市場調査の目的とは?やり方と事例のほか依頼する際の注意点を解説【2024年11月最新版】

市場調査の目的とは?やり方と事例のほか依頼する際の注意点を解説

市場調査はなんのために、どういう目的で行われるのでしょうか。漠然とはわかっていてもはっきりとした答えは出てきません。

  • 自社の目的に合う市場調査はなに?
  • 市場調査のやり方はどうすればいい?
  • 市場調査の事例があれば知りたい

本記事では市場調査に関する上記の疑問にお答えします。最後まで読むことで市場調査の目的と種類を理解して、実行もしくは代行企業へ依頼できるようになります。ぜひご活用ください。

なお、営業代行会社の探し方・選び方がわからない!という方は営業幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算に合った最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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目次
  1. 1. 市場調査とは?その目的
  2. 2. 市場調査とマーケティングリサーチの違い
  3. 3. 市場調査の種類
    1. 3-1. 定量調査
    2. 3-2. 定性調査
  4. 4. 市場調査のやり方
    1. 4-1. 調査背景と目的を明確にする
    2. 4-2. 調査方法を設計する
    3. 4-3. 調査を実施する
    4. 4-4. 結果を分析・検証する
    5. 4-5. 次のアクションを決定する
  5. 5. 市場調査の事例
    1. 5-1. 清水建設株式会社
    2. 5-2. ベースフード株式会社
  6. 6.  市場調査を依頼する際の注意点
    1. 6-1. 費用のみで判断しない
    2. 6-2. 目的に応じた調査手法を選定する
  7. 7. おすすめの市場調査会社3選
    1. 7-1. 株式会社バルク
    2. 7-2. 株式会社クロス・マーケティング
    3. 7-3. MMDLabo株式会社
  8. 8. 市場調査会社を探すなら営業幹事にご相談を

市場調査とは?その目的

「市場調査」とは、顧客や消費者を対象にアンケートを取って分析することです。「マーケットリサーチ」と呼ばれることもあります。

市場調査にはアンケートやインタビューなど様々な手法があり、多角的に消費者の要望を吸い上げることでニーズを明確にできます

市場調査の目的は、顧客や消費者の嗜好・要望を知り、商品・サービスに反映して顧客満足度の向上させることです。ほかにも、これから新製品を開発する際に市場調査のデータを設計・開発に活かすこともあります。

的確に消費者のニーズをつかめれば、大きな売上が期待できるだけでなく、市場におけるシェアを伸ばすことも可能です。そのため、市場調査は商品・サービスを成功させる大きな要因の1つとなります。

市場調査は、競合製品の分析に有効です。自社製品と競合製品が消費者にとってどのように認識されているかがわかれば、今後の戦略にも役立つでしょう。

市場調査とマーケティングリサーチの違い

市場調査(マーケットリサーチ)に類似する言葉として「マーケティングリサーチ」があります。ほとんど同じ言葉のように見えますが、厳密にいうと両者は異なるものです。

両者の違いは調査対象の時間軸です。

  • 市場調査:過去~現在のデータを元に市場を分析する
  • マーケティングリサーチ:現在のデータから将来的な市場を予測する

では、マーケティングリサーチが必要なのはどのようなときでしょうか。マーケティングリサーチは、現在のデータから市場を予測し、今後の販売・製造戦略を立てるときに有効です。企業がどのような戦略を取るのか、よりマクロな視点が必要なときにマーケティングリサーチは力を発揮するでしょう。

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市場調査の種類

市場調査の種類は大きく「定量調査」と「定性調査」に分かれます。

 

定量調査

定性調査

調査規模

大規模

小規模

調査対象

数値化できるデータ

数値化できないデータ

調査方法

ネットリサーチ

ホームユーステスト(HUT)

会場調査

郵送調査

デプスインタビュー(DI)

グループインタビュー(FGI)

オンラインインタビュー

訪問観察調査

定量調査

定量調査

定量調査では、数値化できるデータを収集して分析します。代表的な調査方法としてはアンケートが挙げられます。一定規模の消費者にアンケートを実施し、人数をカウントして分析する手法で、代表例は以下のとおりです。

