非対面営業とは?対面営業との違い・メリット・デメリット・取り組みのポイントを解説【2024年最新版】
「否応なしに非対面で営業しているが、世の中の状況とは別に非対面営業への注目が高まっているらしい」と気になっていませんか?
そこで本記事では、非対面営業の概要や対面営業との違い、それぞれのメリット・デメリット、非対面営業に取り組む際のポイントを解説!非対面営業に欠かせないツールも紹介していきます。
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非対面営業とは、文字通り「顧客と対面することなく」営業活動すること。具体的には、メール / 電話 / オンライン会議ツールなどを活用し、インハウス(自社内)でアポイント獲得や商談する営業手法・スタイルを非対面営業といいます。
インハウスで営業活動することからもわかるように、非対面営業は近年耳にすることの多くなった「インサイドセールス」と同義語です。
対面営業との違い
対する対面営業とは、文字通り「顧客と対面して」営業活動すること。従来一般的に行われてきた飛び込み営業、訪問営業、ルート営業などが対面営業の代表例です。しかし、パンデミックで対面営業が困難になってからは、アポイント獲得を電話 / メールに、商談をオンライン会議ツールに切り替えたという企業も多いでしょう。
2023年現在、多くの企業で非対面営業が採用されていますが、それには大きく2つの要因があると考えられます。
・インターネット回線の高速化 / ツールの高機能化でオンライン商談しやすくなった
・対面営業が困難だったため、多くの企業が非対面営業に慣れた
ただし、これだけの理由では、対面営業への障壁がなくなれば非対面営業への注目は薄れるはず。2023年になっても、なお非対面営業への注目が高いのは、しっかりと非対面営業を運営していくことにより、対面営業だけでは得られないメリットが得られるからです。
非対面営業のメリット
それでは、非対面営業が注目される具体的なメリットとはなにか?以下から簡単に解説していきましょう。
幅広いリードに数多くアプローチできる
訪問先を移動する必要のない非対面営業には、幅広いリード(見込み顧客)に数多くアプローチできるメリットがあります。
たとえば、顧客を訪問する対面営業の場合、商談に平均1時間かかるとしても、1日にこなせる商談数はよくて4〜5件です。非対面営業なら、8時間の就業時間で8件の商談をこなすことも可能。移動時間がかからないため、遠方のリードや、海外の顧客と商談するのも簡単です。
電話を活用した非対面でのアポイント獲得はもっと効率的。アプローチできる件数を桁違いに増やせるだけでなく、「嫌われる」飛び込み営業よりも成功率を高められます。
営業活動を効率化できる
各種ツールを活用した非対面営業を展開することにより、営業活動を飛躍的に効率化できるメリットが得られます。たとえば、MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用してリードを育成していくなどが可能です。
MAツールではリードの行動履歴を集約し、シナリオに従ってステップメールを出し分けるなど、起こすべきアクションを自動化可能。リードの興味度合いに応じてメール / 電話を活用し、成約確度の高いリードに絞ってアプローチする効率のいい営業活動を実現できます。
また、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)を活用 / データ共有することで、チーム内のムダな動きを排除することも可能。各スタッフの活動状況が集約・共有されるため、同じターゲットに重複してアプローチしてしまうことがなくなります。
蓄積されたデータを共有 / 活用すれば、優秀な営業マンの行動パターン・成功例を分析し、自社独自の勝ちパターンを共有することもできるでしょう。
営業活動の精度を高められる
非対面営業で蓄積されたデータの共有 / 活用は、営業活動全体の精度を高めるためにも役立ちます。たとえば、過去のデータから勝ちパターンが見えてくれば、現在抱えている案件の成約確度を予測可能。成約確度がわかれば、将来的な売上を予測することが可能です。売上予測の正確性が高まれば、短・中期的な将来に向けて「なにをすればいいのか?」がわかります。
さまざまな角度からデータ分析し、改善を続けていけば、営業活動全体の精度を高められるのは当然です。
非対面営業のデメリット
もちろん、非対面営業はすべての課題を解決する魔法の営業手法ではありません。メリットの反面ともいえるデメリットの存在も知っておく必要があります。
組織体制の構築 / ツール導入が必要
単にアポイント獲得を電話 / メールに、商談をオンライン会議ツールに切り替えるだけでは、非対面営業のメリットは得られません。非対面営業の効果を最大化するには、CRM / SFA / MAなどのツール導入、およびツールを活用するための組織体制構築が必要です。
つまり、ツール導入のコストが必要というだけではなく、ツールを活用できる人材の確保と運用するための体制も考慮しなければなりません。社内スタッフを育成するのなら教育費が、新たな人材を採用するなら人件費もかかります。
