営業管理をエクセルで行う際のポイントやテンプレートを紹介【2024年最新版】
現在、営業管理をエクセルで行う企業のなかには、どうすればもっと効率が上がるのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。本記事では、エクセルで営業管理をするポイントやメリット、デメリットを解説します。記事後半ではエクセル用のテンプレートも紹介しますので導入する際の参考にしてください。
なお、営業そのものをアウトソースすることも生産性向上には有効です。営業代行会社の探し方・選び方がわからない!という方は営業幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
【無料】営業代行会社を紹介してもらう営業管理とは?
営業管理とは、売上目標を達成するために行動や進捗を管理することです。目標とそれに対して必要な行動を設計し、進捗を管理して随時修正することで営業を効率化します。適切な営業管理を行うと、次のような効果が期待できます。
- 成果が出やすくなる
- 業務を効率化できる
- 営業の知識をより洗練させられる
- 営業ノウハウを継承する仕組みを作れる
営業のプロセスを可視化して管理することで、抱えている課題や問題点がわかりやすくなるため適切な対応をしやすくなります。その結果として業務を効率化でき、営業成果が期待できます。また、これまでのノウハウも可視化されるので、さらにブラッシュアップしたり、新たな営業メンバーに継承したりもしやすくなります。
【無料】営業代行会社を紹介してもらう営業管理をしていく際に必要な指標
営業管理をしていくうえで必要になる指標は、主に以下の4つです。
目標管理に関する指標
目標管理に関する指標は、「売上高」や「商談の件数」「成約率」「目標の達成率」などの指標のことです。営業活動の目標をどれくらい達成しているか管理するための指標で、組織ごと・個人ごと、月ごと、週ごと、日ごとに細分化して管理します。
目標が高すぎると達成するために必要な施策が非現実的なものになってしまうかもしれません。また、目標が低すぎると低い成果で満足してしまうことがあります。そのため、適切な目標指標を設定することが大切です。社員のモチベーションが下がってしまうような達成困難な目標は設定しないようにしましょう。
案件進捗管理に関する指標
案件進捗管理に関する指標は、営業プロセスがどこまで進んでいるかを管理するための指標です。
アポイント、ヒアリング、対面での営業、クロージング(契約)、受注という流れでフローを作ります。主な指標には「有効商談件数」「受注確度」「受注見込み金額」「進捗率」などがあります。
各指標を数値化することで案件の進捗状況をわかりやすく整理できるため、優先順位を意識したスケジュールの構築ができます。また、営業マネージャーが各案件の進捗状況を正しく把握すると、手の足りない担当者へサポートをつけたりアドバイスをしたりできることもメリットの1つです。
行動実績管理に関する指標
行動実績管理に関する指標は、「新規訪問数」「新規訪問率」「アポイント件数」「アポイント獲得率」「商談数」「商談化率」「受注件数」「休眠顧客の発掘件数」などです。これまでの営業活動で得られた成果や情報、次のアクションの予定などを管理するための指標です。
各指標で行動実績管理をすることで各社員が抱えている課題を洗い出せるので、サポートやアドバイスをしやすくなるメリットもあります。数値を計測するだけでなく、改善するために活用することが大切です。
顧客管理に関する指標
顧客管理に関する指標には、相手の会社名や担当者名などの基本情報に加えて「取引額」「リピート率」「売上高」「顧客満足度」などがあります。顧客との関係性を把握するために使用する指標です。
各指標を数値化して明確にすると、顧客にあわせたアプローチ戦略を組み立てる際に役立ちます。また、顧客に対して優先順位を付けるためにも利用可能です。
そのほか、各指標をまとめることで顧客情報の共有がしやすくなるので、カスタマーサポートやカスタマーサクセスなどの他部署と連携がとりやすくなる点もメリットです。
【無料】営業代行会社を紹介してもらう営業管理をエクセルで行うメリット
営業管理をエクセルで行うメリットは、主に以下の3つです。
すぐに導入できる
すぐに導入できることが1つめのメリットです。
専用のシステムを導入せずに営業管理を始められるので、導入する手間がほとんどかかりません。エクセルは多くのオフィスで使われているので、エクセルで営業管理をするためのテンプレートも豊富に公開されています。
また、専用のシステムを導入する場合と違い、エクセルで作業をするので新しく操作を覚える必要がない点もメリットといえます。
費用がかからない
費用がかからないことが2つめのメリットです。営業管理の専用システムを導入する場合は初期費用や月額費用がかかってしまいます。特に社員が多い場合はかかる費用も高額になりがちです。しかし、エクセルで営業管理をする場合は、マクロソフト社のOfficeに含まれるエクセルさえあれば追加費用がかかりません。
