CRM分析とは?重要性と、よく用いられる分析手法を解説【2024年最新版】
顧客との関係性の強化に有効なCRM分析。具体的な手法を知りたい方も多いのではないかと思い
ます。
本記事では、CRM分析の概要や重要性、分析の際に用いる手法などを分かりやすく解説。CRMの重要性・有効性を理解し、ポイントをおさえたCRM分析ができるようになります。
なお、営業代行会社の探し方・選び方がわからない!という方は営業幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算に合った最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
【無料】営業代行会社を紹介してもらうCRM分析とは顧客管理を徹底するための分析のこと
CRMとは、Customer Relationship Managementを略したもので、「顧客関係管理」「顧客関係性マネジメント」という意味をもちます。
CRM分析は、顧客関係を徹底して管理する分析手法のことです。CRM分析では、顧客との関係を明確に管理することで、売上や企業価値の向上につなげます。新商品を販売する際におこなわれる、顧客のニーズを分析する市場調査とは異なり、あくまで顧客との関係を管理することが目的です。
情報化社会といわれる昨今では、顧客が自分で情報を取得し、商品やサービスを選んでいます。豊富な情報に比例して顧客のニーズも多様化しており、ビジネスを展開するにあたってはマーケティングの強化が必要不可欠です。
CRM分析を実施すると、顧客の性別・年代・趣向などの把握が可能。自社のビジネスに必要な項目を分析することで、自社の顧客に適したマーケティングを実施できます。
CRM分析で重要視される主なデータ
CRM分析では、顧客の属性やパラメータや離脱理由など、さまざまなデータを活用します。 たとえば顧客の来店頻度や購入金額などの顧客の属性を、CRM分析を用いて詳細まで分析することで、目標達成に何が必要なのか導き出すことが可能です。分析に必要となるデータは、分析の目的によって異なります。
分析に必要となるデータ指標への理解は、明確な目標設定や対策の立案に役立つため、CRM分析の実施にあたり非常に重要です。CRM分析を実施する際は、目標を達成するために必要なデータは何かなど基本的な分析指標をきちんと理解したうえで取り組みましょう。
CRMはデータの掛け合わせが重要
CRM分析では、さまざまな手法が用いられます。マーケティングの課題を解決するためには、さまざまな角度から解決策の模索が必要だからです。とくに顧客のニーズが多様化する昨今では、1つのデータで分析するだけでは、効果的な解決策を見つけられないケースも多いです。
たとえば、個人の消費者を対象とするBtoCでは、「地理的変数・人口動態変数・心理的変数・行動変数」の4つがCRM分析によく用いられるデータです。
- 地理的変数(ジオグラフィック変数)…国・地域・人口密度・気候などの地理的な属性
- 人口動態変数(サイコグラフィック変数)…年齢・性別・所得・家族構成などの人の属性全般
- 心理的変数(デモグラフィック変数)…ライフスタイル・価値観・趣味などの消費者の心理
- 行動変数(ビヘイビアル)…購入商品・購入日・購入金額などの既存顧客の購入行動に基づいた分類
それぞれのデータを掛け合わせることで、顧客の購入行動をより詳しく把握でき、分析の精度を高められます。
CRM分析の重要性
CRM分析が重要な根拠は、主に3つあります。それぞれ以下で解説するので、参考にしてください。
売上の向上を図れる
既存顧客を詳細まで分析することで、見落としていた情報を可視化でき、より効果的な施策や対策を実施できる可能性があります。
またCRM分析を活用すると、社内で顧客情報の共有が可能。営業担当が個々に管理している顧客情報も共有できるため、顧客に応じた細かいアプローチをおこなえます。効果的な施策やアプローチを実現できれば、売上の向上にもつながるでしょう。
顧客ロイヤリティーの向上が見込める
顧客ロイヤリティーとは、顧客が企業や商品に対してもつ愛着のようなもの。ロイヤリティーの高い顧客は、リピート率が高く、企業にとって重要度の高い存在です。
CRM分析では、同時に購入された商品やクレーム、問い合わせなどの情報も蓄積していきます。これらの情報をもとに顧客を分析し、適切な対応策を講じることで、企業・商品価値を高められます。
たとえばCRM分析で、「問い合わせへの返答が遅い」という課題が把握できた場合、カスタマーサービスの改善が必要です。人員を補充したり、体制を見直したりして、カスタマーサービスの質を向上させることで、顧客ロイヤリティーを高められる可能性があります。