  • ネットリサーチ
  • ホームユーステスト(HUT)
  • 会場調査(CLT)
  • 郵送調査

ネットリサーチ

インターネットを使ったアンケートです。Webサイトであればどこでも実施でき、低コストで大量のデータを収集できます。また、短時間で調査を実施できるのも魅力です。

ただし、ネットリサーチはインターネット利用者が対象となるため、当然インターネットを利用しない層のデータは収集できません。また、ネットリサーチを実施する媒体のユーザー層次第で偏った回答になるというデメリットがあります。

ホームユーステスト(HUT)

ホームユーステスト(HUT = Home Use Test)は、テスト製品を自宅で試してもらい、アンケートを取る手法です。店頭でよいと思ったものが、買ってみると「なにか違った」「一定期間使っていたら問題が起こった」ということは珍しくありません。ホームユーステストでは、よりリアルな消費者の感想をもらえるため、製品開発や改良の参考になります。

  • 食料品
  • 化粧品
  • 家電製品
  • ペット用品

などでよく実施されます。ただし、テストを実施するのに一定の期間が必要であり、サンプルを用意して発送・返送する費用がかかるといったデメリットもあります。

会場調査(CLT)

会場調査(CLT = Central Location Test)は、特定の会場で消費者に自社のテスト製品を使用してもらい、アンケートを取る手法です。会場調査では、機密性の高いテスト製品を調査するのに向いています。自社の戦略や技術情報を守りたい場合は、会場で秘密保持誓約書を締結可能です。

ただし消費者からすれば、普段と異なる環境で使用するため、本来の使用感などを冷静にフィードバックできない可能性があります。また、会場やテスト製品を準備するための費用や時間が必要なのもデメリットです。

郵送調査

調査対象にアンケートを送付して、回答を返送してもらう手法です。インターネットを利用しない層や、既存顧客に足を運んでもらわなくてもアンケートを全国規模で実施できます。また、属性を絞り込んでアンケートを実施できるのもメリットです。

ただし、送ったアンケートがかならずしも返送されるとは限らないのがデメリット。一般的に郵送調査の回収率は三割程度といわれており、十分なデータを回収できるだけの母数をあらかじめ見積もっておく必要があります。

定性調査

定性調査

定性調査では、数値化できないデータ(感想や意見など)をインタビューなどでヒアリングして分析します。消費者の行動や感情などを分析して潜在ニーズを探るのに有効です。代表的な手法として以下のものがあります。

  • デプスインタビュー(DI)
  • グループインタビュー(FGI)
  • オンラインインタビュー
  • 訪問観察調査

デプスインタビュー(DI)

デプスインタビュー(DI = Depth Interview)とは、長時間かけて1対1のインタビューを実施してヒアリングする手法です。インタビュー時間は60~90分と比較的長く、消費者の意見を深掘りできる点がメリット。

時間をかけて打ち解けられれば、商品を選んだ意思決定プロセスや本人が気づいていなかった潜在意識を聞き出せることも。お金や美容・健康などデリケートな話題にも向いています。

一方で、1件の調査結果を得るための時間と人的、金銭的コストがデメリットです。対象者の属性やインタビュアーの技量によっては必要な情報を得られない結果になる可能性もあるため、調査対象者とインタビュアーは慎重に選定することをおすすめします。

グループインタビュー(FGI)

グループインタビュー(FGI = Focus Group Interview)とは、複数(およそ3~6名)の消費者グループにインタビューする手法です。司会者が進行して質問を投げかけ、参加者が自由にディスカッションしながら進めていきます。ディスカッションが盛り上がるように同じ年齢、性別、趣味などでメンバーを組むのがポイントです。

グループインタビューではデプスインタビューほど深い掘り下げはできないものの、一度に複数の意見を吸い上げることができて効率的です。ただし、グループメンバーの構成によっては、発言力の強い人物の意見に引きずられて全体の発言が偏るというデメリットもあります。

オンラインインタビュー

名前のとおり、オンラインでインタビューする手法です。インターネット環境とパソコン・スマートフォンがあれば誰でも、どこでもインタビューができます。デプスインタビューやグループインタビューにも応用でき、移動せずに手軽に実施できるのがメリットです。

ただしオンラインインタビューでは、当日に機器・通信トラブルでつながらない、音声が聞き取りにくくなるといったデメリットがあります。また、モニターやスピーカーによっては発色、音質が異なるため視聴覚に関わる質問では意図した回答が得られない可能性もあります。

訪問観察調査

訪問観察調査では、消費者の住居や職場に出向いてインタビューをします。実際に自社製品が使用されている環境を観察しながらインタビューができるため、より高精度のヒアリングが可能です。

