによって、より幅広い課題解決の手段をお客様に提供することが可能になっています。

Amazon

クロスセルといわれてAmazonをイメージできる人は多いでしょう。Amazonでは、生活必需品、家電、ファッションまで幅広いアイテムを取りそろえています。商品ページを閲覧していると「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」「お客様が閲覧した商品に関連する商品」という形で次々とレコメンドを表示します。ユーザーは比較検討している内に、意識せず購入点数が増えているのです。このように、クロスセルをユーザーに意識させず提案しているのがAmazonの凄さといえます。

Salesforce

Salesforce

画像引用元:Salesforce

Salesforceは、CRM(顧客管理システム)サービスとして世界でも大手の企業です。同社ではCRMに限らずSFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)などのサービスも展開しています。CRMは、顧客情報を管理し効率的なマーケティングにつなげるためのツールです。そのため、CRMを使っていくと必然的にSFAやMAツールが必要になる段階が訪れます。Salesforceは顧客のニーズ拡大を読み、複数サービスを展開することでクロスセルを成功させています

マクドナルド

マクドナルド

画像引用元:マクドナルド

マクドナルドは社員教育を徹底し、販売現場でクロスセルを定着させることに成功している企業です。

マクドナルドでハンバーガーを単品注文しているときに「ポテトも一緒にいかがですか?」と聞かれた覚えはありませんか?ほかにも「ドリンクはいかがですか?」のようなパターンもあります。

単品で済ませようとしている顧客に対して「もう1品追加しようかな」と考えさせる声がけを徹底することで、客単価を上げています。

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クロスセル促進に便利なアプリ3選

ここまで、クロスセルの方法やコツを紹介してきましたが、「顧客の課題をクロスセルで解決できる」とわかった瞬間にタイミングよく提案するのは簡単ではありません。そこでおすすめなのがツールを活用すること。効果的なクロスセルを行うために便利なツール3つを紹介します。

Synargy!

Synargy!サイト画像

画像引用:Synargy!

Synargy!のおすすめポイント

  • クロスセルに必要な顧客情報と購買データを一元管理可能
  • 大手企業の導入実績も豊富
  • 広告運用代行やキャンペーンの事務局運営も依頼可能。リソースがなくても安心

クロスセルを行うためには、誰が、いつ、どんな商品を買うのか?がわかっている必要があります。Synargy!は、それらの情報を集約し、マーケティング施策に活用できるツールです。たとえば、ECサイトのデータを連携したり、エクセルのデータを取り込んだりして情報を集約し、広告配信やメール配信に活用できます。

一例として、あるECサイトの事例では、ECサイトの顧客データをSynargy!と連携させて分析したところ、リピートする顧客は「年に数回のセールの時に購入する傾向がある」ことがわかりました。そこでメルマガ配信のタイミングをセール開始直後に合わせたところ、売り上げ向上につながりました。

また、大手企業での導入実績が豊富で、安心感があるのも大きなポイント。JTBや小林製薬、コスモ石油などの実績があります。

さらに広告運用代行やキャンペーン事務局の運営代行なども依頼可能。「クロスセルを行いたいけど、施策を打つためのリソースが社内にない」という場合も安心して依頼できます。

ContentsRecommend

ContentsRecommendサイト画像

画像引用:ContentsRecommend

ContentsRecommendのおすすめポイント

  • AIがおすすめコンテンツを表示する「レコメンド機能」に特化したツール
  • 複数種類のレコメンド機能を持ち、目的に合わせて選択可能
  • おすすめ商品のメール配信も可能。

ContentsRecommendは、AIがおすすめコンテンツを表示する「レコメンド機能」に特化したツール。

サイトに訪れたユーザーの行動履歴や購入履歴などをもとに、AIがユーザーに対して自動でおすすめの商品・サービスを提示してくれます。たとえば、「過去にAの商品を買ったユーザーはBの商品も買う傾向にある」という場合、Aの商品を買おうとしているユーザーにAIがBの商品をおすすめする、などのイメージです。

以下など複数のレコメンド機能があるのがポイント。目的に合ったレコメンド機能を使い分けられます。

  • テキスト情報などをもとにおすすめを表示する「テキストレコメンド」
  • ユーザーが見ている画像をもとにおすすめを表示する「画像レコメンド」
  • ユーザーの閲覧ページなどをもとにおすすめを表示する「パーソナライズドレコメンド」

また、おすすめ商品をメールで配信する「レコメンドメール機能」も搭載。サイト上だけでなくメールでもおすすめ商品を提示することで、クロスセルへの効果が期待できます。

b→dash

b→dashサイト画像

画像引用:b→dash

b→dashのおすすめポイント

  • クロスセルに便利な機能を複数持つ便利ツール
  • コーディングの知識がなくてもデータの加工・統合が可能で初心者におすすめ
  • クレディセゾン、松屋など有名企業の導入実績も豊富

b→dashは、クロスセルに便利な機能を複数持つツール。たとえば、ECサイトや顧客管理システムと連携してデータを集約するデータプラットフォームとしての機能、ECサイトなどでユーザーにおすすめ商品を表示するレコメンド機能、メール配信機能などがあります。b→dash一つで様々な機能が網羅されているため、バラバラにツールを使うよりも管理工数が少なくて済みます。

b→dashの画面

画像引用:b→dash

また、顧客管理システムなどと連携して得たデータを加工・統合するとき、コーディングの知識が不要なのもポイント。上のようなb→dashに入っているテンプレートを使って、比較的簡単にデータを加工できます。

また、クレディセゾンや松屋、ダスキン、東武鉄道など有名企業での導入実績が豊富なのも特徴です。安心感があるため、社内でツールの導入を提案する際も提案が通りやすいでしょう。

クロスセルのメリットや注意点、成功事例を紹介しました

本記事では、クロスセルについて、メリット・デメリットや事例、実施手順などについて解説しました。クロスセルは企業の売上を改善する有効な施策です。既存顧客の満足度を高めていけば、おのずとクロスセルできるポイントが見えてくるでしょう。ぜひ本記事の実施手順などを参考に自社で導入できるかの検討にお役立てください。

なお、営業代行会社の探し方・選び方がわからない!という方は営業幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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