エクセルが導入されていなかったとしても、エクセル互換ソフト(エクセルのファイルを扱えるソフト)を導入すると費用をかけずに利用できます。なお、Googleスプレッドシートのように無料で使用可能なエクセル互換ソフトもあります。ただし、レイアウトが崩れてしまうことがあるという点に注意が必要です。
また、エクセルのテンプレートが有料の場合は購入費用がかかります。専用の営業管理システムを導入するよりも安価なものがほとんどですので、求めるテンプレートがある場合は検討してみても良いでしょう。
柔軟にカスタマイズできる
データを柔軟にカスタマイズできることが3つめのメリットです。
エクセルは表計算ソフトとして設計されているので、データを並び替えたり絞り込んだりする機能がついています。そのため、データの管理や検索、分析がしやすいという長所があります。また、複数のデータを一元管理しやすいことも特長です。
例えば、フィルター機能を使うと特定の条件を満たしているデータだけを抜き出せます。また、ピボットテーブル機能を使うと大量のデータを集計したり分析したり、数値順に並び替えたりできます。
営業管理をエクセルで行うデメリット
ヒューマンエラーが起こりやすい
営業管理をエクセルで行う場合、人為的なミスが発生しやすいことがデメリットの1つです。専用のシステムと違い、誤った入力や操作を検知して通知する機能がついていません。
例えば、共有で使用している管理用のエクセルファイルをたまたま同時に複数人が編集をしてしまった場合、データが破損することがあります。また、自動計算するための関数を誰かが間違えて消してしまった場合に、それ以降の計算結果がすべて間違って表示されてしまうこともあります。
案件ごとのデータ管理が難しい
エクセルで案件ごとにデータ管理をする場合、ファイルを分けるかシートを分ける必要があります。ファイルを分けた場合はもちろんのこと、シートを分けただけでも情報の検索や計算がしにくくなってしまうデメリットがあります。
また、営業管理専用のシステムと違って検索機能が営業管理に特化されていないので、顧客を軸にして時系列順に並べるような操作は難しいといえます。
情報の更新に時間がかかる
エクセルで営業管理をする場合は、使用者が手入力で更新して保存する必要があります。そのため、入力作業に手間と時間がかかってしまいがちです。また、管理用のエクセルファイルを共有している場合は、同時に編集して保存するとエラーが発生するおそれがあります。そのため、1人ずつ更新作業をする必要があり、順番待ちの時間が発生してしまいます。
また、エクセルファイルはスマートフォンでの閲覧・編集も可能ですが、スマートフォン向けに開発された営業管理アプリよりも手間と時間がかかりがちです。
他システムとの連携難易度が高い
エクセルで営業管理をすると、他のシステムを連携させて分析をしにくくなるデメリットがあります。
例えば、データ分析システムとセットになっている営業管理システムを利用した場合は、システム同士を連携させると営業管理システムに入力したデータが自動入力されます。しかし、エクセルファイルで管理している場合は、利用する分析システムがエクセルファイルからのデータ読み込みに対応していないと自動で入力されません。その場合は、データを手入力する必要があります。
情報流出のリスクがある
エクセルで管理されているデータは、不正アクセスやマルウェア(ウイルスやワームなどの悪意を持ったソフトウェア)によって流出するおそれがあります。
営業管理システムを使っている場合は、データが暗号化されていたり、そのシステムがないと開けなかったりしますが、エクセルファイルの場合は容易に開けてしまいます。そのため、エクセルファイルにパスワードを設定したり、セキュリティを強化したりすることが大切です。
エクセルで営業管理する際のポイント
エクセルで営業管理する際に気を付けるポイントは以下の4つです。
分析する内容を決める
最初に分析する内容をきちんと決めることが大切です。
分析をする内容を決めたあとに逆算することで、入力しなければいけない項目が割り出せます。この手順を実行せずに入力項目を決めると、入力するだけで分析に一切使われない無駄な項目ができてしまうかもしれません。
分析に必要な入力項目を割り出し、不要な入力作業を発生させないためには、まず分析内容を決めて、逆算する形で入力項目を設定してください。
入力規則を決める
エクセルでの営業管理を始める前に、入力規則(データを入力するときのルール)を決めることがポイントの1つです。入力規則を決めていないと、入力した人によって書き方がバラバラになってしまい、データの検索や分析をするときの効率が悪くなってしまうので注意が必要です。また、入力されたデータがひと目でわかるように統一されていると、管理に対する「面倒さ」が薄れるというメリットもあります。
例を挙げると、日付を入力する際にルールが決まっていないと西暦で入力する人と和暦で入力する人に分かれてしまいます。また、同じ意味の内容でも入力する人によって表現が違っていて、入力されたデータが読みにくくなってしまうこともあります。そのため、入力するときの表記ルールを事前に決めて統一しておきましょう。
エクセルの「データの入力規則」機能を使用すると、直接入力する代わりに選択肢を選ぶだけの状態にできます。入力の手間を減らしつつ入力された内容の統一ができるためおすすめです。