デメリットには、調査対象者の了承を得にくい点が挙げられます。訪問観察調査は消費者の住居や職場を訪れて行われる性質上、快く了承してくれる人を見つけるのが難しいからです。また、調査対象者とのスケジュール調整に手間がかかるため、多くのサンプルデータを得るには時間とコストを必要とします。

市場調査のやり方

市場調査のやり方

ここからは、市場調査のやり方を5つのステップで紹介します。

  1. 調査背景と目的を明確にする
  2. 調査方法を設計する
  3. 調査を実施する
  4. 結果を分析・検証する
  5. 次のアクションを決定する

調査背景と目的を明確にする

市場調査を始める前に、調査背景を明確にします。調査背景とは、マーケティングで抱えている課題のことです。どのようなマーケティング課題を抱えていて、市場調査が必要なのかが明確になれば、調査目的がおのずと見えてきます。

調査目的は、以下のように具体的であることが望ましいでしょう。

  • 新製品を企画・開発するためのアイディア、ニーズの掘り起こしをしたい
  • 自社製品を生産するための数値を見積もりたい
  • 考案したコンセプトが市場に受け入れられるのか検証したい

目的が明確になれば適切な方法を選定しやすくなります

目的と同時に仮説も立てておきます。「○○が原因で××はリピーターが少ないのではないか」といった仮説を立てて、調査でどのようなデータが必要なのかを浮き彫りにするためです。

調査方法を設計する

調査方法は、仮説を証明するために必要なデータを得られるように設計します。

たとえば「○○が原因で××はリピーターが少ないのではないか」という仮説に対して、ユーザーへのアンケートを実施するのはどうでしょうか。

  • パッケージデザイン
  • 質感
  • 機能性

などからユーザーの満足度を5段階評価で回答してもらえば、仮説が証明されるかもしれません。

また、調査対象者の属性はあらかじめ分類しておくことをおすすめします。

  • 年代
  • 職業
  • 性別
  • 趣味
  • 行動習慣

上記のように属性で分類しておくことで、回答結果を分析する際に新しい知見を得られる可能性が高まります。

調査を実施する

調査方法が決まれば計画を実施します。

せっかく市場調査を実施しても有効性の乏しい回答に終始してしまうのは避けたいところ。そのため、精度の高い調査結果を得るには「適切なアンケートの設問を作成できる」「調査対象者から貴重な意見を引き出せる」調査員が必要不可欠です。

また、アンケートや質問を考えるときは「あれこれ聞きすぎない」「重要な質問は序盤にする」ことも大切。たくさん質問されると調査対象者の集中力が落ちて回答精度が落ちるからです。

結果を分析・検証する

定量調査の場合は結果を集計してデータに偏りがないかを分析します。定性調査の場合は、回答内容を分類し整理しましょう。集計したデータを元に仮説が証明できるのか、もしくは仮説とは違う傾向があるのかを見ていきます。

レポートを作成する際は、単純にデータを羅列しないようにしましょう。レポートは、調査背景や課題、仮説を盛り込みながらデータが何を意味しているのかを示唆していなくてはいけません。レポートの解釈次第では意思決定に大きな影響を与えてしまいます。

次のアクションを決定する

調査レポートを元に次のアクションを決定します。

  • 商品の問題点がわかったので開発部に改良を提案する
  • 商品リニューアルのヒントとして企画部に共有する

大切なのは、市場調査の実施背景や結果を関係者でしっかり共有しておくことです。そうでないと、市場調査の意図が正確に伝わらず、適切な施策を打てない可能性があります。

検証結果をもとに顧客のニーズを満たすアイディアを考え、実行に移せば製品やサービスはブラッシュアップされていくでしょう。

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市場調査の事例

ここでは、市場調査の事例を見ていきましょう。

清水建設株式会社

清水建設株式会社は建設事業を主力とする総合建設会社です。同社では「10年後を準備する」というスローガンをかかげ、将来のインフラ技術を研究開発しています。

研究開発のためには、ユーザーからの率直な感想は欠かせません。ラボ施設では空調設備や照明設備を実際に被験者に体験してもらい、アンケートで回答してもらう取り組みをしています。

設問は20~30問程度ですが、条件を変えながら同じ被験者にアンケートを複数回実施することもあるそうです。設備の微妙な変化をアンケートで吸い上げ、研究開発に活かしている例といえるでしょう。