LTV(顧客生涯価値)の向上に期待できる
LTVの高い顧客は、長期的に自社商品を利用しているため、重要度の高い存在です。LTVの高い顧客を増やすほど、売上アップに期待できます。
CRM分析では、顧客が購入行動サイクルのどこに位置するか把握が可能。顧客情報を細かく分析し、位置ごとに適した施策を打つことで、離脱を防ぐと共に購買意欲の促進が図れます。離脱や購買意欲の促進ができれば、結果的にはLTVの向上につながります。
CRM分析でよく用いられる手法
つづいて、CRM分析でよく用いられる9つの手法を以下で解説します。
CPM分析|顧客をグループ分けする
CPM分析では、顧客を10つのグループに分けて分析します。主には、LTVが低い顧客の育成を目的に用いられます。CPM分析では、はじめに顧客を「現役客」と「離脱客」に分類。そこから顧客の状況に応じて、さらにグループ分けしていきます。
現役客 |
初回客 |
一定の期間内に1度購入実績がある |
よちよち客 |
一定の期間内に2回以上の購入実績がある |
|
コツコツ客 |
一定の期間内に安定した購入実績がある |
|
流行客 |
短期間に一定金額以上の購入実績がある |
|
優良客 |
長期間にわたって一定金額以上の購入実績がある |
|
離脱客 |
初回離脱客 |
一定の期間内に1度購入実績があるが、現在は離脱している |
よちよち客 |
一定の期間内に2回以上の購入実績があるが、現在は離脱している |
|
コツコツ客 |
一定の期間内に安定した購入実績があるが、現在は離脱している |
|
流行客 |
短期間に一定金額以上の購入実績があるが、現在は離脱している |
|
優良客 |
長期間にわたって一定金額以上の購入実績があるが、 現在は離脱している |
CPM分析はグループで細分化し、それぞれの要因を分析するため、細かいフォローの実施が可能です。なお、CPM分析とRFM分析は似た分析手法ですが、最終購入日からの経過日数も加味する分、CPM分析の方が中長期的なアプローチに適しています。
RFM分析|顧客の重要度を探る
RFM分析は、顧客を購入行動ごとにグループ分けする分析手法です。以下にある3つの要素で顧客をグループ化することで、顧客の重要度を測ります。
Recency(直近の購入日) |
顧客が商品を最後に購入した日。 最終購入日が近いほど、重要度が高くなる |
Frequency(利用頻度) |
顧客が購入する頻度。 頻度が高いほど、重要度が高くなる |
Monetary(金額の大きさ) |
顧客が購入した分の金額。 金額が大きいほど、重要度が高くなる |
RFM分析では、上記で顧客を分析し、重要度が高いほど優良顧客と判断します。たとえばFrequency(利用頻度)で考えた場合、頻度が高いほど自社のファンであるといえるでしょう。
一方でMonetary(金額の大きさ)が高いとしても、Recency(直近の購入日)からそれなりの時間が経過している場合には、競合サービスに移ってしまった可能性があります。そういった顧客に対しては、自社に引き戻すための施策を実施しましょう。
セグメンテーション分析|顧客のニーズや傾向を把握
セグメンテーション分析は、ニーズや属性などの要素で、顧客を分類しておこなう分析です。顧客の属性を分析することで、「どういった属性の顧客が来店・購入するか」を把握できます。
もともとセグメンテーション分析は、市場における自社の立ち位置や、競合他社との位置関係を明確にする際におこなわれる「STP分析」の1つです。顧客の性別・居住地・年齢・興味対象などで市場を細分化することで、顧客のニーズや傾向を明確にし、ターゲットの絞り込みをおこないます。
セグメンテーション分析をおこなえば、ターゲティングがしやすくなり、ピンポイントで結果の出やすいプロモーションを実現できます。
デシル分析|購入金額の比率を測る
デシル分析は、購入金額が大きい順に、顧客を10等分にグループ分けしておこなう分析手法です。グループごとの金額を算出し、総購入金額で割ることにより、購入金額の比率を導き出します。
デシル分析は、優良な顧客層の把握に有効です。たとえば、最上位のグループの購入金額が総売上全体の半数を超える場合、そのグループは優良な顧客グループと判断することが可能。マーケティングでは、そのグループを対象にした施策が優先的になるでしょう。
ただし、デシル分析には、購入日が指標に含まれていません。「直近の〇ヶ月間」というように、期間を定めることで分析の精度を高められます。
LTV分析|顧客1人あたりの生涯購入金額を知る
