インサイドセールスとは?役割やメリット、成功事例を解説【2024年11月最新版】

インサイドセールスとは?役割やメリット、成功事例を解説

「インサイドセールス」という言葉は知っていても、何をするのか、メリットデメリットは何かがわからないと感じている人もいるでしょう。

本記事では上記の悩みを解決するインサイドセールスの基礎知識について解説します。ぜひご活用ください。

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目次
  1. 1. インサイドセールスとは
    1. 1-1. フィールドセールスとの違い
    2. 1-2. テレアポとの違い
  2. 2. インサイドセールスの役割
    1. 2-1. 見込み客の優先順位をつける
    2. 2-2. 見込み客との関係構築
    3. 2-3. 商談を設置しフィールドセールスに引き渡す
  3. 3. インサイドセールスのニーズが高まっている背景
    1. 3-1. サブスクリプション型サービスの増加と関係がある
  4. 4. インサイドセールスのメリット
    1. 4-1. 営業活動の効率化
    2. 4-2. 営業活動の標準化
  5. 5. インサイドセールスのデメリット
    1. 5-1. 円滑な情報共有の仕組みが必要
    2. 5-2. 顧客との信頼関係の構築が難しい場合も
  6. 6. インサイドセールスの導入が向く場合
    1. 6-1. 商品・サービスの仕様や価格体系がシンプルな場合
    2. 6-2. 商材が比較的安価な場合 
  7. 7. インサイドセールスの導入事例
    1. 7-1. 株式会社カケハシ
    2. 7-2. 株式会社デイラボ
    3. 7-3. 株式会社OKAN
  8. 8. インサイドセールスの導入フロー
    1. 8-1. セールスの導入範囲の明確化
    2. 8-2. KPIの明確化
    3. 8-3. セールスを実施するための組織体制を検討する
    4. 8-4. 業務シナリオの策定
    5. 8-5. インサイドセールスの実施と検証
  9. 9. インサイドセールスについて解説しました

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは マーケティングやフィールドセールスとの関係性

「インサイドセールス」とは、一言でいうと「見込み顧客を育成し商談を設置する部門」のこと。近年、営業活動の一連の流れを上図のように段階別に分業する企業が増えており、インサイドセールスは分業する場合に生まれる一つのポジション。

そのためインサイドセールスを理解するには分業する場合の仕組み全体を理解する必要があります。分業する場合、以下4つのポジションに分けます。

1.マーケティング:ホームページやセミナーなどで見込み客を獲得
2.インサイドセールス:マーケティングで獲得した見込み客を育成し商談を設置
3.フィールドセールス:インサイドセールスが設置した商談を実施、クロージング
4.カスタマーサクセス:受注後の継続や顧客満足度アップのためのアプローチ

このうちインサイドセールスは「マーケティング部門が獲得した見込み客を育成し、商談を設置してフィールドセールスに引き継ぐ」のが役割です。

フィールドセールスとの違い

インサイドセールスとフィールドセールスでは「営業活動のうちどこを担当するか」が異なります。インサイドセールスは「商談を設置するまで」、フィールドセールスは「商談を実施してクロージングするまで」を担当します。

フィールドセールスについて詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください

関連記事:フィールドセールスとは?インサイドセールスとの違いや役割を解説

テレアポとの違い

テレアポとインサイドセールスはカテゴリが異なります。テレアポは「商談設置のための架電」で「業務の種類」である一方、インサイドセールスは「見込み客を育成し商談を設置する役割・職種」で「役割・職種の種類」です。ただし両者は全くの別物ではありません。「インサイドセールス」の業務の中には「テレアポ」も含まれる、という関係性です。

インサイドセールスの役割

インサイドセールスの役割

ここからは、インサイドセールスの役割を見ていきます。インサイドセールスでは主に3つの役割を担っています。

見込み客の優先順位をつける

マーケティングで獲得した見込み客には、熱量が高く売り上げにつながりそうなものと、まだ熱量が低くすぐ売り上げにはつながらないものの両方があります。効率よく売り上げを上げるためには、優先度の高い見込み客からフィールドセールスに引き渡す必要があります

