CRM戦略とは?戦略立案のステップから実施のメリットまで徹底解説【2024年最新版】

CRM戦略とは?戦略立案のステップから実施のメリットまで徹底解説!

的確な顧客管理と分析により、安定的な売上確保を狙えるCRM戦略。伸び悩むリピート顧客を増やすため、効果的なCRM導入方法を知りたい企業は多いでしょう。

本記事では、CRM戦略のメリットと導入手順、管理ツールについて解説します。戦略の活用事例も紹介しますので、自社の優良顧客育成にお役立てください。

なお、CRM戦略をベースとした営業活動を依頼可能な、営業代行会社の探し方・選び方がわからない!という方は営業幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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目次
  1. 1. CRM戦略とは 
  2. 2. CRM戦略を実施するメリット
    1. 2-1. 顧客の潜在的ニーズがわかる
    2. 2-2. LTVの向上を期待できる
    3. 2-3. 顧客ごとに商品やサービスをカスタマイズできる
    4. 2-4. 手厚くサポートできるので満足度の向上が期待できる
    5. 2-5. データをもとに意思決定が可能になる
  3. 3. CRM戦略を導入するための手順
    1. 3-1. 目標を設定する
    2. 3-2. ペルソナを設定する
    3. 3-3. カスタマージャーニーを作成する 
    4. 3-4. KPIを設定する 
  4. 4. CRM戦略ならツールの導入を検討しよう
    1. 4-1. CRMツールを選定する
    2. 4-2. 分析と改善を繰り返す
  5. 5. CRM戦略の事例
    1. 5-1. 顧客データベースをメール配信に活用(城東テクノ株式会社)
    2. 5-2. 地場不動産会社として居住者向け情報発信を強化(株式会社登喜和)
    3. 5-3. CRMの顧客管理で「お客様本位」を実現(株式会社メモリアルアートの大野屋)
  6. 6. 【まとめ】効果的・効率的なCRM戦略で自社の競合優生性を確立しましょう

CRM戦略とは 

CRM(Customer Relationship Management)とは、日本語でいうところの「顧客関係管理」のことです。顧客との良好な関係性を構築・管理し、継続的な売上を確保するための経営手法です。

CRM戦略をわかりやすくいうと、アニメ「サザエさん」に登場する「三河屋のサブちゃん」のアプローチ法です。サザエさん一家で醤油が切れるタイミングで必ず現れるというように、一家にリアルタイムで必要なサービスを提供しています。顧客情報と消費ペースを把握した徹底的なフォロー体制で顧客との信頼関係を構築する、CRM戦略を見事に実践しているのがサブちゃんです。

CRM戦略を導入すれば、商品やサービスの見込み客に対し、データを基に効果的なマーケティングができます。データベース化された顧客情報からユーザーの課題を洗い出せるため、より深い潜在ニーズの掘り起こしができるのです。さらに、カスタマーサポートの改善にも収集したデータが役に立ちます。

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CRM戦略を実施するメリット

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CRM戦略を実施すれば、データを基に顧客の本当に求めているサービスを提供でき、他社との差別化を図ることが可能です。また、商品を購入後にも顧客に対しパーソナライズしたフォローが可能なため、長期で顧客を定着させることができます。

このあとCRM戦略のメリットを詳しく解説します。

顧客の潜在的ニーズがわかる

CRM戦略を導入すれば、顧客の顕在ニーズだけでなく潜在ニーズまで把握できます。データを通して顧客心理を深く理解できるため、顧客それぞれにカスタマイズしたサービスや商品の提供が可能です。

今の時代は商品・サービス情報が氾濫しているため、顧客自身が自分に必要なものは何か、自覚できていないこともあります。CRM戦略に基づき、顧客心理に的確なアプローチをすれば、顧客が本当に欲している物に気づかせることも可能です。顧客の潜在ニーズを分析で可視化できれば、競合よりも顧客に刺さる提案が可能です。また、顧客が本当に必要とする商品やサービスを提供でき、ロイヤルティの高い顧客の育成もできます。

