CRMシステム導入費用の相場は?導入時のポイントもあわせて解説【2024年最新版】
顧客情報を一括管理できるCRMシステム。システムごとに異なる導入費用の相場を把握していない方も多いと思います。
本記事では、CRMシステムごとにかかる導入費用の相場や導入時のポイント、注意点を分かりやすく解説。CRMシステムにかかる、おおよその費用相場を理解できます。
【無料】CRMシステムの導入について相談するCRMシステムは顧客情報を一元管理できる便利なツール
CRMシステムは、顧客の情報を一元管理できるシステムです。収集した顧客情報をデータベース化し、必要に応じて並べ替え・検索・分析などをおこなえます。集約したデータは、社内で共有が可能。社内の業務効率化を図り、顧客の獲得や生産性の向上につなげます。
【無料】CRMシステムの導入について相談するCRMの種類と導入費用の相場
CRMシステムは、大きくクラウド型・オンプレミス型・スクラッチ開発の3種類。それぞれ特徴と費用の相場が異なります。
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メリット |
デメリット |
導入費用の目安 |
クラウド型 |
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オンプレミス型 |
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スクラッチ開発 |
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100~300万円 |
クラウド型
クラウド型(Cloud)は、インターネット上にあるCRMシステムを使用するタイプです。ユーザーは提供会社が発行するアカウントを利用し、ライセンスを取得することで使用できます。
クラウド型は、インターネットが接続できる環境であれば、場所や時間を問わずアクセスでき、都合のよいタイミングで作業を進められます。
発生する費用と相場
クラウド型は、毎月システムの利用料が発生します。そのほかにも導入するときは、以下のような費用が必要です。
発生する費用 |
費用の相場 |
初期費用 |
無料~5万円程度 |
月額料金(1ユーザーあたり) |
月額費用:2,000~8万円ほど |
オプション費用 |
200円~3万円 |
クラウド型は、コストを抑えられるのが特徴です。とくに初期費用は、ほかのタイプと比べて安価に済む傾向。月額料金は、使用する人数によって変動します。また、クラウド型のオプションには、データ容量の追加やデータ移行サービスなどがあります。追加料金がかかりますが、さらにシステムを有効活用できて便利です。
メリット
手軽に利用できることがメリットです。自分でサーバーを構築する必要がなく、サーバーの管理・保守・運用は提供会社がおこなってくれます。また、外部のクラウド上に情報を保存するため、バックアップを取る必要がありません。
加えて、メンテナンスやシステム改善も提供会社が実施。定期的にアップデートをおこなうだけで、常に最新の環境で使用できます。なお、クラウド型は、初期設定も簡単です。あらかじめ、ある程度のセットアップは完了されているため、導入したその日から使用できる機能のすべてを使えます。
オンプレミス型
オンプレミス型は、自分でサーバーを構築し、市販のCRMシステムをインストールして使用するタイプです。システムによっては、使用時にインターネット接続の必要がなく、オフラインで作業を進められます。
発生する費用と相場
オンプレミス型は、CRMシステムを買い取るのが基本。クラウド型のように、システムの月額利用料は発生しません、オンプレミス型では、以下のような費用が発生します。
発生する費用 |
費用の相場 |
ライセンス料 |
2万~10万円/人(利用ユーザー) |
サーバー使用料 |
5万円前後 |
サーバー保守点検費 |
5万~30万円(年間) |
パッケージ料 |
5万~10万円 |
初期費用として、システムにアクセスするためのライセンス料やパッケージ料(既製品)が発生。月額料金が発生しない代わりに、サーバー保守点検費といったランニングコストがかかります。
メリット
クラウド型と比べてセキュリティ性が高いことがポイントです。オンプレミス型は、顧客情報を社内のサーバーに保管します。外部と遮断された環境で情報を管理するので、情報が漏れるリスクを減らせます。
また、クラウド型よりカスタマイズ性が高いこともメリットです。市販されているパッケージ(既製品)を購入することで、自社の要望に応じて必要な機能を追加できます。
スクラッチ開発
スクラッチ開発とは、CRMシステムを自社で1から開発することです。自社オリジナルのシステムとなり、自社のサービスにフィットした無駄のない仕様で運用できます。導入後は運用のすべてを自社で賄うため、サーバー管理・障害対応・メンテナンスなどができる人材を確保しておかなければなりません。
発生する費用と相場
スクラッチ開発の場合、社内でシステムを構築する内製または、外部の業者に開発を委託する外注があります。以下は、外注でスクラッチ開発をおこなうときの費用相場です。
発生する費用 |
費用の相場 |
開発・仕様/要件の設定・テスト/改修など |
100~300万円 |
スクラッチ開発は、ほかのタイプと比べて初期費用が掛かりますが、開発する機能を最小限に絞り込むことで、費用の調整が可能です。機能はあとで追加できるため、予算に応じて段階的に開発することもできます。
なお、内製のみでスクラッチ開発をおこなうのであれば、プログラマーをはじめ、CRMのシステム開発の知識とスキルをもつ人材の確保が必要です。すべての工程を自社のみでおこなうのが難しいときは、対応できない部分のみを外注するという手もあります。
メリット
スクラッチ開発は、カスタマイズ性の高さが魅力。完全オーダーメードのシステムを開発するので、自社の仕様や要件に合わせた細かい調整が可能です。既存のパッケージにはない、独自の機能を盛り込むと他社との差別化にもつながります。またスクラッチ開発したCRMシステムには、パッケージ開発(自社で機能を開発する)で作成した機能の追加が可能です。
また、スクラッチ開発したシステムやパッケージ開発した機能は、パッケージ製品のようなサポート期限がありません。サービス終了による買い替えも必要がないため、保守点検・メンテナンスを適切におこなえば、長期的に使い続けられます。
【無料】CRMシステムの導入について相談するクラウド型とオンプレミス型ではどちらがおすすめ?
