CRMの導入に失敗する13の理由!成功させるためのコツも紹介【2024年最新版】
CRMの導入は、顧客満足度やサービス品質の向上につながります。しかし「CRMを導入したが活用できない」と悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
以下ではCRMの導入に失敗する原因や、成功させるコツを解説します。失敗の原因を把握して導入を成功させましょう。
なお、CRMのツールの探し方・選び方がわからない!という方はお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算を弊社コンサルタントがヒアリングし、ツール選定についてアドバイスします。相談料は一切無料です。
【無料】CRMツールの選び方を相談するCRMの導入が失敗する原因
CRMを導入する目的が不明瞭
CRMの導入目的が不明瞭な場合は、失敗の原因になります。
目的がなければCRMを導入しても効果が出ず、データを収集するのみで活用できないためです。
現場の社員も何のために導入するのかわからなければ、意欲が出ない可能性もあるでしょう。
CRMの導入目的が不明瞭だと、以下の問題が生じる可能性もあります。
- 一部の機能のみ使用し課題解決のためのデータを収集できない
- 方向性やゴールが曖昧になり十分に活用できない
- 社員の意欲を引き出せない
CRMの導入目的は、導入前に明確に定めておきましょう。
自社に適したCRMツールを選択していない
CRMのツールは、機能やプランなど特徴がさまざまです。
自社に適していないCRMツールの場合、余計な業務が増えたり効果が得られなかったりする可能性もあります。
評判の高いCRMツールでも、自社の悩みを解決できなければ導入の意味はありませんので、自社に適したツールを選択しなければいけません。
現場社員の意見を取り入れていない
CRMを導入する場合は、実際にツールを使用する現場社員の意見を取り入れる必要があります。
経営陣がコストの低さや評判の良さのみで決定すると、実際に現場で価値が発揮されない場合もあるからです。
現場が抱えている課題を把握した上でCRMの導入を進めなければ、導入後も現場社員がツールを積極的に使用しない可能性が高いです。
CRM導入を浸透させるための説明が不十分
CRMの導入は経営層以外の社員も関わるため、CRMを社内に浸透させるには、社員がメリットを把握し納得できるための説明が必要です。
具体的には以下を説明すると良いでしょう。
- CRMを導入する理由
- 導入するメリット
- CRMを導入する方法や流れ
- 効果検証の方法
CRMの導入に抵抗感を抱く社員が一定数いる場合もあるため、十分な説明によって全体で共通認識を持つことが重要です。
統一された共通の社内ルールがない
あらかじめ決めた共通の社内ルールがなければ、以下の問題が生じる可能性があります。
- データ入力の仕方がさまざまで分析しにくい
- 部署ごとに異なる形式でデータが収集される
共通のルールが定められていないと、データを活用しようとしても対応が煩雑になるでしょう。
CRMの導入を管理する人物が確認しやすくし、データを十分に活用するためにも、データの入力規則などのルールを統一しなければいけません。
初めから網羅的に実施する
初めから網羅的に実施すると失敗の原因になります。
網羅的に実施するとシステムの不具合などトラブルが生じた際にも、対処しなければいけない範囲が広くなり、対応しにくい状況が生まれるためです。
また、広範囲での実施により社員同士でも認識の齟齬が生じやすく、明確な方向性が定まらない場合もあるでしょう。
具体的なケースは以下のとおりです。
- CRMの導入に多くの社員が関わる
- 全ての機能を網羅して完璧に実施しようとする
初めは経営層や現場社員、担当者など関わる人数を少なくし、機能も絞るようにしましょう。
オンプレミスを選択している
オンプレミスの選択は失敗する原因になることがあります。
CRMツールには、インターネット経由でデータの送受信をおこなう「クラウド」と、自社のサーバー内でデータを管理する「オンプレミス」があります。
オンプレミスはセキュリティや自由度の面でメリットがありますが、1度始めると簡単に稼働を止められません。トラブルが生じても引き返せず、迅速に対応できない可能性が高くなります。
クラウドはセキュリティ面や自由度が弱いですが、導入までに時間がかからず、稼働のスムーズな停止が可能。
具体的なクラウドとオンプレミスのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
|
メリット |
デメリット |
クラウド |
・導入や利用停止に素早く対応できる ・不測の事態にも対応可能 |
・セキュリティに弱い ・カスタマイズなどの自由度が低め |
オンプレミス |
・セキュリティに強い ・カスタマイズが可能 |
・迅速に対応できない ・コストがかかる |
導入後も柔軟に対応したい場合は、クラウドも検討すると良いでしょう。
システム自体が使いにくい
システム自体が使いにくいと、社員は積極的に活用する意欲が湧かず、浸透しにくくなります。
具体的なケースは以下のとおりです。
- ツールの使用方法が複雑
- UI(入力画面の仕様やデザインなど)が見にくい
- 使用しない機能が多く備わっている
- もともと会社で採用している入力方法と大きく異なる
