商談効率を上げるSPIN営業とは?ヒアリング項目やトレーニング方法まで解説【2024年最新版】

商談効率を上げるSPIN営業とは?ヒアリング項目やトレーニング方法まで解説

SPIN営業は、一般的な営業とは進め方が異なる、有効なセールステクニックとして知られています。

「SPIN営業と普通の営業とは何が違うのか」
「SPIN営業の進め方を知りたい」
「SPIN営業を身につけて売上を伸ばしたい」

このようにお考えの営業担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事ではSPIN営業の概要をはじめ、進め方、ヒアリングシートの項目、SPIN話法のトレーニング方法まで網羅的に解説します。営業の成果を高めるノウハウが詰め込まれているので、ぜひ最後までご覧ください!

なお、営業代行会社の探し方・選び方がわからない!という方は営業幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

【無料】営業代行会社を紹介してもらう
目次
  1. 1. SPIN営業(話法)とは
    1. 1-1. SPIN営業の必要性
  2. 2. SPIN営業の流れとヒアリングシートの項目例
    1. 2-1. Situation(状況質問)
    2. 2-2. Problem(問題質問)
    3. 2-3. Implication(示唆質問)
    4. 2-4. Need payoff(解決質問)
    5. 2-5. 【参考】SPINの質問後、商品サービスの提案に移る
  3. 3. 実践したい「SPIN話法」のトレーニング方法
    1. 3-1. 1. 「仮説思考力」を鍛える
    2. 3-2. 2. 「反復練習」で身体に覚え込ませる
  4. 4. SPIN営業が学べるおすすめの本
    1. 4-1. 大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
    2. 4-2. 営業の「聴く技術」ーSPIN「4つの質問」「3つの説明」
  5. 5. 【まとめ】SPIN営業を習得して成約率を向上させよう

SPIN営業(話法)とは

SPIN営業(話法)とは、顧客自身が気づいていない課題やニーズに気づいてもらう質問を投げかけ、アポイント獲得へとつなげる営業手法です。Situation(状況質問)、Problem(問題質問)、Implication(示唆質問)、Need payoff(解決質問)の4つのステップに分かれます。1988年にイギリスのニール・ラッカム氏が提唱し、今では営業で広く使われています。

SPIN営業の必要性

前提として、顧客のニーズには「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」の2種類があり、SPIN営業では後者の「潜在ニーズ」まで満たすことを目指します。

 

特徴

顕在ニーズ

顧客自身が自覚しているニーズ

・ダイエットサプリが欲しい

・車が欲しい

潜在ニーズ

顧客自身がまだ気づいていないニーズ

・痩せて綺麗になりたい、モテたい

・車を持つカッコイイ自分をアピールしたい

顧客自身の潜在ニーズに気づいてもらうことで、「商品を購入した方が良い」と思わせることができます。顧客の「そうそう!それが欲しかった」「まさにそれを求めていた」という欲求を満たすことで、購買意欲も高まりやすくなるのです。

一般的な営業スタイルでは、担当者が商品の魅力やメリットを伝える一方的なものになりがち。SPIN営業は、お客様自身の潜在ニーズに気づいてもらい、自ら購買意欲を高めてもらうための手法です。

SPIN営業は自社の商品サービスを提案する前段として行われ、S→P→I→Nの順に深掘りしていくことで、商談へのスムーズな移行が可能です。

SPIN営業の流れとヒアリングシートの項目例

SPIN営業の流れ

SPIN営業をどのように進めていくべきか、営業の流れを解説します。また、SPIN営業におけるヒアリングシートの項目例(質問例)もご紹介しているので、参考にしてください。

Situation(状況質問)

Situation(状況質問)は、SPIN営業で最初に行う質問。顧客自身の現状や周囲の環境について確認するために行います。まずは現状を知ることで、顧客自身が何に困っているのかなど、課題にも気づきやすくなります。ただし、闇雲に現状を聞き出すのではなく、自社の商材に絡めた質問をすることが大切です。

ヒアリングの質問例

ヒアリングでは、以下のような質問をしましょう。

  • 訪問営業でお忙しいようですが、お客様の情報管理はどうされていますか?
  • その際、お客様の情報管理にどのくらい時間がかかっていますか?
  • 実際に部署内などで「情報管理が煩わしい」という声はありませんか?

