SFAとCRMの違いとは?どちらのツールを導入すべきか、目的・機能別に徹底解説【2024年最新版】
SFAとCRMの違いを機能や目的の観点から詳しく解説します。さらに、SFA/CRMのメリットや選び方、成功事例なども紹介します。自社に最適な営業支援ツールを選ぶ際の参考にしてください。
なお、SFAやCRMのツールの探し方・選び方がわからない!という方はお気軽にご相談ください。
貴社の目的・予算を弊社コンサルタントがヒアリングし、ツール選定についてアドバイスします。相談料は一切無料です。
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SFAとCRMの明確な違いとは
両者は混同して捉えられることが多いですが、顧客情報を管理する点で共通しているものの、全く違う種類のツールです。
大きな違いは利用する目的です。商談から受注までの営業プロセスで担当者をサポートするのがSFAです。一方、CRMは受注以降に顧客と良好な関係性を構築し、維持していくために利用されます。目的が違うため、両者の機能も異なります。ただ、現在普及しているツールの多くは2つの機能を兼ね備えており「SFA/CRMツール」として販売されているケースが多いです。
利用する目的の違い
SFAもCRMも売上アップのために導入するのは確かですが、もう少し深堀して解説します。
SFAを利用する目的
SFAを利用する目的は見込み客から受注を獲得することです。そのために、進捗管理や行動分析などの機能を活かして営業活動を最適化します。成果が出ている営業モデルを社内で共有することが可能です。人に依存していてノウハウが蓄積されないといった課題を解消し、業務を標準化することで受注獲得を支援します。
CRMを利用する目的
CRMを利用する目的は顧客と良好な関係を構築することです。問い合わせ管理機能やマーケティング機能などを活用して顧客をファン化します。自社への信頼を高めることで、アップセル(高額商品の販売)やクロスセル(関連商品の販売)の機会を創出し、売上を拡大させるのです。
使える機能の違い
SFAとCRMの標準的な機能は以下の通りです。
SFAの機能 |
CRMの機能 |
・リード(見込み顧客)情報の管理 ・営業担当者の行動管理 ・予実管理 ・スケジュール管理 |
・既存顧客情報の管理 ・顧客の行動分析 ・プロモーション ・カスタマーサポート |
SFAは担当者が受注を獲得するために必要な機能を搭載しており、CRMでは既存顧客の売上を最大化させるために必要な機能があります。それぞれ詳しく解説します。
SFAの標準的な機能
SFAの主な機能は以下の通りです。
機能 |
詳細 |
リード情報の管理 |
顧客情報や人脈などを管理 |
営業担当者の行動管理 |
架電数やアポイント数などを管理 |
予実管理 |
予算と実績の到達度を管理 |
スケジュール管理 |
アポイントの設定などの予定をカレンダーで共有 |
主に受注獲得までの営業プロセスで利用する機能を搭載しています。
CRMの標準的な機能
SFAの主な機能は以下の通りです。
機能 |
詳細 |
既存顧客情報の管理 |
購入履歴や問い合わせ履歴などを管理 |
顧客の行動分析 |
メール開封率やサイトへのアクセス履歴などを分析 |
プロモーション |
メール配信などを支援 |
主に既存顧客とのコミュニケーションをサポートする機能を搭載しています。
SFA/CRMツールを利用するメリット
SFA/CRMツールのメリットは以下の通りです。
SFA |
CRM |
・営業活動の効率化 ・営業プロセスの改善 ・教育コストの削減 |
・営業活動の効率化 ・顧客情報の見える化 ・顧客満足度アップ |
それぞれ詳しく解説します。
SFAツールを利用するメリット
SFAは営業担当者の業務をサポートするツールなので、担当者の業務を効率化したり、営業プロセスを改善できたりします。顧客情報やナレッジ(知見)が蓄積されているので、新入社員の教育コストを削減することも可能です。また、担当者の退職や異動があったとしても、スムーズに引継ぎできる点もメリットです。
CRMツールを利用するメリット