システムの使いやすさは、もともと会社で採用している入力方法や必要としている機能によっても異なります。
CRMツールなどを導入する場合は、社員が使いやすいか否かも重視してください。
なかには無料トライアル期間を設けているCRMツールもあるため、導入前に試してみると失敗を避けられるでしょう。
カスタマイズにこだわりすぎる
カスタマイズにこだわりすぎると、失敗の原因になります。
CRMツールは顧客情報の管理方法や業務フロー、抱える課題によってカスタマイズが可能です。
必要な機能を選択するためのカスタマイズは必要ですが、画面のレイアウトやデザインにこだわりすぎると時間が取られ、使いこなせなくなる場合もあります。
また、CRMは自社の管理方法に近い形にカスタマイズできますが、全ての機能を備えようとすると、余計な入力項目が増えて使いにくくなるでしょう。
具体的なケースは以下のとおりです。
- 使用しない機能も取り入れる
- 画面のレイアウトやデザインに統一性がない
CRMは入力側にとってわかりやすく、使いこなせるものでなければ業務の効率化にもつながらないため、カスタマイズは限定的にしましょう。
CRM導入の管理体制が確立していない
CRM導入の管理体制が確立していない、具体的なケースは以下のとおりです。
- CRM運用で問題が生じた時に相談できる部署がない
- CRM導入を管理する役割の人がいない
- 指揮系統が乱れている
現場で指揮する人物やトラブルに対処できる人物がいなければ、対応が曖昧になり、CRMを導入しても活用できません。
CRMの導入に関する知識が豊富にあり、相談できる部署を設けることが必要です。
部署によって活用状況に違いが出ている
部署によって取組状況や浸透具合が異なると、データに統一性が出ず、正確に分析できません。
部署間の情報共有や課題解決への着手にも支障をきたす恐れがあるため、活用度は全体で揃える必要があります。
他部署とも進捗具合を共有し、後れを取っている部署がある場合はフォローするなどの工夫をすると、活用度を合わせられるでしょう。
CRMの評価指標が設定されていない
CRMの評価指標が設定されていないと、失敗の原因になります。どれだけ活用できているか明確にわからないためです。
また、一定の評価基準を設けていなければ、部署によって目標に違いが出てしまうため公平に判断できないでしょう。
個人の目標の達成状況も曖昧になり、CRMの活用が進まない原因になります。
具体的なケースは以下のとおりです。
- 評価が一人ひとりの感覚に任されている
- 行動につながらない大まかな評価指標のみ
活用具合を知るため、評価指標は明確に定めましょう。
データ収集後の分析や活用が不十分
CRMを導入する際には、データを収集するだけでは課題の解決につながりません。
データを用いると以下のような分析が可能です。
- 送信済みメールの開封率やクリック率
- 顧客データ(売れた商品やタイミング、購入頻度など)
CRMの導入は、一定期間継続しなければ効果が見られない場合もあります。導入して間もないうちに結果を決めず、PDCA(Plan-Do-Check-Act)を回しながら継続しましょう。
【無料】CRMツールの選び方を相談するCRM導入を成功に導くためのコツ
CRM導入を成功させるには、いくつかポイントがあります。
以下でCRM導入を成功に導くためのコツを見てみましょう。
CRM導入目的の明瞭化
まずCRMの導入を成功させるためには、以下のような目的を明確に定めましょう。
- データをマーケティングに活かして売上向上につなげる
- CRMツールの導入で営業の業務改善をおこなう
- 顧客のニーズに合ったDMを配信し、顧客満足度の向上を実現する
目的がなければ、CRMを導入しても効果が出ません。何のために導入するのか、導入して得られる効果は何かを社員に伝えることが必要です。
導入目的を社内で共有するとゴールが明確になり、意識が同じ方向に向くため、社員もCRMを積極的に活用する意欲が湧くでしょう。
現場の意見を取り入れながら自社に適したサービスの検討
CRMの導入を成功させるためには、現場の意見を取り入れつつ以下に着目しサービスを検討しましょう。
- 現状課題の解決は可能か
- 現場での元の入力方法に合っているか
- 現場の人が操作しやすいか
- 必要以上の機能がついていないか
- 連携したい他システムと互換性があるか
また、CRMツールにはさまざまな種類があるため、自社に適しているタイプを選択しなければいけません。
CRMツールのタイプには、以下などがあります。
タイプ |
特徴 |
営業型 |
案件や売上に関するデータの管理 |
カスタマーサポート型 |
顧客情報や購入履歴、通話履歴など 顧客からの問い合わせに関するデータの管理 |
マーケティング型 |
メールやアンケートの配信、SNSの管理 |
また、自社に適しているタイプのツールは、企業の規模によっても異なります。
中小企業の場合は、コストを抑えつつ必要な機能が揃い、サポート体制が整っているツールが向いています。大企業の場合は、大量にある顧客情報の一元管理や、部署間の連携が容易にできるツールが向いているでしょう。
データ入力に関わるルールや管理者の決定
CRMの導入を成功させるためには、日報や商談情報などのデータ入力に関するルールや、導入に関わる管理者を決定する必要があります。