メンテナンスを定期的に行う
エクセルで営業管理をする際は、定期的にシートのメンテナンスをすることもポイントの1つです。文字データであってもシートの数や行数が多くなりすぎると動作が遅くなります。特に、関数やマクロを使用して複雑な処理をしている場合は重くなりやすいので注意してください。定期的に不要なデータを他のファイルに移動したり、削除したりして余分な処理を無くしましょう。
また、入力作業時に意図せずに関数を消したり変更してしまったりしたまま上書き保存され、計算が正しく動作をしていない状態になっていることがあります。メンテナンスをするときは、関数やマクロで処理をしている部分が正しく動作をしているかも確認しましょう。
セキュリティ面への配慮をする
エクセルで営業管理をする際は、セキュリティ面への配慮もしなければいけません。
例えば、ダウンロードした営業管理用のテンプレートに悪意のあるマクロ(いくつかの処理を自動的に行うための機能)が組み込まれていることがあります。他にも、ダウンロードしたファイルがウイルスに感染していることもあります。悪意のあるマクロやウイルスによって情報漏えいがおきないようにセキュリティソフトを利用しましょう。
また、営業管理システムの場合はデータが暗号化されていたり、そのシステムでなければ開けなかったりしますが、エクセルファイルの場合は誰でも開けてしまいます。そのため、営業管理用のエクセルファイルが流出してしまうと中の情報も簡単に見られてしまいます。エクセルファイルにパスワードをかけたり、ファイルを持ち出す際の情報漏えい防止ルールを作成したりして対策しましょう。
【無料】営業代行会社を紹介してもらう営業管理におすすめのテンプレート6選
営業管理におすすめのエクセル用テンプレートを紹介します。大まかな特長は以下の表のとおりです。
テンプレート名 |
特長 |
Excel Form |
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エクセルカードHARI |
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顧客管理台帳 |
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プロジェクト |
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事業計画書 |
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営業案件及び 営業進捗管理エクセルテンプレート |
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Excel Form 顧客管理
画像引用:Excel Form 顧客管理公式サイト
Excel Form 顧客管理のおすすめポイント
- 直感的に操作しやすいシンプルなデザイン
- シートが連携されているので、入力した項目が別のシートに自動で入力される
- 顧客管理情報を利用してはがきや封筒の宛名を印刷できる
「Excel Form 顧客管理」は、無料で利用できる顧客管理用のエクセルテンプレートです。ユーザーフォームを利用して作成したシンプルなデザインで、直感的に操作可能です。
シートが連携されているので、入力した内容が他のシートにも反映されます。そのため、同じ内容を何度も入力する手間を省けることが特長です。ただし、マクロ機能を使用して作成されているので、エクセルのマクロを有効にする必要があります。
そのほか、顧客管理情報を利用してはがきや封筒(長形3号)の宛名印刷をする機能が搭載されています。
エクセルカードHARI
画像引用:エクセルカードHARI公式サイト
エクセルカードHARIのおすすめポイント
- 項目のカスタマイズがしやすく、レイアウトも自由に変えられる
- 通常のエクセルの検索機能に加えて独自の検索機能も使える
- 最大で7世代分のバックアップを作成できる
「エクセルカードHARI」は、表計算ソフトのエクセル上でデータ管理ソフトを再現したエクセルテンプレートです。有料のテンプレートですが、データ件数100件までは無料で利用できます。項目のカスタマイズやレイアウトが自由なため、自社のスタッフにあわせてカスタマイズしたい方におすすめです。
通常のエクセルの機能に加えて独自の検索機能を備えているため、簡単に検索や抽出ができます。また、エクセルのフィルター機能もそのまま利用できるので、用途にあわせて検索機能を使い分けることも可能です。
最大で7世代分のバックアップができるため、間違ったデータを入力してしまったことに数日経過してから気づいた場合でも元のデータを確認したり戻したりできます。バックアップの数を調整できるので、不要な場合はバックアップをしないように設定することも可能です。
顧客管理台帳(顧客台帳)
画像引用:顧客管理台帳(顧客台帳)公式サイト
顧客管理台帳(顧客台帳)のおすすめポイント
- 紙ベースでの顧客管理に使える無料テンプレート
- 顧客管理台帳や見込み客台帳のように使える