ポイント

あくまでも相手の状況を把握するための質問なので、手短に済ませるのがポイント。端的にわかりやすい質問を投げかけましょう。

冗長になると相手に不快感を与える場合があります。そのため、前置きとして「いくつかお聞きしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」と聞き、次の状況質問に移るとスムーズです。

Problem(問題質問)

Problem(問題質問)は、顧客が感じる課題や不満、改善したい点などを掘り下げるための質問です。顧客自身が困っていることに対して強く働きかけることで、問題解決に近づけます。

ヒアリングの質問例

ヒアリングシートには、以下のような質問項目を設けましょう。

  • お話を伺っている限り、相当お忙しそうですね。実際のところ「顧客情報の管理さえなければ・・」と思ったことはありませんか?
  • 名刺や顧客情報の管理にリソースを使いすぎて、本当にやりたいコア業務が後回しになってしまうケースをほかのお客様からよくお聞きします。○○様の場合そのようなことはございませんか?

ポイント

問題質問では、クローズドクエスチョンを意識しましょう。クローズドクエスチョンとは、相手がYESかNOで答えられる端的な質問です。「どう思いますか?」など、回答に制約のないオープンクエスチョンだと、相手も何を答えれば良いか困ってしまいます。

あえてYESorNoで答えられる質問を投げかけ、会話のキャッチボールを増やすことで、徐々に内容が深掘りされていくのです。

Implication(示唆質問)

示唆質問は、顧客自身が抱える問題の重要性を示唆するための質問です。その問題がどのくらい深刻であるか、解決することで今より状況がもっと良くなることを、顧客自身に気づいてもらいます。

ヒアリングの質問例

ヒアリングでは、以下のような質問をしましょう。

  • 現状の情報管理のままだと顧客情報が各担当者に属人化し、営業の効率化が難しいと思いませんか?
  • ほとんど何もせずに顧客情報が管理できて、担当者はコア業務だけに集中できるのが理想ですよね。

ポイント

上記の質問等によって問題が明白になっても、答えを急がないのがポイント。一方的に解決策を伝えるのでなく、「現状のままでは難しいと思いませんか?」と、顧客と同じ方向を向いて考えましょう。顧客自身に「今自分たちがこんな状態だと知らなかった。何とかしなければ」と強いインパクトを与えることで、次のステップに進みやすくなります

Need payoff(解決質問)

解決質問では、示唆質問で明白になった問題に対して何ができるかを顧客自身に話してもらいます。ここで商品サービスの提案をしたくなりますがまだ早いです。解決質問によって、商品サービスに興味を持ってもらうのが目的です。

ヒアリングシートの項目例

ヒアリングシートには、以下のような質問項目を設けましょう。

  • もし課題を解決できるサービスがあったとして、コスト削減できれば、損失を防ぐことができませんか?
  • 〇〇の機能があれば、業務改善に大きく前進すると思いませんか?
    現在ご利用中のサービスにはない〇〇の機能があれば、今すぐ導入したいと思いませんか?

ポイント

顧客は「何とか問題を解決したい」状態になっています。そこで問題解決のメリットと、何があれば問題を解決ができるのかの質問をします。ただし、一方的に答えを伝えるのでなく、「〇〇があれば良いと思いませんか?」と質問形式で誘導することが大切です。

【参考】SPINの質問後、商品サービスの提案に移る

SPIN営業の4ステップが順調に進めば、最後の解決質問が終わった段階で、お客様は「現状を何とか解決したい」と思っているはずです。そこで自社の商品サービスを提案しましょう。

  • 当社の△△(商材)では、先ほどおっしゃっていた△△の課題を解決できます。
  • もちろん、他社サービスにはない〇〇の機能も付帯していますし、月額料金内で全機能が使い放題です。

課題を解決できる方法として自社商品があると伝え、お客様の背中を押してあげましょう。他社にはない自社商品ならではの魅力を伝えられると、さらにお客様を引きつけられるでしょう。

【無料】営業代行会社を紹介してもらう

実践したい「SPIN話法」のトレーニング方法

「SPIN話法」のトレーニング方法

SPIN営業の質問の流れをお伝えしましたが、練習なしでいきなりアウトプットするのは難しいでしょう。ここでは、SPIN話法を身につけるためのトレーニング方法をご紹介します。