CRMは顧客の注文履歴やメール開封率、自社のどのページにアクセスしたかなどの顧客の行動を分析できるので、効果的な働きかけを実施できます。情報が一元管理されているので、担当者が不在でも、別の社員がすぐに対応できるため、顧客満足度も高まります。顧客がファン化することで、アップセルやクロスセルによる売上アップを図れる点もメリットです。
SFA/CRMツールを利用するデメリット
SFA/CRMツールのデメリットは以下の通りで「費用がかかる」と「入力作業が手間」の2つは共通しています。
SFA |
CRM |
・費用がかかる ・入力作業が手間 ・情報漏洩のリスク |
・費用がかかる ・入力作業が手間 ・カスタマイズが必要 |
それぞれ詳しく解説します。
SFAツールを利用するデメリット
費用がかかる点はデメリットですが、重要なのは費用対効果が高いかどうかです。売上がアップしたとしても、入力作業にかかる時間が増えて人件費が高くなれば業務効率化どころではありません。初めて導入する際は、入力作業が簡単なツールを選びましょう。
また、情報が広く共有できるメリットがある反面、情報を取り扱う人数が増えるので少なからず情報漏洩のリスクがあります。導入前にきちんとルールを整備しておきましょう。
CRMツールを利用するデメリット
CRMツールもSFAツールと同様にコストがかかり、入力作業が手間というデメリットがあります。加えて、カスタマイズが必要である点もデメリットです。企業ごとに営業プロセスは異なるので、ニーズにあわせて運用するためにはカスタマイズが欠かせません。導入する際は、サポートが充実しているツールを選びましょう。
【無料】SFAやCRMのツール選びについて相談するSFAとCRMのどちらを選べばよい
かSFAとCRMのどちらを導入すべきかについて以下の3つのケースを挙げて解説します。
- CRMを選んだ方がよいケース
- SFAを選んだ方がよいケース
- 統合的なツールを選んだ方がよいケース
CRMを選んだ方がよいケース
存顧客との関係性を深めて売上を高めたい場合は、顧客と良好な関係性を構築・維持するCRMが適しています。具体的には、顧客数が多い企業で、売上が伸び悩んでいるケース。CRMの導入によりアップセルやクロスセル、リピート販売などで売上を積み上げることが可能です。
一般的に、新規顧客を獲得するコストよりも、すでに接点のある既存顧客に商品を販売するコストの方が低いです。分析機能を活用して、顧客に効果的にアプローチすることで、少ない労力で売上を確保できます。
SFAを選んだ方がよいケース
新規顧客の獲得に注力したい場合はSFAが適しています。SFAは商談から受注までのプロセスで効果を発揮するからです。具体的には、会社自体が比較的新しい場合や新商品を発売して新規顧客を獲得したいケース。SFAの導入により営業プロセスを見える化し、成果の出ている営業スタイルを社員間で横展開すれば、効率的な営業活動を展開できます。
また、SFAで把握できる商談件数や成約率などの項目は人事評価の指標として活用することも可能です。人事制度などがまだ整備されていない場合は、積極的に活用しましょう。
統合的なツールを選んだ方がよいケース
総合的なツールとは、SFA及びCRMの機能を兼ね備えたツールを指します。管理全般をアナログからデジタルに移行したい企業におすすめです。総合的なツールのメリットは、リードから既存顧客までワンストップで管理できる点。
ただし、使わない機能が多かったり、アナログ管理だったものを急にデジタルに移行すると、実際に利用する社員の負担が増えます。優先順位を明確にした上で、社員が継続して使える環境を整えた上で導入しましょう。
※現在、普及しているツールはSFA及びCRMの機能を兼ね備えたツールが多いことから、以降は2つを総称してSFA/CRMと表記します。
SFA/CRMツール導入前のチェックポイント
SFA/CRMツールを導入する前にチェックしておきたいポイントは以下の5つです。
- 実際に利用する社員に事前ヒアリングを行う
- 運用責任者を決めておく
- サポート体制が充実しているか確認しておく
- 無料トライアルで試してみる
それぞれ詳しく解説します。
実際に利用する社員に事前ヒアリングを行う