LTVの向上を期待できる

LTV(Life Time Value)とは、日本語で「顧客生涯価値」を意味する言葉です。顧客が自社商品を初めて利用してから利用を終了するまでの間に、通算でどれだけ利益をもたらしたかを表す指標として用いられます。顧客との関係を構築できるCRM戦略を導入すれば、リピーターを増やしLTVを向上させる効果が期待できます。

LTV向上が重要な理由は、事業の収益性向上を意味するからです。というのも、売上を増やすために、集客で顧客の数を増やすよりも、購入歴のある顧客にリピートしてもらうほうが費用対効果が高く、効率的なのです。CRM戦略が成功し取引が長期にわたるほど、LTVは向上します。

顧客ごとに商品やサービスをカスタマイズできる

顧客ごとに商品やサービスをカスタマイズできる点も、CRM戦略のメリットです。

CRM戦略では大量のデータを分析し、顧客が本当に欲しいサービスを特定できます。顧客の属性や行動から詳細な顧客像を設定するため、一般的なニーズ傾向ではなく、本人だけに必要なサービスの選定が可能です。

かつては多機能・高性能であれば商品が売れましたが、現代は顧客自身の課題解決に結びつかなければ、いくらハイスペックでも不要と判断され、売れない時代です。その点、顧客ごとに商品やサービスをカスタマイズできれば、顧客の自社ロイヤルティが高まり、競合への優位性が向上します。

手厚くサポートできるので満足度の向上が期待できる

CRM戦略を実施すれば、顧客情報や対応履歴など、顧客のあらゆる情報を一元管理できるため、社内の誰が対応しても一貫性のある対応が可能です。例えば、急な問い合わせで担当が不在の場合でも、「担当より追って連絡」と回答を先延ばしせず即答が可能なため、顧客からの信頼が強固になります。

集約された顧客情報をもとに、きめ細かなサポートが可能になるため、顧客満足度が向上する期待が持てるのです。

データをもとに意思決定が可能になる

CRM戦略を実施すれば、購入履歴や質問履歴といった豊富なデータから、効率よく自社の課題を抽出できます。データを用いれば、複数の課題がある場合の優先順位づけも、客観的な基準で行うことができ、効果的な施策の策定が可能です。

従来のようなスタッフの経験や勘だけに頼る判断では根拠に乏しく、偏りや誤りが生じることもあります。属人的な判断で施策を立てると成果に結びつかない可能性があり、結果的に誤った施策にリソースを投入し続けることにもなりかねません。

その点CRM戦略でデータを基に課題を洗い出し分析を行なえば、本当に必要な施策のみに注力でき、成果を最大化できるのです。

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CRM戦略を導入するための手順

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CRM戦略導入のメリットをご理解いただけたところで、ここからはCRM戦略導入の手順を解説します。

目標を設定する

まず、CRM戦略で自社が達成したいことは何かを明確にし、目標として設定しましょう。目標と現実とのギャップから課題を洗い出し、解決策を可能な限り具体的に設定します。目標が明確であればあるほど、達成のために取るべき行動が具体化されます。

目標を達成するには関係部署間の連携が欠かせないため、目標を全社で共有し、他部署との連携方法を確立することも重要です。営業とマーケティング部門など、関係する各部署と足並みがそろわなければ、データの蓄積と共有ができず、効率的な課題解決が望めないためです。

目標が明確であれば、他部署との連携時にも、目標共有が容易になります。

ペルソナを設定する

ペルソナとは、「自社サービスを利用する典型的な顧客像」のことです。商材や業態にもよりますが、想定顧客のイメージを、おおむね以下のような項目で設定します。

  • 基本情報(氏名・年齢・性別・居住地 など)
  • 家族構成
  • 仕事に関する情報(職業・業種・役職・年収)
  • 趣味・関心
  • 好きな店・エリア
  • 価値観・目標
  • 情報収集の方法

詳細な顧客像を設定すれば、架空の存在でありながら具体的な顧客像として、社内でイメージを共有でき、同じ目線で戦略を立てられます。詳細なペルソナと商品情報を関連づけて分析すれば、顧客が今後取るであろう行動の予測に役立つうえ、商品の改善にも活用が可能です。