- シンプルでわかりやすく、カスタマイズもしやすい
顧客管理台帳(顧客台帳)は、顧客管理の第一歩として使える紙ベースの顧客管理シートです。そのため、エクセルがあまり得意でない方でも紙の書類を扱うような感覚で使用できます。
紙の顧客管理台帳や見込み客台帳のように、顧客の基本情報や取引履歴をまとめて、顧客のニーズを掘り下げる使い方に向いています。
また、シンプルでわかりやすいレイアウトなので、自社で必要な情報にあわせて項目のカスタマイズもできます。顧客管理を始める際のたたき台として利用し、必要な項目を追加して利用するとよいでしょう。
プロジェクト予算管理テンプレート
画像引用:プロジェクト予算管理テンプレート公式サイト(Smartsheet)
プロジェクト予算管理テンプレートのおすすめポイント
- 無料で利用できる
- テンプレートそのままでプロジェクトの予算管理ができる
- シンプルで直感的に使いやすい
プロジェクト予算管理テンプレートは、人件費や固定費、実費などのかかる費用を管理するエクセルのテンプレートです。プロジェクト・作業管理プラットフォームのSmartsheetを作っている会社が無料で提供しています。
プロジェクトの予算管理に必要な項目がそろっているので、テンプレートを利用するだけで予算管理ができます。
また、レイアウトがシンプルにまとめられているので、直感的に使用できるテンプレートです。プロジェクトの予算管理をエクセルで始める際の一歩目として利用するとよいでしょう。
事業計画書(Microsoft Officeテンプレート)
画像引用:事業計画書(Microsoft Officeテンプレート)公式サイト(Microsoft)
事業計画書(Microsoft Officeテンプレート)のおすすめポイント
- 設定されている項目を入力するだけで事業計画書が作れる
- 金額の項目は始めから自動計算が設定されている
- 紙ベースの作りなので、パソコンが苦手でも使いやすい
事業計画書は、予め設定されている項目を入力するだけで自玉計画書が作れるエクセルのテンプレートです。営業管理には適切な目標設定が必要不可欠ですが、そのためにはまず計画書が必要です。このテンプレートは、事業計画書を作成し、営業計画書を作成して目標設定をする工程で役立ちます。
金額の項目は自動計算をするように処理されているので、必要な数値を入力するだけで自動で計算してくれるため、計算の手間を省けることもポイントです。
また、紙ベースで設計されているテンプレートなので、パソコンでの作業に慣れていない方でも印刷して使えます。パソコンが苦手なスタッフが多い会社や部署におすすめです。
売上管理・営業管理の書式テンプレート
画像引用:営業案件及び営業進捗管理エクセルテンプレート公式サイト(HubSpot)
営業案件及び営業進捗管理エクセルテンプレートのおすすめポイント
- 無料で利用できる
- シンプルなデザインのテンプレートで案件管理・営業進捗管理ができる
- 顧客管理や商談管理、チーム別・担当者別の売上管理まで幅広く管理できる
営業案件及び営業進捗管理エクセルテンプレートは、無料で利用できるエクセルテンプレートです。
シンプルなデザインで案件管理や営業の進捗管理ができます。営業の売上管理・実績目標管理、チーム別の売上管理、担当者別の売上管理、その後の商談管理・顧客管理まで幅広く対応しています。
商談管理シートを利用すると、見込み客の情報や商談の現状を容易に管理可能です。
エクセルの課題を解決するならSFAツールがおすすめ
エクセルのテンプレートを利用した営業管理は料金がかからない反面、営業管理専用のツールより機能が多くないというデメリットがあります。
データ抽出・分析をする機能や情報管理をする機能などをエクセルの機能で補っているので、機能面で専用のツールには及びません。営業管理専用に作られたSFA(Sales Force Automationの略、営業支援システム)であれば、営業管理に特化した様々な機能が実装されています。また、クラウド内に顧客情報や案件情報を集約することで、エクセルで管理するよりも容易に管理可能です。
エクセルでの管理が難しい・面倒と感じた方や、エクセルでは難しい高度な営業管理をしたい方は、SFAツールの導入を検討してみてください。
【まとめ】効率化および生産性を意識した管理を目指しましょう!
エクセルで営業管理をするメリットやデメリット、管理をする際のポイントを紹介しました。エクセルで営業管理をすると、導入コストや費用をかけずに営業管理を始められるので、あまり費用をかけたくない人におすすめです。
管理をするときは、ただデータを入力して管理するだけでなく、データを活用して改善や効率化をすることが大切です。また、より高度な営業管理を目指したい方は、SFA(営業支援システム)ツールの導入を検討してみてもよいでしょう。
なお、営業そのものをアウトソースすることも生産性向上には有効です。営業代行会社の探し方・選び方がわからない!という方は営業幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
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