SFA/CRMツールでは、日々の入力作業がかかせないので、継続して運用していくためにも実際に利用する社員に導入前にヒアリングを行いましょう。社内にSFA/CRMが定着しない主な要因は使いにくさが挙げられます。多機能だったとしても、使いにくければ効果を最大限に活かすことはできません。会社の方針でツールを導入するケースが多いですが、現場目線で導入を進めていく必要があります。
運用責任者を決めておく
SFA/CRMを導入する前に、運用責任者を決めて社内ルールを整備しておきましょう。責任の所在が不明確な場合、トラブルが起きた際に対処が遅れるなど、スムーズに導入することが難しくなります。責任者を決める際は、現場の意見を反映するためにも営業部門に1人は配置するのがポイントです。1人に任せるのが負荷が高い場合は、サポートメンバーを増やすなどして、組織的に導入を進めていきましょう。
サポート体制が充実しているか確認しておく
サポート体制の充実度は効果的に運用し続けられるかどうかにかかわるので、必ずチェックしておきましょう。特に、初めてSFA/CRMツールを導入する場合やデジタルツールに知見をもった人材がいない場合は、サポートが欠かせません。導入研修を行ってくれるか、トラブルが起きた際にすぐに対応してくれるかなどは要チェック項目です。サポート内容がWebサイトで公開されていない場合は問い合わせてヒアリングしてみてください。
無料トライアルで試してみる
導入候補に挙がったツールを無料トライアルで実際に使ってみましょう。Webサイトやセミナーなどで情報収集しても、実際に触れてみなければ、継続して使えるかわかりません。「使ってみてから導入するか決めたい」というニーズに応えるため、多くのベンダー(ツール提供元企業)は無料トライアルを設けています。
また、トライアル前にも無料で相談に乗ってくれるのが一般的なので、自社の課題を共有して効果的な運用方法を提示してもらいましょう。
【無料】SFAやCRMのツール選びについて相談するSFA/CRMツール導入のよくある失敗例
当然ですが、SFA/CRMツールは導入しただけで効果が出るものではありません。以下の3つのよくある失敗例を参考に、同じ過ちをおかさないように注意しましょう。
- ツールの導入が目的になっている
- 操作が難しくて使いづらい
- 蓄積したデータを効果的に使えてない
ツールの導入が目的になっている
SFA/CRMツールを導入する前に、自社の導入目的を明確にしておく必要があります。「競合他社でも使っているから」「業務効率が上がりそうだから」といった曖昧な動機で導入すると、うまく活用できない可能性が高まります。「労働時間を10%削減して残業を減らす」「顧客とのコミュニケーションを強化して客単価を10%増やす」といった明確な数値目標を設定するのがポイントです。
操作が難しくて使いづらい
操作が難しくて使いづらいと、営業担当者の負担が増えるだけでなく、入力作業がおろそかになるリスクが高まります。データが正確に登録されなければ、ツール本来の効果を期待できないので注意が必要です。一般的に、機能が多くなるほど操作も複雑になるので、機能の豊富さを理由に導入を決めるのではなく、必要な機能が搭載されている使い勝手のよいツールを選びましょう。
蓄積したデータを効果的に使えてない
SFA/CRMに情報をただ入力しているだけではツールの魅力を引き出せているとはいえません。蓄積したデータを施策に反映して、営業力を底上げしたり、効果的なプロモーションを展開していきましょう。
社内にデータを活用できる人材がいない場合は、ベンダーのサポートをフル活用してください。ベンダーは、幅広い業種で様々な規模の導入事例を保有しています。困ったことやわからないことがあったら、まずはベンダーに相談する習慣をつけましょう。
SFA/CRMツール導入の成功事例
SFA/CRMツールを導入して成果を出した事例を3つ紹介します。
NECネクサソリューションズ株式会社(eセールスマネージャー)
画像引用:eセールスマネージャー
会社名 |
NECネクサソリューションズ株式会社 |
事業内容 |
情報システムの開発・運用 |
導入前の課題 |
・マネジメント手法にばらつきがあった ・紙ベースの資料をもとにマネジメントを行っていた |
導入後の成果 |