(参考:清水建設株式会社)   

ベースフード株式会社

ベースフード株式会社は、完全栄養食「BASE FOOD」を開発・販売する会社です。同社では「完全栄養食」というジャンルの広がりと共に変化する課題を的確に捉えるため、アンケート調査を定期的に実施していました。

興味深いのは「BASE FOOD」の商品が顧客によって「コスパがいい」「コスパが悪い」と評価された点です。同社は、ロイヤルカスタマーにとっては「コスパがいい」と評価された一方で、、ライト層からは「コスパが悪い」と評価された理由を分析しました。

最終的に「顧客に商品の魅力を正しく伝えられれば、価格の評価が変わるかもしれない」という仮説をたて、具体的な施策に展開したとのことです。結果的に市場の拡大に成功しました。

市場調査で現状を正しく分析し、適切な施策を打てたよい例といえるでしょう。

(参考:ベースフード株式会社)   

 市場調査を依頼する際の注意点

市場調査を依頼する際の注意点

市場調査を依頼する際の注意点は以下の2点です。

費用のみで判断しない

とにかくコストを抑えて市場調査をしようとすると、有効なデータを収集できない可能性があります。「市場調査の種類」で説明したとおり、市場調査には種類ごとに得手不得手があり、収集可能なデータが異なるからです。

1対1で行うデプスインタビューは時間も費用もかかりますが、今後の意思決定に大きなヒントを与えてくれるかもしれません。またコストが高いのであれば、調査数を少し絞れば実現可能です。

「コストがかかるからやらない」のではなく、調査方法ごとの特徴をしっかり把握し、有効と思える方法であれば実施することをおすすめします。

目的に応じた調査手法を選定する

目的に応じた調査手法を選定しましょう。目的を忘れてしまうと「自分の仮説を証明するための調査になる」「不都合なデータを無視してしまう」といったリスクがあるためです。

すでに紹介したように、市場調査のプロセスはいくつものステップを踏む必要があり複雑です。そのため、準備をしているうちに本来の目的を忘れて「市場調査の実施」だけに気を取られてしまうことがあります

なぜ市場調査が必要なのか、解決したい課題、証明したい仮説はなにかを常に念頭に置いて進めましょう。

おすすめの市場調査会社3選

最後に、おすすめの市場調査会社を3社ご紹介します。

株式会社バルク

株式会社バルク

(画像引用元:株式会社バルク

株式会社バルクはマーケティングリサーチ、情報セキュリティ事業などを手がける企業です。

実績の豊富さに関しては業界トップクラスで、ネットリサーチやインタビュー、オンラインCLTなどにも対応。とくに、LINEやインスタグラムを活用したリサーチも取り扱っているのは注目ポイントです。

また同社では、女性のライフスタイルや旬な生活トレンドも得意分野としています。リサーチ設計から分析までをトータルでサポートしてくれるため、初めて市場調査を実施する企業でも安心して任せることができるでしょう。

株式会社クロス・マーケティング

株式会社クロス・マーケティング

(画像引用元:株式会社クロス・マーケティング

株式会社クロス・マーケティングは、2003年の設立からマーケティングリサーチ・市場調査で活躍する企業です。190万人を超えるアンケートモニターを保持しており、海外にも拠点を持つため、グローバルな市場調査にも対応しています。

リサーチ方法は、定性・定量調査のどちらにも対応。また同社が提供する「セルフアンケートツール」を利用すれば低コストでスピーディーにアンケートを実施可能です。

MMDLabo株式会社

MMDLabo株式会社

(画像引用元:MMDLabo株式会社

MMDLabo株式会社は、通信・モバイル・IT分野の市場調査を得意とする企業です。

通信・モバイル・IT分野では10年もの間データを提供し続けており、モバイル調査に関しては国内で最大規模と自負しています。リサーチ方法はネットリサーチから各種インタビューに対応しており、専門家が丁寧にヒアリングしてくれるので安心です。

また、調査データをマーケティングに活かせるコンテンツ提案も行っているため、コンテンツ制作を視野に入れている場合もおすすめの調査会社です。

市場調査会社を探すなら営業幹事にご相談を

本記事では、市場調査の目的について、調査手法や調査のやり方、事例などについて解説しました。

市場調査は目的に応じた手法で、消費者からのニーズを吸い上げ、事業戦略決定やマーケティングに活かせます。市場調査を検討しているのであれば、本記事をお役立てください。

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