非対面営業ならではのノウハウが必要
ツールを使いこなすことができても、非対面営業ならではのノウハウが不足していれば、メリット・効果は薄いといわざるを得ません。
具体的には、獲得したリードの興味を高めていくにはどうするか、効果的にリードを分類 / 抽出するにはどうするかなど、主にリード育成場面でのノウハウが必要です。
信頼関係を築きにくい
商談時に相手との信頼関係を築きにくいのは、非対面営業のデメリット。パンデミックでリモート商談が一般化したのは事実ですが、これまでの対面営業とは勝手が異なる、と感じた方も多いはずです。
特に、高価格商材、説明の難しい複雑な商材、個別のカスタマイズが必要な商材など、検討期間が長期になる傾向の商材は、非対面営業に向いていません。商材によっては「アポイントは獲得できるものの、なかなか商談がまとまらない」というケースも出てくるでしょう。
対面営業のメリット・デメリット
それでは、非対面営業に対する対面営業のメリット・デメリットはなにか。対面営業のメリット・デメリットは、基本的に非対面営業と対の関係性になります。
信頼関係を築きやすいのがメリット
非対面営業とは対照的に、商談相手との信頼関係を築きやすいのが対面営業のメリット。アイスブレイク、アイドリングトークなど、お互いの緊張を解くための雑談を挟みやすく、距離感を縮めやすいのも対面営業ならではです。
資料をもとに複雑な商材を説明する、商材によっては実物を見てもらうなども可能。つまり、非対面営業に向いていない商材には、対面営業が効果的です。
営業活動の効率化が難しいのがデメリット
対面営業のデメリットは、営業活動の効率化が難しいこと。商談相手を訪問するための交通費、移動時間がかかるほか、直接対面するためのアポイント獲得やスケジュール調整などにきめ細かく対応しなければなりません。営業活動の効率というメリットのある非対面営業とは、この点においても対照的な関係です。
【無料】営業代行会社を紹介してもらう非対面営業の活用パターン
ここまでで、非対面営業と対面営業、それぞれのメリット・デメリットを中心に、両者の概要・違いを解説してきました。非対面営業の活用パターンは、営業プロセスに応じて、以下の表のようにさまざまです。
営業プロセス |
手法 |
役割 |
リード創出 |
Webサイト、広告、PR、 展示会、セミナーなど |
潜在顧客からのリード掘り起こし / 獲得 |
リードのランク付け |
メルマガなど |
獲得したリードの育成 |
リードの選別 |
ホワイトペーパー、メールフォローなど |
成約確度の高いリードを抽出 |
リードへのアプローチ |
電話 |
案件化 / アポイント獲得 |
商談 |
オンライン商談、訪問商談 |
プレゼン / 交渉 |
クロージング |
オンライン商談、訪問商談 |
契約 / 顧客化 |
ただし、ひとことに非対面営業といっても、実際の活用パターンは企業ごとのビジネスモデルによってさまざま。
大きくは、リード創出からクロージングまでの営業プロセスで、非対面営業と対面営業を組み合わせるパターンと、すべての営業プロセスを非対面営業で完結させるパターンの2通りがあります。
非対面営業と対面営業を組み合わせる
BtoBビジネスを展開する企業、高価格商材を取り扱う企業などでは、主に非対面営業と対面営業を組み合わせたスタイルを採用することが多い傾向にあります。
具体的には、リード創出から育成、選別、アポイント獲得までを非対面営業の領域とし、商談・クロージングを対面営業で対応することが一般的。このパターンであれば、向いていない商材でも非対面営業のメリットを活かせます。チームで役割を分担することによって、それぞれの業務に集中できる環境が整えば、営業効率をさらに高めることも可能です。
商談 / クロージングまで非対面営業で完結
低価格 / 大量販売を前提にする企業、サブスクリプションモデルを採用する企業では、商談からクロージングまでを非対面営業で完結させることが多い傾向にあります。
この場合は、アポイント獲得後の商談 / クロージングに「オンライン会議ツール」を活用することが一般的です。数多くの商談をこなせるこのパターンなら、商材の利益率が低くても営業効率を高めることが可能。契約までのリードタイムが短い商材を取り扱う企業にも最適です。
非対面営業に取り組む際のポイント
メリット・デメリット、活用パターンを理解した上で、非対面営業に取り組んでみたいと考える方に向け、非対面営業を成功させるポイントを以下から紹介していきましょう。
自社に最適な営業スタイルを考慮する
上述したように、非対面営業の活用パターンには大きく2つありますが、自社に最適なスタイルはどのようなものかを考慮することが重要です。
具体的には、自社取り扱い商材の特性や単価、ターゲットとなる顧客層、契約までのリードタイムを考慮し、適材適所で対面 / 非対面の使い分けを検討することがおすすめ。ポイントとなるのは、クロージングにいたるまでの商談で、信頼関係の構築が重要なのかどうかです。
オンラインならではのコミュニケーションを考慮する
クロージングまでを非対面営業で完結させる場合は、オンラインならではのコミュニケーションを考慮することも重要なポイントです。