クラウド型とオンプレミス型は、メリットがそれぞれ異なるため、一概にどちらが良いとはいえません。CRMシステムは、自社の現状や目的に応じて、適したものを選ぶことが大切です。
タイプごとのおすすめ使用シーン |
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クラウド型 |
オンプレミス型 |
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たとえば予算があまり確保できない場合は、導入費用を抑えられるクラウド型がおすすめといえるでしょう。またクラウド型は、操作に専門的なスキルを要しないため、CRMをはじめて導入する企業でも使いやすいといえます。
一方でセキュリティ性を重視するのであれば、オンプレミス型がおすすめです。顧客情報は、外部と遮断された社内のサーバーに保存するので、漏えいのリスクを抑えられます。加えてカスタマイズ性が高いため、管理・分析機能を充実させたいときにも向いています。
上記は、想定されるメリットの一例です。メリットは企業の現状・課題・目的によって異なるため、自社にとってメリットが大きいタイプを選びましょう。
おすすめCRMシステムの費用と機能
イメージがしやすいよう、以下におすすめのCRMシステムの費用と機能をまとめました。利用するCRMシステムを選ぶ際に、ぜひ参考にしてください。
システム名 |
おすすめポイント |
費用の目安 |
おすすめの シーン |
Eight Team |
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月額19,800円 (税込)~ |
名刺情報を 有効活用したい場合 |
Synergy! |
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月額15,000円~ ※税込み価格は 要問い合わせ |
少人数の 顧客を低料金で 顧客管理したい場合 |
eセールス マネージャ |
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月額3,000円~ ※税込み価格は 要問い合わせ |
システムを 使いこなせるまでは、 入念・丁寧な サポートを 受けたい場合 |
Zoho CRM |
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月額1,848円 (税込)~ |
営業の効率アップを 図りたい場合 |
Sansan |
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要問合せ |
紙の名刺情報を 一元管理したい場合 |
HubSpot CRM |
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無料 |
ランニングコストを 抑えたい場合 |
GENIEE SFA/CRM |
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月額32,780円 (税込)~ |
営業情報の見える化を 図りたい場合 |
いえらぶ 顧客管理システム |
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要問合せ |
不動産業界で システム活用を 考える場合 |
カスタマーリングス |
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要問合せ |
顧客の思考・行動を 正確に把握したい場合 |
JUST.SFA |
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要問合せ |
営業力を強化したいとき |
kintone |
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要問合せ |
社内での情報共有を 進めていきたい場合 |
CRMシステムを導入するときのポイント
自社の課題や導入の目的を明確にしておく
課題や目的を明確化することで、自社に必要な機能の洗い出しができ、適切なシステム選びに役立ちます。CRMシステムの導入を検討するということは、何らかの課題を抱えているケースが想定されるでしょう。
はじめに課題を洗い出して明確化することで、必要な機能が見えてきます。課題や目的を明確にしたら、社内で共有しましょう。CRMシステムを使いこなすには、部署間または社員間の連携が必要不可欠です。課題や目的を共有しておくことで、導入後の運用がスムーズになります。
社内の体制を整える
専任のプロジェクトチームを発足させるというような、CRMに特化した部署をつくることで、導入した効果をさらに高められます。プロジェクトチームを発足させるときは、チーム内で自社の課題やシステムを導入する目的などをきちんと共有しましょう。
あらかじめ意識を共有しておくことで、導入後の作業が円滑に進みます。なお、専門のチームを発足させたあとは、関係する部署間における連携体制の構築が必要です。「どの範囲をどの部署が担当するのか」をきちんと定めることで、スムーズな運用が可能。部署を超えた施策も打てるため、効果的なマーケティングの実施にもつながります。
明確な導入スケジュールを立てる
マーケティングでは、施策を打つタイミングも重要。適切な時期に施策を実施することで、より良い効果が期待できます。