そこでインサイドセールスはまず、「熱量が高く売り上げにつながりそうなのはどの見込み客か」を判別します。判別の基準は企業によって様々ですが、「どの業界か」「決裁権のある人からの問い合わせか」「どのような内容の問い合わせか」「自社サイトへのアクセス頻度」など複数の観点から判別することが多いです。

ここで優先度が高いと判断された見込み客はフィールドセールスへ引き渡します。また優先度が低いと判断された見込み客は下で説明する「見込み客との関係構築」の段階に進みます。

見込み客との関係構築

優先度が低いと判断された見込み客は放置するのか?というと、そうではありません。関係構築によって、購買意欲の向上を促します。

一般的に、獲得した見込み客のうち、すでに熱量が高まっているものはわずか10~20%程度。そのため、残り80~90%の見込み客の購買意欲を引き上げることが重要になるのです。

この「購買意欲引き上げ」もインサイドセールスの重要な役割。メールや電話で見込み客とコミュニケーションを取って購買意欲を引き出します

商談を設置しフィールドセールスに引き渡す

優先順位付けや関係構築を経て、十分に購買意欲が高まった状態と判断したら、商談を設置してフィールドセールスに見込み客を引き渡します。

基本的にインサイドセールスの役目はこの「商談の設置」まで。ただし商談を設置したらいっさい放置というわけではありません。設置した商談はどのような内容で進んだか?うまくいったか?などのフィードバックをフィールドセールスからもらい、改善に役立てるのも重要な任務です。

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インサイドセールスのニーズが高まっている背景

サブスクリプション型サービスの増加と関係がある

インサイドセールスを立ち上げる企業が増えているのは、「サブスクリプション型サービスが増えていること」と大きな関係があります。

サブスクリプション型サービスは、「初期費用は無料または少額で、毎月または毎年決まった金額を払って利用するサービス」のこと。このビジネスモデルだと、単価は少額になるため、売り上げを上げるには「多く売り、長期間契約を維持すること」が重要になります。

しかし一人の営業パーソンが、大量に売って、かつ契約を維持させるためのフォローまで担当するのは非効率で限界があります。そこで一連の営業活動を分業し、インサイドセールスを取り入れる企業が増えているのです。

インサイドセールスのメリット

インサイドセールスのメリット

営業活動の効率化

メリットの一つ目は営業活動を効率化できること。前述したように、インサイドセールスは、熱量の高い見込み客から優先的にフィールドセールスに引き渡します。そのため、商談機会の損失を防げます。

また、優先度の低い見込み客も、コミュニケーションを取って購買意欲を高めてからフィールドセールスに引き渡すため、獲得した見込み客を無駄にしません。

一人の営業担当者が見込み客の獲得から商談の設置、実施まで全て担当していると、目の前の商談で精一杯になりがち。たとえば優先度の高い見込み客のフォローが遅れて商談機会を逃がしたり、優先度の低い見込み客はいつまでも放置したりすることがしばしばあります。分業体制を取り入れてインサイドセールスを立ち上げればこのような自体を防ぎやすいです。

営業活動の標準化

もう一つのメリットは、営業活動を標準化できること。分業して、一人のメンバーが持つ範囲を限定したほうが、標準化しやすいです。

一人の営業担当者が全ての営業活動を担当すると、「Aさんは商談の設置はうまいがクロージングがうまくない」など、どうしても品質にムラが出てしまいがち。しかしインサイドセールスを立ち上げて「商談の設置」に特化させれば、メンバーは商談の設置にのみ集中すれば良くなります。ほかの業務に意識が散らないため、ノウハウの共有や教育などもスムーズに進みやすく、標準化につながります。