非対面営業のデメリットでも触れましたが、顔が見えているとはいえ、オンラインでの商談は普段と勝手が違うもの。訪問営業に慣れている方であればなおさらです。相手に誤解を与えないよう、曖昧な表現や表情は避けなければなりません。これは、オンライン商談だけではなく、メールや電話にもいえることです。
適切なツールを選定する
非対面営業に必須のツールは、目的にあった使いやすいものを選ぶことがポイントです。
たとえば、CRM / SFA / MAツールを選ぶ際の条件は、それぞれのツールがシームレスに連携し、データを一元管理・共有できること。連携できないツールを選ぶと、同じ顧客情報を各ツールに何度も入力するなど無駄が発生し、効率化が進まないからです。
また、ツールを導入しても活用されなければ意味がありません。非対面営業のメリットを最大化するには、分析するための顧客行動・営業活動のデータが必要だからです。現場が使いやすく、データ入力が定着しやすいツールを選択する必要があるでしょう。
外部のノウハウに頼るのも方法
とはいえ、デメリットでも解説したように、非対面営業のメリットを最大化するには「ノウハウ」「ツールの使いこなし」という課題をクリアしなければなりません。自社で地道にノウハウを蓄積していくことも可能ですが、成果が得られるまでに時間をかけられないという企業も少なくないはずです。
そんなときは、営業コンサルティング会社にアドバイスを求める、営業代行会社に実務をサポートしてもらうのも方法です。 たしかにコストはかかりますが、ノウハウを吸収できれば自力で運営できます。 自社の力のみで非対面営業に取り組むよりも、結果的にコストを抑えることにもつながるでしょう。
【無料】営業代行会社を紹介してもらう非対面営業を展開するのに有効なツール
最後に、非対面営業を展開していくのに欠かせないツールの概要、おすすめのツールをいくつか紹介しておきます。
CRM / SFA
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客情報・行動履歴、自社との関係性を管理し、顧客との良好な関係を促進するシステム。顧客管理システムとも呼ばれます。
一方のSFA(Sales Force Automation)とは、営業スタッフの行動管理・案件進捗を一元管理し、営業活動の効率化に役立てるシステム。営業支援システムとも呼ばれます。
両者の目的は異なるものではありますが、SFAで獲得した顧客との関係性を強化していくツールがCRMという関係にあり、機能的に重なる部分も少なくありません。そのため、CRM / SFAの機能を併せ持ったツールも多数存在します。
代表的なCRM / SFAツールとしては、世界で最も利用されている「Salesforce」が挙げられるでしょう。CRM / SFAの「Sales Cloud」をはじめ、営業活動・顧客管理を促進するさまざまなソリューションを提供しています。
画像出典:Sales Cloud
MA
MA(Marketing Automation)とは、リード獲得・育成など、マーケティング領域の業務を自動化・効率化するためのシステム・ツール。日本では主にMAツールと呼ばれています。
世界的に知られているMAツールの代表は「Adobe Marketo Engage」です。メルマガをはじめ、リードに最適化されたコンテンツを生成してタイミングよく配信することで、興味度合いを高めていくことが可能。MarketoのデータをCRMに取り込める「Sales Connect」機能も搭載しています。
画像出典:Adobe Marketo Engage
オンライン会議ツール
オンライン商談を含めて、非対面営業を完結させるのに必要不可欠なツールが、オンライン会議ツールです。パンデミック以降、商談のみならず、社内ミーティングのツールとして活用されるようになりました。代表的なツールは「Zoom」です。
画像出典:Zoom
電子契約サービス
クロージングを含めて非対面ツールを完結させるのであれば、「電子契約サービス」も忘れてはならない必須のツールです。
電子契約には、気軽に利用できる「メール認証タイプ」と、電子証明書を利用した信用性の高い「実印タイプ」があり、契約の特性に応じた使い分けが重要。国内190万社の導入実績を誇る「GMOサイン」なら、どちらのタイプの電子契約にも対応できます。
画像出典:GMOサイン
非対面営業の基礎知識を紹介しました
本記事では、非対面営業の概要や対面営業との違い、それぞれのメリット・デメリット、非対面営業に取り組む際のポイントを解説してきました。
アポイント獲得を電話 / メールに、商談をオンライン会議ツールに切り替えたという企業は多いはずですが、それだけが非対面営業が注目されている理由ではありません。ただ単に対面を非対面に置き換えるだけではない、非対面営業のメリット・ポテンシャルが広く理解され始めたのが注目の理由です。
ただし、非対面営業のメリットを最大化するには、いくつかの課題があることも事実。本記事で解説したポイントも参考に、自社なりの方法で非対面営業に取り組んでください。
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