CRMシステムの導入スケジュールが曖昧だと、納期が延びてしまい、適切な時期に運用を開始できない可能性があります。たとえば夏向けの商材を秋に宣伝しても、適した時期が違うため、理想的な効果は得られないでしょう。
CRMシステムの導入スケジュールは、適切なタイミングで施策が実施できるよう、明確な日時を設定することが大切です。スケジュールが遅延している場合は、どの段階でつまずいたのかを確認し、迅速に立て直しを図りましょう。
CRMシステムを導入する際の注意点
システムの導入にはさまざまなコストが発生する
CRMシステムの導入には、システム料以外にも、さまざまなコストが発生する点に注意が必要です。たとえば、担当者の労力もその1つ。システム導入後には、これまで使用していたシステムから情報を移行したり、システムの使い方を習得したりするなどの業務が必要となります。当初予定していた人数で賄えないときは、ほかの部署から人員を補てんする必要もでてくるでしょう。
また、CRMの知識をもった人材が社内にいない場合には、知識とスキルのある人材を採用するか、既存スタッフを教育して知識とスキルを習得させることが必要です。人材を採用するときは採用費、既存スタッフを教育するのであれば教育費が発生するため、予算を確保しておく必要があります。
個人情報の漏えいに注意する
CRMで扱う個人情報には、個人情報保護法をはじめとする法的な責任が生じます。個人情報が漏えいした場合、損害賠償責任を負うことになったり、慰謝料を請求されたりする可能性があります。
個人情報は、氏名・電話番号・メールアドレスなど基本情報に加え、「どの商品をいつ・どのくらい購入したか」といった情報も対象です。セキュリティ対策はCRMシステムごとに異なるため、購入前にはどのような対策が取られているかをチェックしましょう。
ただし、個人情報の管理は、担当者達が留意すべき事柄です。たとえセキュリティ性の高いシステムを導入していても、「画面を開いたまま席を離れる」ような、担当者のガードが甘いと漏えいする可能性があります。セキュリティを入れているからと安心するのではなく、常に細心の注意を払って管理しましょう。
見積もりは複数社から取って比較する
見積もりをチェックするときは、以下の点に注意しましょう。
- 作業や機能の項目は明確に記載されているか
- 不明な項目はないか
- 追加費用の有無はないか
- 相場とかけ離れた金額でないか
- 予算内に収まっているか
見積もりを受け取ったら、まずは依頼した内容が盛り込まれているか、作業や機能の項目を確認しましょう。「機能一式」や「開発一式」といった形式で記載されているときは、適切か判断ができないので、担当者やメールで問いあわせて確認するのがおすすめです。
また、見積書には、但し書きが記載されている場合があります。追加費用といったの重要な項目が書かれていることもあるので、依頼を決定する前にきちんと目を通しましょう。
CRMシステムを導入するときの流れ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
導入の目的・目標・方針の設定
CRMシステムの導入は、導入の目的・目標・方針の設定からはじめます。目的や目標などは、先述したように、「リピーターを◯%増加」といった形で明確に設定しましょう。売上高・成約数・利益率などを数値化して明確に設定することで、導入後の効果測定がしやすくなるのでおすすめです。設定した目標や方針は、関係する部署を中心に社内で共有します。
担当者の選任
目的や目標を設定したら、担当者や担当部署を選任しましょう。担当者や担当部署を明確に定めておくことで、効果的な運用を実現できます。なお、担当者やプロジェクトチームを発足させるときは、できるだけCRMの知識をもつ人員で構成するのがおすすめです。導入当初から精度の高い分析ができ、問題が発生しても迅速に対応できます。
ツールの選定
ツールを選定するときは、まず担当者と協議し、自社が必要とする機能が搭載されたシステムをいくつかピックアップします。候補をピックアップしたら、それぞれで見積もりを取り、メリット・デメリットを評価して比較しましょう。
なお、最近では無料トライアルを実施しているCRMシステムも存在します。初めてCRMを活用するときは、無料トライアルを活用し、使用感を確かめたうえで導入するシステムを決定するのがおすすめです。導入までの時間に余裕があれば、いくつかのシステムを試してみるとよいでしょう。
スケジュールの設定とシステムの導入
導入スケジュールを立てる際は、導入後のスケジュールも一緒に立てるのがおすすめです。
CRMシステムは導入したものの、「時間が取れずに運用が開始できていない」といったケースは、意外と少なくありません。スケジュールは、「〇月〇日に導入・○○月〇日から運用開始・〇月〇日に検証」というように、明確な日時を設定するのがおすすめです。
導入後は、PDCA(計画・実行・測定/評価・対策/改善)のサイクルを意識した運用を心がけましょう。定期的に効果測定をおこない、必要に応じて改善を加えていくことで、精度の高い分析と効果的な施策の実施が可能となります。
【まとめ】自社に合ったCRMシステムを適切な費用で導入しましょう
CRMシステムは、自社に合ったものを適切な費用で導入することがポイントです。SRMシステムは、「クラウド型・オンプレミス型・スクラッチ型」の3タイプあり、それぞれに種類も豊富。
タイプごとに、費用やメリット・デメリットが異なるため、自社の目的に適したシステムを選ぶ必要があります。予算と目的に見合ったシステムを導入し、より効果的なマーケティング活動を実現しましょう。
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