・営業活動が可視化され、顧客対応が迅速かつ効率的に ・営業効率が2~3倍にアップ |
企業の情報システムを構築・運用する事業を手掛けているNECネクサスソリューションズは、5社が合併した企業です。そのため、マネジメント手法が統一されていないという課題を抱えていました。どのフェーズで何をすべきかを明確にしたプロセスマップを作成したものの、紙ベースだったため案件をスピーディに前進させられない点も改善したいポイントでした。
課題解決のために、ソフトブレーン株式会社のeセールスマネージャーを導入。見込み客の獲得から営業のフォローまでの一連の情報が可視化され、迅速かつ効率的な顧客対応を実現しました。予算管理では、見込み客のニーズや導入時期、競合などの管理指標を設定し、営業担当者が「いま何をすべきか」を明確にしました。結果、営業効率を2~3倍にアップさせることに成功したのです。
事業内容 |
情報システムの開発・運用 |
導入前の課題 |
・マネジメント手法にばらつきがあった ・紙ベースの資料をもとにマネジメントを行っていた |
導入後の成果 |
・営業活動が可視化され、顧客対応が迅速かつ効率的に ・営業効率が2~3倍にアップ |
株式会社Z会ソリューションズ(Mazrica Sales)
画像引用:Mazrica Sales
会社名 |
株式会社Z会ソリューションズ |
事業内容 |
学習教材の開発・販売 |
導入前の課題 |
・営業情報やノウハウを蓄積する手段がなかった ・社内PCで報告書を作成していたため事務作業の負担が大きかった |
導入後の成果 |
・営業情報が集約されノウハウが蓄積 ・事務作業に要する時間を短縮 |
学校や書店向けに学習教材の販売を行う株式会社Z会ソリューションズは、社内に営業に関する情報やノウハウを蓄積・共有する仕組みがないという課題を抱えていました。また、報告書を作成する際は、外出先から会社へ戻って社内PCで入力するなど、営業担当者の事務作業の負担が大きかったのも課題の1つです。
課題解決に向けて、株式会社マツリカのMazrica Salesを導入。情報を一元管理できるようになり、部署間で異動があっても、容易に顧客情報にアクセスすることが可能になりました。また、外出先からモバイル端末で情報を入力できるので、事務作業時間の短縮も実現しています。
株式会社ほしゆう(Knowledge Suite)
画像引用:Knowledge Suite
会社名 |
株式会社ほしゆう |
事業内容 |
梱包印刷 |
導入前の課題 |
・営業活動が属人化していた ・名刺管理、日報管理などの事務作業をアナログ管理していた |
導入後の成果 |
・情報共有が活発化 ・顧客ステータスを意識した営業スタイルを確立 |
梱包印刷事業を展開する株式会社ほしゆうは、営業活動の属人化を課題に抱えており、社員への教育やノウハウの共有ができる仕組みがありませんでした。また、名刺管理などをアナログ管理していたため、情報を有効活用できていなかったのも課題の1つです。
課題解決のために、ブルーテック株式会社のKnowledge Suiteを導入。情報共有が促進され社内コミュニケーションが活発化しました。また、顧客情報をツールに蓄積することで、休眠顧客の存在や取りこぼし案件を把握できるようにもなりました。顧客情報を集約して、有効活用することで、効果的な営業スタイルの確立に取り組んでいます。
SFAとCRMの違いを理解した上で自社に適したツールを導入しよう
SFAとCRMの違いや導入前のチェックポイントなどを解説しました。SFAとCRMは利用するフェーズが異なる一方、顧客情報を管理して売上拡大を目指す点は共通しています。新規顧客の獲得に注力したい場合はSFA、既存顧客の売上アップを図りたい場合はCRMを選ぶとよいでしょう。
ただ、現在は2つの機能を搭載した「SFA/CRMツール」が主流です。目的を達成するために必要な機能を搭載していることを確認して自社に適したツールを導入しましょう。
なお、SFAやCRMのツールの探し方・選び方がわからない!という方はお気軽にご相談ください。
貴社の目的・予算を弊社コンサルタントがヒアリングし、ツール選定についてアドバイスします。相談料は一切無料です。