インサイドセールスのデメリット

インサイドセールスのデメリット

ここからはインサイドセールスのメリットについて解説します。主なデメリットは下記の2つです。

  • 円滑な情報共有の仕組みが必要
  • 顧客との信頼関係の構築が難しい場合も

円滑な情報共有の仕組みが必要

インサイドセールスは、マーケティングやフィールドセールスと連携しながら、分業で動きます。顧客に関することは些細なことでも記録し、共有する仕組みがないとチームが連携して動くのは容易ではありません。そのためには、効率的に情報共有できる仕組みが必要不可欠です。

情報共有には以下のようなマーケティングツールを導入することをおすすめします。

  • SFA(営業支援システム)
  • MA(マーケティングオートメーション)
  • CRM(顧客管理システム)

顧客との信頼関係の構築が難しい場合も

対面営業型のフィールドセールスと比べて、インサイドセールスはメールや電話、ビデオチャットなどでの遠隔コミュニケーションが主流です。そのため、どうしても顧客との信頼関係構築が対面に比べて難しい傾向があります。

顧客の中には「対面でなければ検討したくない」と考える人も一定数存在します。メールや電話は対面で話すよりも情報量が格段に少ないため、情報伝達や信頼関係の構築に支障をきたす可能性があります。ビデオチャットであっても同様です。

そのため、インサイドセールスはより細かい気配りや適切な距離感で顧客と接する必要があります

インサイドセールスの導入が向く場合

インサイドセールス導入が向いている商品には、以下の特徴があります。

  • 商品・サービスの仕様や価格体系がシンプルな場合
  • 商材が比較的安価な場合

商品・サービスの仕様や価格体系がシンプルな場合

インサイドセールスは、サービス仕様や価格体系がある程度決まっているものが向いています。たとえば、SaaS系商材のような「月額課金、年額課金タイプの製品やサービス」です。

SaaS系商材は口コミやSNSで宣伝できるだけでなく、料金プランも明示されているものが多いため、顧客が比較検討しやすい商材です。SaaS系商材は検討する際にトータルコストが算出しやすく、インサイドセールスが営業をかけるときに有利に働きます。利用時のシミュレーションがしやすいためです。

商材が比較的安価な場合 

比較的安価な商材は、インサイドセールスのみで契約に至りやすく相性がいいとされています。手を出しやすい金額であれば、ニーズを顕在化させるまでのハードルが低いためです。

さらに、まだ検討段階であってもメリットをしっかり伝えれば購入に至るケースが多く、成果を出しやすいのも特徴です。

また、安価な商材はフィールドセールスが出向いてクロージングする必要がないため、営業に予算を割けない企業でも販路拡大を狙えます。

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インサイドセールスの導入事例

ここからはインサイドセールス導入に成功した企業の事例を見ていきます。

株式会社カケハシ

クラウド電子薬歴「Musubi」を提供する株式会社カケハシでは、薬局への飛び込み営業でなかなか成果を上げられずにいました。インバウンドでのリード獲得も行ってはいたものの、リード数が不十分だと営業もかけられません。

そのため、インサイドセールスチームを立ち上げ、展示会のアンケートから連絡先を集める施策を打ちました。そのリストの中から和紙のエグゼクティブレターを送付したところ、成約に至る案件が増えていきました

ツールで顧客情報を適切に共有することで顧客の温度感をリアルタイムで把握できるようになったのも、インサイドセールスを導入した大きな成果といえるでしょう。

参照元:SALES BASE

株式会社デイラボ

アスベスト分析調査を実施している株式会社デイラボは、毎月60~70件の見積もり依頼が来ており、見積もり送付後の対応ができておらず機会損失になっていたことが課題でした。

そこでMAツール(マーケティング施策の管理・分析ができるツール)を導入し、新たに「Web戦略プロジェクトチーム」も立ち上げました。

ツール導入後は顧客にメール配信するようにした結果、開封してくれる興味関心の高い顧客がわかるように。メールを1回配信するだけで、2〜3件の受注が可能になりました。

参照元:株式会社デイラボ | Kairos3の導入事例

株式会社OKAN

株式会社OKANは、置き型社食サービス「オフィスおかん」、組織課題解決サービス「ハタラクカルテ」などを展開しています。事業拡大に伴い、新たな顧客を開拓する必要がありました。しかし、コロナ禍の影響によるリモートワークの普及で、インサイドセールスの重要性を認識することになります。

