企業の販路拡大におすすめの施策9選 | 販路を増やすメリットと手順についても解説【2024年最新版】

企業の販路拡大におすすめの施策9選 | 販路を増やすメリットと手順についても解説

「ひとつの集客方法に依存していて、このままでは売上が下がっていく一方」
「商品・サービスの販路を増やすことで売上の鈍化を止めたい」
「しかしながら、どのような販路が自社に向いているのかわからない」

このようにお悩みの中小企業・店舗の経営者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では「販路の拡大」に焦点を当て、効果的な施策や販路を増やす流れについて解説します。売上向上につながるノウハウが満載なので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次
  1. 1. 販路拡大のメリット
    1. 1-1. 1. 売上の向上
    2. 1-2. 2. リスクの分散
  2. 2. 販路拡大の施策9選
    1. 2-1. 1. EC販売
    2. 2-2. 2. 実店舗での販売
    3. 2-3. 3. 卸売
    4. 2-4. 4. DM
    5. 2-5. 5. 飛び込み営業
    6. 2-6. 6. テレアポ
    7. 2-7. 7. 展示会
    8. 2-8. 8. フォーム営業
    9. 2-9. 9. ビジネスマッチングサイト
  3. 3. 販路拡大の流れ
    1. 3-1. 1. 売上とマーケット分析
    2. 3-2. 2. ターゲット分析も行う
    3. 3-3. 3. 自社に合った販路を選択
  4. 4. 販路拡大の方法を紹介しました

販路拡大のメリット

販路拡大のメリット

他社との競争力を高めるためにも販路拡大は重要。販路拡大には、競争力だけだなく、自社の経営にとっても大きなメリットがあります。

1. 売上の向上

販路はECサイトや実店舗の販売、商談会など多種多様です。複数の販路を持っていて、消費者に対して適切なアプローチができれば、売上向上が期待できます。

2. リスクの分散

販路が少ないと競合他社が現れた際、消費者や取引先を奪われやすくなります。今までは自社一強だったのが、競合の参入によって消費者が分散すれば、売上も下がってしまうでしょう。

販路拡大によって販売チャネルを増やしておけば、競合がいても他の販路からの収益が期待できます。特定の販路で顧客を奪われたとしても、全体でカバーできるため、ダメージを最小限に抑えられます。

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販路拡大の施策9選

施策の種類

メリット

デメリット

費用

EC販売

・商圏を拡大できる

・自社EC:集客が必要。

 サイト構築費用がかかる

・ECモール:

 ランニングコストがかかる

・自社EC:サイト構築に

 100〜500万円程度

・ECモール:プラット

 フォームで異なる

 ※楽天市場の場合、

 出店料で19,500円弱、

 手数料で月額3.5〜7.0%

実店舗での

販売

・消費者と直接

 コミュニケーション

 を取れる

・物件取得などの初期費用や

 ランニングコストが大きい

・最低でも1,000万円程度

卸売

・大きなロットで

 商品を捌ける

・在庫とキャッシュフローの

 管理が難しい

・直販と比べて10〜30%ほど

・利益率が低い

-

DM

・消費者に直接情報を

 届けられる

・情報収集と作成に

 コストがかかる

・1通あたり数十円~

 300円程度

飛び込み

営業

・信頼関係を築きやすい

・営業効率が良くない

・アポ獲得1件あたり

 1~3万円

テレアポ

・短時間で多くの人に

 アプローチできる

・幅広い業種で可

・アポイント獲得率が

 0.1〜10%未満と低い

・1コールあたり

 100~300円程度

展示会

・来場者と直接

 コミュニケーション

 を取れる

・ブースの設置に

 費用がかかる

・ブース設置に

 50〜100万円程度

フォーム

営業

・短時間で多くの

 アプローチができる

・返信率が比較的高い

・クレームを受ける

 可能性がある

・1通あたり

 数円~数十円程度

ビジネス

マッチング

サイト

・全国を対象にパートナーや

 取引先を見つけられる

(ニッチな業界におすすめ)

・マッチングに

 時間がかかる

・月額10,000〜

100,000円程度

販路拡大にはさまざまな施策があります。本章では販路拡大の9の施策をピックアップし、それぞれの特徴をご紹介します。

1. EC販売

EC販売はインターネット上で商品を売る、販路拡大の代表的な施策。ネット上で販売できるため、時間や場所にとらわれず販売可能。商圏を広げたい場合に有効な手段です。EC販売は大きく「自社ECサイト」と「ECモールへの出店」に分類できます。

自社ECサイト

自社でECサイトを構築し、商品を販売する方法です。自社ECサイトでは、デザインや機能を自由に決められます。

一方で、自前で集客しなければならないのがデメリット。アクセスを集めるためのSEO、広告など一定のマーケティング知識が必要になります。また自社でECサイトを構築する場合、小規模でも100万円、中規模以上だと200〜500万円程度の費用がかかります。

