インバウンド営業のメリット・デメリット、手法を解説します【2024年最新版】
テレアポや飛び込み営業を行なっているが、新規顧客の開拓がうまくいかないとお悩みではありませんか?新規顧客の開拓を成功させるコツはインバウンド営業にあります。
そこで本記事では、「インバウンド営業の具体的な方法を知りたい」「インバウンド営業を始めるための必要な準備とは?」とお悩みの方に向けて、インバウンド営業を採用するメリット・デメリットや具体的な手法などについて解説。
最後まで読めば、自社がインバウンド営業を取り入れるべきか判断できます。また、自社にあったインバウンドの手法を理解し、準備を開始できるようになります。
なお、営業代行会社の探し方・選び方がわからない!という方は営業幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
【無料】営業代行会社を紹介してもらうインバウンド営業とは
インバウンド営業とは、顧客が主導権を持ち営業活動を展開する方法。インバウンド営業の特徴は、顧客の主体的な行動を増やすために顧客にとって有益なコンテンツを発信し、購買行動を誘導することです。
インバウンド営業について詳しく解説します。
アウトバウンド営業との違い
インバウンド営業とアウトバウンド営業との違いは下記の通りです。
項目 |
インバウンド営業 |
アウトバウンド営業 |
メリット |
こちらから積極的に アプローチする必要がない |
ユーザー一人一人に合わせて アプローチできる |
デメリット |
効果が出るまで 時間がかかる |
過度に営業すると 反発される |
手法 |
ホームページ・SNS・動画・ ホワイトペーパーなど |
広告・テレマーケティング・ ダイレクトマーケティング・ 電子メールDM・訪問営業 |
対象者 |
接点がある顧客 |
接点がない顧客 |
接触のタイミング |
顧客の行動 |
営業 |
目的 |
情報提供・アポ打診 |
アポ打診 |
効果が出るまでの期間 |
長期間 |
短期間 |
インバウンド営業が重視されている背景
インバウンド営業が注目されている背景には、顧客の購買行動における変化と営業手法の変化が関係しています。
前者はWeb上で商品比較ができるようになったこと、後者は対面営業が難しくなったことです。結果として、どちらの問題も解決できるインバウンド営業に注目が集まるようになりました。
要因 |
内容 |
顧客の購買行動における変化 |
|
対面営業の変化 |
|
インバウンド営業を採用するメリット
インバウンド営業を採用するメリットについて詳しく解説します。
営業効率向上につながる
インバウンド営業の性質上、すでに関心のある企業やユーザーからアクションを起こすため営業効率が高くなります。
アウトバウンド営業では、顧客が自社の製品に興味があるかどうかわからない状態でアプローチします。そのため、場合によっては営業を避けられてしまい、成約率を上げることが困難。
一方インバウンド営業は、顧客からのアクションであるため、営業コアタイムを効率よく使えます。
ユーザーの新たなニーズに気づける
情報発信のみで顧客が能動的に行動するため、企業が把握していない潜在的なニーズを発掘できる場合もあります。
たとえばSNSで、40代の女性向けに企画開発された商品について情報発信したところ、40代だけでなく20代の女性からの反応も多かったとしましょう。この場合、20代女性にも需要があるという発見を得ることができます。
また顧客の求める情報に合った方法でアプローチすると、顧客の購入意欲を促進できるでしょう。
インバウンド営業を採用するデメリット
インバウンド営業を採用するデメリットについて解説します。
成果が出るまでには時間がかかる
成果が出るまでに時間がかかるのは、集客に必要なコンテンツ量を揃えるのに一定の時間がかかるため。例えばSEOなら、十分な記事数の用意やGoogleから評価を集めるためには、数ヶ月〜1年は必要です。
なるべく早く収益化するためには、「成果の出るユーザー層」に対して「そのユーザーが望む情報を届ける」ことが大切。誰に対して情報を届けたら最も売上が上がりそうか?をまずは考えます。そしてそのユーザーがどんな情報を欲しがっているか?を分析して、適切な手段で届けるのです。
コンテンツを届ける具体的な手段については「具体的なインバウンド営業の手法」で説明します。
資金力・マーケティング力が必要になる
見込み客を見つけるための施策には費用がかかります。また自社商品を必要とする人の属性を把握するなどのマーケティング能力がないとうまくいかない可能性も。
マーケティングスキルを持つ人材や資金力がなければ、投資した資金が回収できずに終わる可能性があります。
インバウンド営業がおすすめの企業の特徴
メリット・デメリットを総合すると、下記の企業はインバウンド営業を採用するのに向いています。
- 資金力がある
- マーケティングに使えるデータがある
- ノウハウを持った人材がいる
また、ノウハウのある人材がいない場合、外注する方法もあります。
具体的なインバウンド営業の手法
メリット |
デメリット |
|
メルマガ |
顧客ごとに合ったコンテンツを 届けられる |
開封率は30%前後と高くはない |
オウンドメディア |
コンテンツを資産化できる |
メディアの成長に時間がかかる |
ホワイトペーパー |