1. 「仮説思考力」を鍛える

顧客の問題点に気づき、的を得た質問をするためには、仮説思考力が必要。仮説とは「仮の結論」のことです。「もしかすると、〇〇が原因で〇〇という現状に陥っているのではないか?」と仮説を立て、それに基づいて行動します。

【仮説思考力の鍛え方1】なぜ?をひたすら繰り返す

根本的な原因を突き止めるために、物事に対して「なぜ」を何度も繰り返すことが大切。トヨタ自動車が活用する「トヨタ生産方式」でも、なぜ?を5回繰り返すことで解決の道筋が見えてくるとされています。

たとえば、顧客に「売上が鈍化している」という課題があったとして、「なぜ売上が伸びないのか」を徹底的に考えます。「大企業との大きな取引が少ないのでは?」「過去の取引の傾向はどうだったのだろう?」など、さまざまな可能性を深掘りしていきます。

自分自身の思いつきを正解とせず、「なぜ」に基づいてヒアリングを進めましょう

【仮説思考力の鍛え方2】自分自身の引き出しを増やす

仮説を立てるためには、知識が必要です。どれだけ知識があるかで、仮説思考力にも差が出てきます。

知識には、「学習によって身につく知識」と「経験ベースの知識」の2つがあります。いわば勉強の知識と、経験の知識。SPIN営業における仮説思考力では、この両方が重要になります。

経験の知識は、現場に立つことでしか身につきません。その補填として、営業に関する本を読んだり、調べたりと勉強の知識を身につけておくことが大切です。

【仮説思考力の鍛え方3】正しく因果関係を捉える

仮説思考を鍛えるにあたって、物事の因果関係を意識しましょう。会話をしていてよく起こるのが、「論理の飛躍」。結果と原因の辻褄が合わなかったり、根拠を示さずに結果を伝えてしまったりするケースです。

自分が話しているときに、話の辻褄が合っているか、きちんと裏付けを伝えられているのかを意識しましょう。先ほどの「なぜ」の話に戻りますが、いわれたことにも「本当にそれが原因なのか?」「因果関係があるのか?」を考えながら会話を進めましょう。

2. 「反復練習」で身体に覚え込ませる

状況質問、問題質問、示唆質問、解決質問それぞれの反復練習を行うことも重要。繰り返し行うことで身体に染み付き、必要な場面で必要な質問ができるようになります。

より実践に近づける場合は、営業のロールプレイングが効果的です。同僚や上司にお客様の役をやってもらい、実際の営業に近い形で練習をします。

どのような潜在ニーズのある顧客であるかを事前に決めてSPIN営業を行い、相手の潜在ニーズを引き出せるかを確認します。

SPIN営業が学べるおすすめの本

SPIN営業を実践している営業担当者は多く、人によって営業との向き合い方やトレーニング方法は異なります。ここでは参考のために、SPIN営業が学べるおすすめの本を2冊ご紹介します。

大型商談を成約に導く「SPIN」営業術

本書は「営業のバイブル」として知られる一冊。SPIN営業に特化した内容となっており、大型商談を契約するために必要なセールステクニックを網羅しています。著者が経験してきた3.5万件の営業を徹底的に調査することで、「本当に効果のある営業とは何か?」を導いています。

Amazon「大型商談を成約に導く『SPIN』営業術」

営業の「聴く技術」ーSPIN「4つの質問」「3つの説明」

SPIN営業に焦点を当て、トップ営業マンに必要とされるスキルについて書かれた一冊。実際にSPIN営業で成功した事例や、今後の変革や改革、激動の世の中をどのように生き抜いていくか、そのために必要なスキルも書かれています。

Amazon 営業の「聴く技術」ーSPIN「4つの質問」「3つの説明」

【無料】営業代行会社を紹介してもらう

【まとめ】SPIN営業を習得して成約率を向上させよう

SPIN営業を実践で使うことができれば、顧客自身が潜在ニーズに気づき、自社の商品サービスの必要性を感じてもらえるようになります。ただ、SPIN話法を習得するのは簡単ではありません。

お伝えした「仮説思考力」を鍛える必要があったり、反復練習やロールプレイングを入念に行う必要があったりと時間がかかります。ぜひ本記事の内容を参考にSPIN営業のノウハウを習得して、成約率向上を狙いましょう。

なお、営業代行会社の探し方・選び方がわからない!という方は営業幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

【無料】営業代行会社を紹介してもらう