経営層の主導で導入を進める場合、管理者と連携が取れていなければ認識の齟齬が生じる可能性も高いです。
管理者は、課題の解決につなげるためにも現場について詳しく知っている人が適任でしょう。
効果を検証するための判断基準の検討
CRMの導入を成功させるためには、効果を検証するための判断基準を設けましょう。
一定の評価基準が設けられていると、部署によって目標が大きく異なることがないため、公平な判断が可能です。
また、定期的に評価をおこない効果が可視化されていなければ、CRMツールを活用できているのか社員が疑問を持ち使用しなくなる可能性もあります。
明確な評価基準により、目標の達成状況や達成するための道筋が可視化されるため、社員も行動しやすくなるでしょう。
初めは小規模からスタート
初めは実施範囲を狭めて導入に関わる社員を限定的にし、小規模からスタートするとトラブルが生じた際にも対応しやすいです。
まだ慣れていないうちに、さまざまな部署が導入したり全社で導入したりすると、改善策が見つかっても行動に移しにくいです。
また、導入して間もないうちに全ての機能を網羅すると、社員の負担が増加し、方向性が曖昧になる可能性もあります。
初めは使用する機能を絞り、導入に関わる社員を少人数に抑えて段階的に進めましょう。
データの分析と活用
データは分析し、課題解決のために活かしましょう。
収集したデータは活用しなければ蓄積していき、課題の解決や売上の向上にはつながりません。
初めは幅広く情報を集めがちですが、情報は取捨選択し、必要な情報のみを集めて分析し、改善を繰り返していくことが大切です。
具体的には以下のデータ活用方法があります。
- 結果が出なければ顧客情報を分析して営業の仕方を変える
- 過去の営業データから適切な営業戦略を考える
- 顧客情報を分析して合致したプロモーション方法を変える
- 顧客の特徴に合わせたマーケティング方法に変える
- 購入頻度や購入金額から優先的にアプローチする顧客を決める
データをもとにするとより正確に分析できるため、マーケティングにも活かせるでしょう。
導入後のフォロー
CRM導入までのサポートだけでなく、以下のように導入後のフォローも忘れずにおこないましょう。
- 効果が出ているか
- 運用方法に問題はないか
- システムが使いにくいなどの要望はないか
新しいツールを導入する際は、慣れるまでに時間を要するため、使いこなせるようになるには一定の期間が必要です。
また、フォローを怠ると人が入れ替わった場合にも対応できなくなります。
導入までを順調に進められていても、現場で活用できていない可能性があるため、導入後に活用できているかも確認しなければいけません。
【無料】CRMツールの選び方を相談するCRM導入の成功事例
CRM導入を成功に導くためのコツを紹介しましたが、まだイメージが湧かない方も多いでしょう。
以下でCRM導入の成功事例を紹介します。
NTTコミュニケーションズ株式会社
画像引用:NTTコミュニケーションズ株式会社
NTTコミュニケーションズでは、お客様のグローバル化を踏まえ、営業もグローバルでスムーズな対応が必要と考えました。
そこでSalesforceを導入したところ以下が実現。
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- 商談の進捗がリアルタイムで共有されるため、海外でも引き継ぎがスムーズにできた
以前は拠点ごとに活動していましたが、案件を共有できるようになったため、適切で丁寧な対応が実現できました。
リノベる株式会社
画像引用:リノベる株式会社
リノベる株式会社では、もともと顧客管理システムが整備されておらず、集客から契約までの一連のマーケティングの流れを可視化したいと考えていました。
そこでkintoneを導入したところ以下が実現。
- 顧客の問い合わせから契約までの業務を管理できた
- データをもとに質の高いマーケティングが可能になった
- 業務の効率化
以前はバラバラに管理していた情報がアプリに集約され、より質の高いマーケティングや業務の効率化につながりました。
関彰商事株式会社
画像引用:関彰商事株式会社
関彰商事株式会社では、LINE公式アカウントを運用していましたが、お客様の情報が取得できず、十分に活用できませんでした。
そこでLinyを導入したところ以下が実現。
- アンケート機能でお客様の情報を収集し、適切なアプローチができた
- お客様が興味を持てる情報の発信
- データをもとにして正確に分析できるようになった
お客様の情報が収集できるようになり、データをもとに分析し適切なアプローチが可能になりました。
【まとめ】CRMの導入が失敗する原因や成功のコツを紹介しました
CRMの導入が失敗する原因は導入前や導入時、導入後にもありました。失敗の原因を把握し、成功させるためのコツを踏まえて行動できれば、導入をスムーズに進められます。
実際に導入する場合には、導入目的を明確にしてゴールまでの道筋を社員に示すようにしましょう。
なお、CRMのツールの探し方・選び方がわからない!という方はお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算を弊社コンサルタントがヒアリングし、ツール選定についてアドバイスします。相談料は一切無料です。
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