ECモールへの出店

もう1つの方法が、ECモールへの出店。Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングといった母体に店舗を出します。自前でECサイトを作る必要がなく、ECモール自体に集客力があります。購入意欲の高いユーザーも多いため、サイト訪問者の購入率も高い傾向です。

ECモールは、商品説明や写真、決済方法など必要情報を入力すればすぐに出店可能です。自社でECサイトを構築する場合と比較して、初期費用を抑えられるのもメリット。プログラミングなどサイト制作の専門的な知識も必要ありません。

ただ、ECモールへの月々の出店料や手数料が発生するので、自社ECよりもランニングコストが高くなるのがデメリット。たとえば楽天市場の場合、月額19,500円の出店料、月間売上の3.5〜7.0%の手数料が発生します。

2. 実店舗での販売

実店舗を作り、商品を販売する方法。ECとは異なり、消費者が商品を手に取って確認できる、店員と直接コミュニケーションを取れるのが大きなメリットです。従業員と顧客のコミュニケーションが重なることで、顧客が「ファン」になってくれることもあります。愛着を持った顧客が「この人がオススメするなら買ってみようかな」と感じて購買につながるのはよくあることです。

一方で、コストがかかるのがデメリット。小規模店舗でも、物件取得や内装、備品などを合わせて、最低でも1,000万円程度は見積もっておく必要があるでしょう。

実店舗を構える場所の例として以下があります。

  • 市街地の空いているテナントに入る
  • 百貨店やショッピングモールに出店する

空いているテナントに入るのが一般的です。一方で、百貨店やショッピングモールのテナントまたはイベント出店をする方法もあります。

3. 卸売

小売店などに卸売をする方法。直接消費者に売るのではなく、比較的大きなロットで小売店に販売します。

卸売のメリットは一度にまとまった量を販売できること。また、実店舗での販売やECサイトでの販売と異なり、自社で集客に費用と手間を割かなくて良いのもメリットです。

卸先がEC販売や実店舗など多くの販路、ユーザーを持っている場合、受注数も多くなるため、結果的に自社の利益向上にもつながります。

ただし、大量の在庫を確保する必要があるため、管理の工数がかかります。在庫リスクも大きくなるため、キャッシュフローの管理も難しくなります。また卸売価格で販売するため直販と比べて10〜30%ほど利益率は低くなります。

4. DM

DM(ダイレクトメール)を送る方法。消費者の自宅にハガキを郵送するなどで販路を広げていきます。消費者に直接情報を届けられるため、自分から実店舗やECサイトに出向かない層にもアプローチが可能です。

自社の見込み顧客や潜在顧客に対してダイレクトに商品情報やキャンペーンを知らせられるため、訴求力が高いです。またDMは、特定地域に向けて販路を拡大したい場合にも有効です。

またDMは実店舗との相性が良く、「近くに〇〇の店舗があります」といったお知らせとしても活用できます。高齢者層などインターネットの利用が少ない層にアプローチしやすいのも強み。ただし、名前や住所など顧客情報を収集してDMを作成するのに手間と時間がかかるのが難点です。

費用は、人件費や郵送料金なども含めて1通あたりおよそ数十円~300円程度です。

5. 飛び込み営業

アポイントなしで企業のオフィスや個人宅に訪問する「飛び込み営業」も、販路拡大に有効な方法。断られる確率は高いですが、相手と直接コミュニケーションを取りながら話を進められるため、顧客との関係性を構築しやすいメリットがあります。

営業担当者の人件費が確保できれば、それ以外の費用はほとんどかかりません。ただし、1件1件直接訪問しなければならないため営業効率が良くないのが難点。断られる可能性が高く、成果が出るまでに時間がかかります。費用は1件のアポ獲得あたり、1~3万円程度です。

6. テレアポ

テレアポ(電話営業)も、飛び込み営業と同じく昔から利用されている販路拡大方法。通信販売から金融、小売、製造、旅行、エネルギー系など幅広い業種で活用されている方法です。

相手との接触が「架電」になるため、飛び込み営業と比べて多くアプローチできるのがメリット。1回の架電が5分と想定すると、1時間(60分)で12件です。飛び込み営業で仮に1件の訪問で1時間かかると仮定すると、テレアポは12倍多くの見込み客に接触できることになります。

ただし、アポイント獲得率が0.1〜10%未満といわれており、担当者の精神的な負担が大きくなりやすいのが難点です。

費用は、人件費や設備費などを含めておよそ1コールあたり100円~300円程度です。

7. 展示会

展示会はユーザーに「体験」してもらうことで商品・サービスの価値を伝え、購入に誘導したい場合におすすめ。数社〜十数社と少ない企業のみで行われる展示会から、何百社という企業が参加する展示会までさまざまです。BtoBはもちろん、BtoC向けの展示会も開催されています。

展示会のメリットは、来場者と直接コミュニケーションを取れること。また最初からテーマに興味のある人が参加するので、企業にとっては全員が見込み顧客といえます。短期間で多くの企業・消費者と接触できるため、商品サービスの認知拡大の場としても活用できるでしょう。