カスタマージャーニーを作成する 

カスタマージャーニーとは、顧客が商品に出会ってから購入に至るまでの詳細な道筋・行動を分析し、施策を立てるために使われるフレームワークです。

顧客の行動と購買プロセスを見える化するために、カスタマージャーニーは「マップ」化してメンバーと共有されます。マップのテンプレートはインターネットでもダウンロードが可能。テンプレートを基に、自社にあわせてカスタマイズして作成するとよいでしょう。

カスタマージャーニーを作成すれば、顧客がどのタイミングで、どのような情報を必要としているのかを把握できるため、顧客行動のフェーズごとに有効なアプローチの仕方を整理できます。

KPIを設定する 

KPI(Key Performance Indicator)は「重要業績評価指標」を意味する言葉で、目標達成までのプロセスごとに達成度を計測する、数値化された指標のことです。施策の途中経過を数値で表せるため、目標達成までの進捗把握がしやすくなります。

KPI設定の例として、目標を「売上を200万円アップする」とした場合に、KPIを「受注件数を30件伸ばす」と設定。さらに30件の受注を達成するためのKPIを「営業先を100件増やす」という具合に、プロセスごとにKPIを設定します。目標達成までのKPIが具体的で細かいほど実現性が高まり、改善策の策定に活用できます。

「何を」「どれだけ」「何のために」「いつまでに」を明確にして、短いスパンごとに現実的な数値をKPIとして設定しましょう。

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CRM戦略ならツールの導入を検討しよう

ここまでCRM戦略のメリットや効果を紹介してきましたが、CRM戦略の運用には、データ分析のできる専用ツールの活用がおすすめです。

CRMツールとは顧客との関係を一元管理するシステムのことで、代表的なものにはSalesforceやHubSpotなどがあります。CRMツールの主な機能は以下のとおりです。

  • 顧客情報管理機能
  • 顧客分析機能
  • 営業支援機能
  • マーケティング支援機能
  • 情報共有機能

ツールで見込み客や既存顧客の豊富なデータを分析・管理できるため、迅速な戦略立案が可能なほか、営業のさまざまなプロセスを自動化できる点もメリットです。

このあと、CRMツールの選び方と基本的な運用法について解説します。

CRMツールを選定する

CRMツールには多くの製品があり、搭載する機能もさまざまです。知名度やレビュー、価格だけで選んだ製品が、自社にとって使い勝手が良いとは限りません。自社に合った物を選ぶためには、以下のポイントに留意して選定しましょう。

  • 必要な機能の搭載有無
  • デザインの見やすさや操作性
  • 予算との兼ね合い
  • 外部サービスとの連携
  • 導入時と運用時のサポート体制

自社の課題と導入目的にあわせ、使いたい機能があるか、社員が問題なく扱えるか、自社システムとの連携は可能かなどを考慮し、費用対効果の高いツールを選びましょう。

また、導入直後は安定運用できるまでにサポートが必要な場合もあります。ベンダーのサポートが受けられるかどうかも、事前にチェックしておくことをおすすめします。

分析と改善を繰り返す

CRMツールの運用を始めたら、施策がそれぞれ成果につながっているか、分析と改善のPDCAサイクルを回しながら定期的に確認しましょう。

まず、先に設定したKPIをクリアできているか、効果測定をします。もし成果が出ていないのであれば、CRM戦略そのものが間違っているか、KPI設定が誤っているかの可能性が高いため、軌道修正が必要です。分析結果から改善すべきボトルネックを特定し、改善策を策定しましょう。

CRMツールを用いれば、分析機能による効率的な改善策の立案と、行動管理機能による改善策の定着、営業活動の一元管理ができ、効果的にPDCAを回すことが可能です

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CRM戦略の事例

CRM戦略を実施し、分析と改善を繰り返せば、導入前よりも大幅な業績向上が見込めます。

ここから、CRM戦略で売上を伸ばした成功事例を紹介します。自社の課題分析や戦略策定の参考にしてください。

顧客データベースをメール配信に活用(城東テクノ株式会社)