LTV分析は、顧客1人あたりの生涯購入金額を分析する手法です。顧客が自社でどのくらいの金額を使用するかを算出することで、顧客の重要度を測ります。LTV分析では、購入頻度・購入単価の平均・購入期間などをもとに、LTVを算出。LTVが高いほど、重要度が高い顧客と判断します。
1回あたりの購入金額が高くても、単発であればLTVが低くなるため、自社のファンとはいえません。対して、1回あたりの購入単価が低くてもLTVが高い顧客は、それだけ長期的に利用しているということ。自社にとって重要度の高いファンと判断できます。LTVが高い顧客を分析することにより、顧客目線でのプロモーションを実施しやすくなるでしょう。
CTB分析|購入される商品の傾向を把握
CTB分析は、以下の3つの要素を用いて分析する手法です。
- Category(カテゴリー)…商品を大・中・小のカテゴリーに分類
- Taste(テイスト)…色・模様・形
- Brand(ブランド)…商品のブランド・キャラクター
CTB分析では、はじめにCategory(カテゴリー)で分類。そこにデザイン・サイズ・ブランドなどの情報を組み合わせることで、よく購入される商品の傾向を分析します。顧客の好みを把握できるため、顧客に適したアプローチをしやすくなります。
CTB分析は、マーケティング戦略の立案をするときに有効です。人気がある商品の特徴を分析することにより、商品開発やアプローチのヒントを得られる可能性があります。
行動トレンド分析|特定の時期ごとの特性を把握
行動トレンド分析は、特定の時期における商品・サービスの売上に着目した分析手法です。顧客の行動を分析することにより、特定期間中の顧客の特徴を把握できます。同じ商品であっても、利用する顧客の特徴はさまざま。年齢・性別・趣向などはそれぞれで異なるため、常に万人受けするような施策の実施は難しいでしょう。
行動トレンド分析では、「土日によく購入するのは、50代の渋谷区に住む顧客」というように、一定期間中の顧客の特徴を導き出します。顧客の特徴を把握することで、対象期間の顧客に適した施策をベストなタイミングで実施できます。
クラスター分析|目的・特徴が類似するもので分類する
クラスター分析は、属性が異なる商品・サービスが混ざりあっているときに、よく用いられる分析手法です。類似したものを集めてグループ化することで、データが大量であっても、特性や傾向を掴みやすくなります。
クラスター分析は、ほかの分析手法のように分類基準を明確に設定しないことが特徴です。類似性のみを目安として、顧客を分類します。大量のデータの中から傾向を掴めることから、市場における自社のポジショニングやブランディング、商圏の分析などによく用いられます。
売上分析|売上の傾向を可視化する
売上分析は、売上の現状・傾向を把握する際に用いられる分析手法です。自社・従業員・商品ごとの売上を分析することで、売上が伸びるパターンや売り上げが伸びない原因を可視化します。
売上分析は、現状把握が主な目的です。売上を従業員ごとの営業成績や同業他社と比較し、細かく分析することで、自社が置かれた状況の把握や課題を洗い出します。現状を正確に把握できれば、「売上を向上させるには何をすべきか」といった目標設定がしやすくなります。
また、商品ごとに売上を分析すると、購入する顧客の属性や購入されやすい時期の把握も可能です。商品ごとに適したプロモーションをおこなえるため、売上の向上につながります。
【無料】営業代行会社を紹介してもらう効果的なCRM分析を実施するための5つのポイント
以下では、効果的なCRM分析のポイントを5つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
事前に課題・目的を明確にしておく
効果的な分析を実施するには、事前に自社の課題や目的を明確にしておくことが大切。課題や目的を明確化しておくことで、現状に適した分析手法が見つかりやすくなるためです。
たとえば、効果的なマーケティング戦略を立てるときは、RFM分析を活用するのがおすすめです。重要度が高い顧客を分類し、購入行動の傾向を分析することで、顧客に適した施策が見えてくるでしょう。
なお、課題や目的を明確にすることは、必要な機能や体制が把握できるので無駄がなく、余計なコストが発生しません。システム導入や社内体制を構築するときのコスト削減にも役立ちます。
顧客情報は部門ごとに分けて整理する
CRM分析に用いる情報は、部門ごとに分けて整理することがポイント。分析に必要な情報を明確にすることで、精度の高い分析を実現できるからです。
たとえば、年齢や性別のみの簡単な顧客情報や購入履歴だけでは、購入に至った経緯などが分からず、十分な分析ができるとはいえません。加えて部門ごとの情報が混在していると余分な情報も加味されてしまい、正確な分析が困難。精度の低い分析結果をもとにしても、効果的な施策を実施するのは難しいでしょう。