ただし展示会では、ブースが必要になるため、50〜100万円程度の設置費用がかかります。また、人員配置やブースの内装など展示会当日までの準備も必要です。

8. フォーム営業

フォーム営業とは、企業や店舗のホームページにある「問い合わせフォーム」にメールを送る手法。ターゲットとなりそうな企業に向けて、短時間で多くのアプローチをしたい場合におすすめです。

フォーム営業はEメールと比べて返信率が高く、販路拡大には有効な方法といえます。営業メールの返信率は0.1〜0.5%程度とかなり低いですがフォーム営業は3%以上といわれています。

企業のホームページは不特定多数が見ます。問い合わせフォームにもさまざまな人の意見や要望が届くため、高い確率で担当者が目を通すのです。

ただし、何度も営業メールを送るとクレームを受ける場合があるので注意が必要。また最近では、最初から問い合わせページに「営業メッセージお断り」と断り書きしている企業もしばしばあります。

費用は、人件費や設備費などを含めて1通当たり数円から数十円程度です。

9. ビジネスマッチングサイト

企業と企業を繋げる「ビジネスマッチングサイト」の利用もおすすめ。たとえば、メーカーと卸売会社をマッチさせたり、ECサイトを始めたい企業とサイト制作会社をマッチさせたりと企業同士が繋がることができます。ニッチな業界にいて取引先がなかなか見つからない場合などにおすすめの手法です。

ビジネスマッチングサイトでは、どのような企業があるのか検索できたり、ニーズの合致した企業同士が直接コミュニケーションを取れたりと、販路拡大を狙っている企業にとって嬉しいサービスが揃っています。

ただし、マッチングするためにはお互いがWin-Winの関係になることが必須。理想のパートナーや取引先が見つかるまでに、ある程度の時間を要します。ビジネスマッチングサイトの月額費用は、サイトにもよりますが10,000〜100,000円程度です。

【参考】販路拡大には行政支援も活用できることがある

販路拡大をしたい企業向けに行政が支援サービスを提供している場合もあります。

たとえば「中小企業基盤整備機構」では、展示会への出展支援や商談会の開催、ECサイトを始めるためのオンライン講座やセミナー、BtoBのマッチングサイト運営などを行っています。

自治体ごとに支援を行っている場合もあるので、販路開拓にお悩みの方は、労働局や経済産業局などに問い合わせてみてください。

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販路拡大の流れ

販路拡大の流れ

販路の拡大方法はさまざまですが、何を基準に自社に合った施策を選べば良いのでしょうか。ここでは、販路拡大の流れをご紹介します。

1. 売上とマーケット分析

まずは自社の売上分析と、商品のマーケット調査を行いましょう。

【売上分析】
自社の売上データを洗い出し、現状把握を行います。主に以下の数字を調べます。

・売上高
・顧客数(新規顧客とリピーターの割合)
・購入頻度
・商品単価
・固定費と変動費

【マーケット調査】
同様の商品サービスの市場を調べます。たとえば以下のような項目です。

・競合他社の数
・シェア獲得の割合
・業界の総売上
・最新の技術動向

自社の販売状況とマーケット状況を客観的に分析することで、どのような販路が合っているか検討しやすくなります。

2. ターゲット分析も行う

顧客情報をもとに、ターゲット分析も行っておくと良いでしょう。

顧客の購入回数や購入金額、最新購入日などから顧客を分類します。

例)
・毎月の利用額が1万円以上の場合は「優良顧客」
・毎月の利用額が1万円未満の場合は「準優良顧客」
・初めて利用した人は「新規顧客」

どのような層が多いか、少ないかを分析することで、今どこのターゲットに注目すべきなのかを把握できます。

3. 自社に合った販路を選択

これまでの分析をもとに、自社に合った販路を選択しましょう。BtoB、BtoC、現在の主要な販路、ターゲットなどによって選択すべき販路は異なります。

例)BtoCで実店舗(小売店)を経営している
リピーターの割合が高く新規客が少ない。
→集客力のあるECモールへの出店で認知拡大を狙う

例)BtoBで業務効率化サービスを提供している
流入元が自社ホームページのみ(すでに知っているユーザーだけ)。市場は大きいが他サービスに埋もれている。
→BtoB向けの展示会や商談会に参加し、獲得したリード向けにセミナーを開催する。

例)現在ECモールへの出店のみを行っている
新規顧客とカムバック顧客がほとんど。リピーターがついていない。
→自社ECを始めることで、顧客をECモールから自社ECに誘導しリピート化を狙う。

販路拡大の方法を紹介しました

販路を拡大することで、売上の向上はもちろん、競合他社にシェアを奪われた際のリスクヘッジが可能です。施策はECから実店舗、卸売、テレアポ、ビジネスマッチングサイトまでさまざま。売上やマーケット分析を行った上で、自社に合った施策を選ぶことが大切です。今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。

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