資料ダウンロードと引き換えに 顧客情報を得られる |
作成にコストがかかる |
ウェビナー |
熱量の高い見込み客獲得に向く |
集客に失敗すると効果がない |
SNS |
認知拡大に向く |
効果が出るまで時間がかかる |
YouTube |
動画コンテンツを資産化できる |
効果が出るまで時間がかかる |
具体的なインバウンド営業の手法について解説します。
メルマガ
メルマガとはメールを使った情報発信のこと。インバウンド営業でのメルマガでは、広告色の強い情報ではなく、顧客にとって有益なコンテンツを発信します。
また、メルマガは気軽に始めやすいといった特徴があります。名刺などの情報から配信リストを作成し、定期的に顧客に送信。ユーザー一人一人に最適化したコンテンツを届けられます。
SNSでの情報発信が一般的になり「メルマガの時代は終わった」と揶揄されることもありますが、未だにメルマガはユーザーにとって効果的な手法です。
一方で、開封率が一般的に30%前後と高くはないのがデメリットです。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、情報発信を目的とした自社メディア。高品質なコンテンツを定期的に提供すれば、安定的にリード獲得できる手法です。
しかし、他のインバウンド営業の手法より効果が出るまで長期間かかります。記事が検索結果で上位になるメディアに成長するまでの時間は、半年〜1年ほど。
また上位表示されるためには、頻繁にコンテンツを更新し、検索エンジンの評価を上げる必要があります。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、別名「eBook」とも呼ばれ、ノウハウをPDF形式にしたもの。インバウンド営業におけるホワイトペーパーは、リード獲得に有効です。
リード獲得したい場合、自社サイトやオウンドメディアのPV数が多いほど効果があります。また、SNSのフォロワー数の多さもリード獲得に有効です。
ホワイトペーパーはパワポで作成可能。顧客に訴求力のある文章を書けるスタッフが書くことで、効果を期待できます。
ホワイトペーパーのメリットは下記の通り。
- 資料ダウンロードと引き換えに顧客情報を得られる
- リードナーチャリングをできる
- 営業活動を効率化できる
- 顧客が社内で説得しやすい
ただし作成にコストがかかるのがデメリットです。
ウェビナー
ウェビナーとは、Zoomなどを使った非対面のセミナーです。セミナー開催が難しくなったコロナ禍において、インバウンド営業の手法としてウェビナーを活用する企業が増えました。
会場が不要であり、資料と講師がいるだけで簡単にセミナーを開催可能。必要な費用はZoomのライセンス費用だけです。ウェビナーのメリットは下記の通り。
- 熱量の高い見込み客が集まる
- 場所の制限が少ない
- 会場設営の費用がない
ただしウェビナーにそもそも集客できないと効果がないのがデメリットです。
SNS
SNSは手軽に投稿できる手段。インバウンド営業手法の中でも、発信したコンテンツに拡散効果があり、認知拡大に役立ちます。
顧客とコミュニケーションを取ることが可能。商品やサービスのファンを増やせ、顧客ロイヤリティを上げるのに効果的です。一方でフォロワー獲得に時間がかかるのがデメリットです。
Twitter、Instagram、TikTokなどがありますが、特に拡散効果があるのはTwitterです。
YouTube
YouTubeもインバウンド営業の手法として効果が高い手法。スマホでの撮影、動画編集ツールにより動画を作成できます。
一度アップロードすると削除するまで残り続けるため、時間経過とともに視聴回数も増加します。インバウンド集客に動画を使う大きなメリットの1つといえます。
またアクセス数の増加によって、視聴者同士も交流可能。ユーザーがSNSで拡散することによって集客数が増え、宣伝効果を高められます。
ただし再生回数やチャンネル登録者が増えて効果が出てくるまで時間がかかるのがデメリットです。
インバウンド営業の流れ
インバウンド営業の流れについて解説します。
自社に適した手法でリードを獲得する
見込み客はリードと呼ばれ、自社にとって最適な見込み客を探す必要があります。どんな顧客が自社商品のターゲットなのか、ペルソナを設定してそれに適した手法を選択します。
ペルソナとは自社の製品・サービスを利用する理想的な顧客像。ペルソナを設定する利点は、ターゲットの視点で自社製品を見ることができる点です。下記のように細かくペルソナ設定すると、違う部署でも意思統一を図ることができます。
人口統計学的属性 |
心理的属性 |
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ペルソナを設定せずに曖昧にメッセージを発信すると、見込み客に情報が届かない可能性があります。そのため、ペルソナが興味を持つ内容についてコンテンツを作成するのが重要。
顕在顧客とは異なる潜在顧客もいるため、市場の反応を見ながら戦略を調整します。
獲得したリードを優先順位付けする
数に注目するのではなく属性や度合いをリサーチし、優先順位をつけるのがおすすめ。
優先順位付けするためには、以下のようにリードの属性や状況を把握するのが重要です。
- メルマガの開封率やクリック率を調べる