分析の精度を向上させるには、好みや行動パターンといった顧客ニーズの把握につながるような情報を、部門ごとに整理して蓄積していくことが大切です。
自社に適した分析手法を選択する
効果的なCRM分析を実施するには、自社に合った分析手法を選択することが重要です。最適な手法を用いて分析することで、ニーズにマッチしたアプローチを実施できます。
CRM分析は、自社の目的によって適した分析手法が異なります。たとえば、顧客のLTVを向上させたいのであれば、LTV分析を実施するのが有効です。LTVが高い顧客をグループ化し、傾向を分析することで、LTVが低い顧客へ効果的なアプローチを実施できます。
CRM分析をおこなう目的は、企業ごとにさまざまであるため、まずは自社が用いるべき分析手法の検討から始めましょう。
まずは既存顧客の分析から優先するのがおすすめ
CRM分析は、既存顧客を分析し、最適なアプローチを模索するのが主な目的。既存顧客へのアプローチに重きを置いていることから、既存顧客の分析から優先するのが効率的です。
新規顧客の獲得には、商品の知名度・認知度を上げるために、宣伝広告費がかかります。加えて商品やサービスを認知してもらうまでには、それなりの時間も必要となるでしょう。費用対効果を考えるのであれば、CRM分析の結果をもとに既存顧客へアプローチをおこない、優良顧客へ育成するのがおすすめです。
あわせてERPの導入も検討する
CRM分析を導入する際は、あわせてERPシステムの導入も検討するのがおすすめです。ERPシステムとは、企業の情報を一元管理するためのシステムのこと。導入することで、膨大な顧客情報を社内全体で共有できる環境を整えられます。
企業では、各部署がもっている情報を、社内全体で共有できていないケースも少なくありません。CRMとERPを併用して社内で情報を共有できれば、CRM分析に活用できる情報が増えるため、分析の精度向上につながります。
【無料】営業代行会社を紹介してもらう効率的にCRM分析を実施したいときはCRMシステムの活用を検討
効率的にCRM分析を実施したいときは、CRMシステムの活用を検討するのがおすすめです。CRMシステムには、顧客情報管理をはじめ、分析に役立つさまざまな機能が搭載されており、効率よく分析を進められます。CRMシステムには、以下のような機能が搭載されています。
CRMに搭載されている主な機能 |
概要 |
顧客情報管理 |
顧客の個人情報やコンタクト記録、購入履歴などを一括管理できる。 |
情報共有 |
コールセンターに寄せられた問い合わせ内容を記録・管理できる。 |
マーケティング支援 |
顧客情報のデータをもとに、購買周期の分析や LTV分析などの分類・分析が可能。 AIが搭載されたシステムも存在する。 |
営業支援 |
商談の記録・案件の進捗管理ができる機能。 顧客と営業によるやり取りの可視化や、 DMやステップメールの送信もできる。 |
なお、よく使用されているCRMシステムとしては、以下のようなものが挙げられます。
- GENIEE SFA/CRM…管理画面がシンプルかつ簡単な操作。コミュニケーションツールの連携が可能。
- Zoho CRM…複数のチャネル(集客経路)の分析ができる。Google Workspaceなどのさまざまなサービスと連携が可能。
- Service Cloud…15万社の圧倒的な導入実績。基本的な機能に加えて、ワークフロー・承認機能なども搭載されている。
CRMシステムは製品ごとに機能が異なるため、適したシステムは企業によって異なります。CRM分析の精度を高めるには、自社に合った機能を搭載したシステムを選ぶことが大切です。
【まとめ】CRM分析は課題を明確化し自社に適した分析手法を用いよう
CRM分析は課題を明確化し、自社に適した分析手法を用いることが大切です。顧客との関係を詳細まで分析することで、売上や顧客ロイヤリティー向上に、効果的なアプローチを実施できます。
CRM分析を効率的に実施する場合は、CRMシステムの導入がおすすめです。大量の情報を管理でき、分析を自動でおこなえるため、労力の削減と分析精度の向上を図れます。さまざまな角度からCRM分析を実施し、効果的なマーケティングを実現させましょう。
なお、営業代行会社の探し方・選び方がわからない!という方は営業幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算に合った最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
【無料】営業代行会社を紹介してもらう