CRM戦略とは?戦略立案のステップから実施のメリットまで徹底解説!        _2

画像引用:城東テクノ

老舗建築部材の開発・製造・販売会社の「城東テクノ株式会社」では、顧客データベースをメール配信に有効活用し、顧客との良好な関係を構築・維持しています。

同社では長年営業任せだった顧客接点と顧客情報の管理を、システムに一元化。手動登録のときと比べて、CRM導入2ヵ月で4倍の登録数となったそうです。

CRM導入後、データベースとメール配信機能を活かし、メールマーケティングを開始。休眠顧客からの案件が増え始め、ウェビナー案内メールの開封率も上昇しました。さらに営業担当者の交代時には、前任者のお礼メールに後任者の名刺URLを入れ、後任者の着任挨拶メールにも名刺URLを入れる工夫を実施。顧客との関係継続に成功しています。

同社ではウェビナー・アンケート結果も一元管理し、マーケティングとインサイドセールスの強化に活用。定期的なマーケティングリサーチで得た顧客のフィードバックデータを、メールやウェビナーのコンテンツに活かし、自社ブランド力の向上を図っています。

地場不動産会社として居住者向け情報発信を強化(株式会社登喜和)

地場不動産会社として居住者向け情報発信を強化(株式会社登喜和

画像引用:センチュリー21登喜和

埼玉県志木市・朝霞市の物件を扱う不動産会社「株式会社登喜和」では、顧客情報の管理・活用のためにCRMを導入。地場企業の強みを生かしたリピート紹介による売上向上と、業務効率化を実現しています。

賃貸の契約・解約時以外に顧客との接点が少ない不動産業において、同社では入居者の家族や友人まで含めた幅広い顧客情報を収集し、紹介の引き出しに活用しています。

徹底した顧客管理は、入居者ポータルサイトの立ち上げと運用にも活かされ、顧客との継続的な関係構築に貢献しています。サイトでは「家賃ポイント」として毎月の家賃100円に対し1ポイント付与。ポイントは住み替え時の手数料のほか、地元商店のサービスにも利用可能で、当社と入居者・地元協賛店のWin-Win関係を構築しています。

同社ではリピート・紹介による売上が前年度比1.5倍となる伸びを達成したほか、業務効率化にも成功。不動産会社としては異例の速さで、社員の週休2日制を実現しています。

CRMの顧客管理で「お客様本位」を実現(株式会社メモリアルアートの大野屋)

CRM戦略とは?戦略立案のステップから実施のメリットまで徹底解説!        _1

画像引用:メモリアルアートの大野屋

墓石・仏壇・葬儀の総合葬祭会社「株式会社メモリアルアートの大野屋」では、お客様本位の販売をCRMで実現し、成果を挙げています。

商材の性質上、売り込みは顧客を遠ざけると考えた同社は、顧客からの問い合わせを待つ、インサイドセールスの手法をメインに据え、CRMで顧客との接触履歴を蓄積。他部署との情報共有化と販売プロセスの可視化を図りました。

CRMと基幹システムとの連携により、コールセンターから営業担当者などへの情報共有がスピード化。顧客への迅速な対応が可能となり、顧客満足度が高まった結果、墓石の成約率が向上しました。

墓石販売のほか、仏事セミナーなどの複数チャネルからの情報も一元管理。同社ではデータに基づき、顧客に的確な情報提供を継続した結果、葬儀や仏壇などの問い合わせが自然に増え、業績を大きく伸ばしました。

【まとめ】効果的・効率的なCRM戦略で自社の競合優生性を確立しましょう

営業活動にCRM戦略を導入すれば、顧客との長期にわたる良好な関係を構築することが可能です。また、営業活動の業務フロー改善にも効果が高く、専用ツールを活用するとCRM戦略の運営管理がより容易になります。

CRM戦略を導入する手順は次のとおりです。

  • 目標を設定する
  • ペルソナを設定する
  • カスタマージャーニーを作成する
  • KPIを設定する

本記事で紹介したCRM戦略運用のポイントを押さえ、自社の競合優位性を確立するマーケティングを実施しましょう。

なお、CRM戦略をベースとした営業活動を依頼可能な、営業代行会社の探し方・選び方がわからない!という方は営業幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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