- MA(マーケティングオートメーション)ツールで見込み度合いのスコアリングを調べる
MAツールとは、マーケティング活動を自動化できるツール。リードの発掘を効率的に促進できます。見えない顧客行動の検知や見込みあり顧客の検知と伝達ができるため、リードの優先順位付けに役立ちます。
またどのくらい熱量の高いリードかを判別しやすくするため、顧客情報を入力する画面で検討フェーズや課題を記載してもらえるようにするといいでしょう。
顧客が抱える課題を洗い出す
見込み客が抱える課題をヒアリングしつつ、こちらから情報共有を行います。ペルソナに基づいてカスタマージャーニーマップを作り上げることで、顧客がどの段階にいるのかがわかります。
カスタマージャーニーマップとは、顧客の行動を以下のように時系列で細かく分けて分析する手法。対象となる顧客が購買前後でどのような行動を取るのか、実際に観察した事実から仮説を組み立てます。
- 購買前
- 購買時
- 購買後
顧客の課題を解決できる提案をする
上述したような段階まで拾い上げた課題をもとに、顧客にとって課題を解決できる提案を出します。自社製品で解決できた課題などをあわせて提案すると、相手がイメージしやすくなります。
自社製品の良さばかりを考え顧客視点を忘れ、独りよがりにならないようにするのが重要です。
【無料】営業代行会社を紹介してもらうインバウンド営業を成功させるポイント
インバウンド営業を成功させるポイントについて解説します。
社内の合意形成を図りターゲットを明確にする
どんなユーザーにアプローチするか? どうアプローチするか? などを社内ですりあわせておきます。 失敗例に多くあるのが、目先の集客数を気にして、見込み客にならないユーザーまで集めてしまうこと。
どんな企業においても、インバウンド営業に使える時間、費用は限られています。どのユーザーにどうアプローチしたら最も効果が出るか?を徹底的に考え、社内で認識のずれがない状態にしましょう。
効果測定を実施する
施策実行後は効果測定を実施。必要に応じてツールを導入し、数字で成果が見られるような状況を作り出し、定期的に観測と改善を行います。
調査対象者の声を実際に観察したり、アンケートなどで生の声を聞いたりなど、対象者の意識構造を調べます。
また、トラッキングを行うことも効果的。トラッキングとはユーザーの行動を追尾して調べること。自社製品の認知度や購買率の向上といった目標に対し、効果があるのかどうか把握できます。
見込み客の属性に合った手法を選ぶ
顧客の属性に応じて、それぞれの属性にあったインバウンド手法を採用して実行します。同時に顧客情報を記録して素早く対応する仕組みを整えておくのがおすすめ。
顧客のニーズは時代とともに変わります。自社製品がユーザーにとって最適なものであっても、取り巻く環境は常に変化しているため、時間とともに新たなギャップが生まれます。
そのため新たなギャップに対応できる戦略が継続的に求められるのです。
購入につながるコンテンツから優先的に作成する
もっとも購入の可能性が高い商品やテーマを優先的にコンテンツ化すると、成果を実感しやすくなるでしょう。
インバウンド営業で重要なのは、顧客が欲しいコンテンツを準備し、タイミングよく発信すること。顕在顧客だけでなく、潜在顧客も興味を持つようなコンテンツを用意することが必要です。
外注の場合はパートナー企業選びに注意
アウトソーシングする場合、パートナー企業を選定して合意を取るのが重要です。日頃の付き合いから選ぶのではなく、真摯に対応してもらえるかなどを見極めて決めること。
アウトソーシング企業は得意分野もそれぞれ異なります。過去の実績などを見て、自社に合った企業かどうかで選ぶと失敗する可能性が低くなります。
インバウンド営業の成功事例
画像引用:サイボウズ株式会社
サイボウズ株式会社は、グループウェアの開発を手がける企業。インバウンド営業によりオウンドメディア「サイボウズ式」で成功しています。
同社の悩みは、広告効果を見込めず売上が落ちていたこと。課題解決のためオウンドメディアを立ち上げ、これまでの顕在顧客だけではなく潜在顧客を獲得することに成功しました。
同社が心がけたのは、製品のPRをせず、あくまでも読者が必要としている情報の発信。コンテンツの評価に活用したのは、Facebook、Twitter、NewsPicksのコメントなどSNSでのリアクションです。
その結果、オウンドメディアとして広く認知され、売上向上にもつなげられました。同社の方法はインバウンド営業の典型的な成功事例です。
インバウンド営業のメリット・デメリット、手法を紹介しました
インバウンド営業の具体的な方法を知りたい方向けに、インバウンド営業を採用するメリット・デメリットや具体的なインバウンド営業の手法などを解説しました。
インバウンド営業の流れは下記の通りです。
- 自社に適した手法でリードを獲得する
- 獲得したリードを優先順位付けする
- 顧客が抱える課題を洗い出す
- 顧客に最適な提案をする
本記事で紹介した内容をもとに、自社でもインバウンド営業を行うか判断する際に、参考にしてみてください。
なお、営業代行会社の探し方・選び方がわからない!という方は営業幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
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