そこで同社は、PDCAサイクルを回しながら自走できるインサイドセールスチームを組織することを決定。背景には「管理者が少なく、若手が増えたことも影響していた」と担当者は語ります。

また、OKANではチームメンバー内でレクチャーを行い、顧客への説明の質を高めたこともあり、荷電数は1.3倍、商談設定数が1.5倍にまで向上しました。

参照元:UNITE株式会社(note)

インサイドセールスの導入フロー

インサイドセールスの導入フロー

以下にインサイドセールスの導入フローをまとめてみました。

  1. セールスの導入範囲の明確化
  2. セールスの目的やKPIの明確化
  3. セールスを実施するための組織体制を検討する
  4. 業務シナリオの策定
  5. インサイドセールスの実施と検証

セールスの導入範囲の明確化

まずはインサイドセールスの導入範囲を決定します。

  • リード発掘
  • ナーチャリング
  • クロージング
  • フィールドセールス連携

もちろん全領域で導入もできます。しかし、自社の課題がどこなのかを把握しないままに全領域でインサイドセールスを導入しようとすると、人員、ツールなどの面で問題を抱えることになるかもしれません。

「なぜインサイドセールスが必要なのか」を意識し、自社のリソースと相談しながら導入範囲を決定しましょう。

KPIの明確化

導入範囲を決定したら、インサイドセールスでのKPIを設定します。インサイドセールスのKPIには主に以下の指標があります。

  • 荷電数
  • アポ獲得数
  • 商談設定数
  • 契約獲得数

上記の指標は導入範囲によって設定できるものとできないものがあるので注意しましょう。たとえば、リード発掘領域では「商談設定数」「契約獲得数」は指標として利用できません。必要に応じてKPIを適切に設定して、成果を正しく評価しPDCAサイクルを回していくことが重要です。

セールスを実施するための組織体制を検討する

先述したとおり、インサイドセールスでは複数部門が分業・連携し、効率的に営業する手法です。そのため、「誰が」「どの」チームに入るのかを決定し、お互いの責任範囲を明確にする必要があります。

  • マーケティング
  • インサイドセールス
  • フィールドセールス

上記のチーム分けをどのように行うのか、適性のある人材を配置できるかがインサイドセールスの成否をわけるといっても過言ではありません。

とくに、インサイドセールスに配置される人材は、架電対応、データ入力、他部署との打ち合わせなど多岐にわたる業務をこなせるスキルが求められます

業務シナリオの策定

見込み客に合わせた業務シナリオを策定しておくと、スムーズに契約まで進められるメリットがあります。シナリオの作成には、フローチャートでシナリオの流れを可視化すると効率的に作成できるためおすすめです。

具体的なシナリオの例を以下に示します。

  1. リード獲得
  2. メール送付(返事がなければ1週間後に再送)
  3. 電話でアポイントメントを取る

このようなシナリオは複数用意しておき、どのシナリオがうまく行ったのかデータを収集・検証することで成約率を改善できるでしょう。

インサイドセールスの実施と検証

組織とシナリオを用意しても、最初から完璧に上手くいくことは希です。何度も試行錯誤を繰り返し、PDCAを回しながら改善を続けましょう。とくに、データ連係はインサイドセールスの要(かなめ)です。序盤はチームがうまく連携できているのかにも意識を向けることが大切です。

また、定期的にチームメンバーからヒアリングを行い、やりにくいと感じている業務はないか、問題点を洗い出しましょう。過度に負担がかかっているチームや担当者がいれば調整します。

インサイドセールスについて解説しました

本記事では、インサイドセールスについて、役割やメリット・デメリット、事例などについて解説しました。

インサイドセールスの強みは、少人数でも効率的に見込み客にアプローチできる点です。データに基づいたアプローチは営業組織のレベルを均一化するのにも役立ちます。ぜひ、営業を強化したいとお考えの場合は本記事をお役立てください。

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