営業マニュアルの作り方|活用される営業マニュアル作成・運用のポイントを解説【2024年最新版】
営業マニュアルを整備して部署全体のパフォーマンスを高めたいが、そもそも定型業務とはいえない営業活動をマニュアル化する方法がわからない。そんな営業マネージャーの方に向け、効果・メリットから、必要な前提条件、作成・運用のポイントまで、活用される営業マニュアルの作り方を解説していきます。
なお、営業マニュアルの作成や営業標準化を支援してくれる会社の探し方・選び方がわからない!という方は営業幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
【無料】営業支援会社を紹介してもらう営業マニュアルの効果・メリット
定型業務ならともかく、営業先ごとに臨機応変な対応を求められる営業活動にマニュアルが必要なのか?疑問を持つマネージャーの方は少なくないはず。しかし、取り扱い商材によって若干の違いはあるものの、どのような組織でも営業活動の「手順」「ルール」は存在します。こうした営業手順・ルールをまとめた「手順書」「ルールブック」がマニュアルです。
つまり、組織ごとに異なる営業手順・ルールをまとめた営業マニュアルを作成・活用することで、営業部門を強化する以下のような効果・メリットが得られます。
営業方針の統一 / 共有
営業手順・ルールを定めるということは、組織としての営業方針を定めることとイコール。手順書・ルールブックである営業マニュアルを作成 / 共有することで、組織全体の営業方針を統一 / 共有できる効果・メリットが得られます。
そもそも、営業活動は営業マン個々の裁量に委ねられる傾向にあるため、それぞれが自身に適した異なる「型」を確立しがちです。しかし、こうした状況は営業マンごとのパフォーマンス差を生み出し、組織の属人化が進む要因。手順・ルールを定めた営業マニュアルで方針を統一することにより、組織の属人化を防止した営業活動の標準化を実現できます。
営業ノウハウの共有による営業力底上げ
営業マニュアルは、手順・ルールだけではなく「営業ノウハウの共有」にも役立ちます。組織内に蓄積された「営業の勝ちパターン」を共有することで、営業マン個々のスキル差を縮め、組織全体の営業力を底上げする効果・メリットが得られるでしょう。
新人の早期戦力化
統一された営業方針をもとに手順・ルールを定めた営業マニュアルは、組織として目指すべき「営業の型」を指し示す指標でもあります。つまり、営業マニュアルを活用することで、指導者のスキルに左右されない、効率的な新人教育・育成 / 早期戦力化を実現可能。
営業マニュアルをリファレンスとすることで、新人スタッフの自発的な学習を促す効果・メリットも得られます。
【無料】営業支援会社を紹介してもらう営業マニュアル作成の前提条件
営業部門全体のパフォーマンス / 体制強化に役立つ営業マニュアルですが、なんの準備もなしに作成しても、期待したような効果・メリットは得られません。営業部門を強化する効果的な営業マニュアルを作成するためにも、その前提となる条件をクリアしておく必要があります。
営業活動の標準化を進める
統一された営業方針をもとにした手順・ルールを定めるためにも、まずは営業マニュアルの前提となる「営業活動の標準化」を進めましょう。なぜなら、営業マンによって異なる複数の「型」が存在する状況では、組織として目指すべき統一された「営業の型」をマニュアルに反映できないからです。
自社にとってベストなのはどのような営業の型なのか。売上 / 利益を得るために効果的な型を見極め、組織全体の営業活動へ浸透させていくことがポイントです。
優秀な営業マンの行動 / 成功例を蓄積
営業マニュアルをノウハウ共有に役立てるため、優秀な営業マンの行動や、成果につながった成功例を蓄積していきましょう。蓄積された情報を分析することで、成果につながる共通した「勝ちパターン」が見えてくるからです。
ノウハウ共有による営業力の底上げという、営業マニュアルの効果・メリットを最大化するためにも、共有すべきノウハウの蓄積が重要です。
営業標準化 / ノウハウ蓄積にはCRM / SFAが有効
営業活動の標準化 / ノウハウの蓄積を進めるためには、CRM / SFAツールの活用が有効です。なぜなら、CRM / SFAツールは組織の営業活動を可視化するツールだから。日々の行動や営業活動の結果をデータとして一元管理することで、感覚に頼らないデータを根拠とした知見を得られます。
【無料】営業支援会社を紹介してもらう活用される営業マニュアルの前提条件
営業部門を強化する効果的な営業マニュアルを作成しても、活用されなければ意味がありません。活用されるための前提条件を満たした営業マニュアルを計画しましょう。
前提条件は、いつでも「閲覧できる」こと、内容を「理解しやすい」こと、市場の変化に応じて「内容を更新しやすい」ことの3つ。これを念頭に置きながら、どのように営業マニュアルを配布 / 管理していくかを考えることがポイントです。
営業マニュアルのフォーマット
営業マニュアルを配布 / 管理するためのフォーマットは、主に「テキスト」「PDF」「紙マニュアル」「動画」の4つ。取り扱い商材、営業の型に応じて適切なフォーマットは異なりますが、それぞれの特徴は以下の通り。
営業マニュアルの フォーマット |
メリット |
デメリット |
テキスト (ドキュメント) |
更新しやすく管理が簡単 |
理解しやすくするには文章力が必要 |
|
上書きの心配がなく管理しやすい |
更新時は元データの修正、 PDF化が必要 |
紙マニュアル |
手元に置いていつでも閲覧できる |
更新時は元データの修正、 印刷 / 再配布が必要 |
動画 |
もっとも理解しやすく情報量も豊富 |
更新が難しい、 制作コストがかかる |
SaaS型文書管理システムがおすすめ
動画でなければならない理由がなければ、ドキュメントで営業マニュアルを作成し、SaaS型文書管理システムで管理する方法がおすすめです。デバイスを問わず、いつでもどこからでも閲覧でき、内容の更新も簡単。メンバーごとに権限を設定すれば、間違って内容を上書きされてしまうこともありません。
営業マニュアルの作り方
営業の標準化、マニュアルのフォーマット / 管理方法という前提条件をクリアしたところで、実際に営業マニュアルを作成していきます。手順・ステップごとに、営業マニュアルの作り方を簡単に解説していきましょう。
目的・対象者の明確化
最初のステップは、営業マニュアルの目的・対象者を明確にすること。目的・対象者が異なれば、営業マニュアルに盛り込むべき内容は異なるからです。
たとえば、目的・対象者が既存スタッフの営業標準化 / 営業力強化なら、内容は「統一された営業の型」「成功例 / ノウハウ」になるでしょう。対象を新人にまで拡大するなら、基本的なマナーなど「いわれなくてもわかっている事柄」まで営業マニュアルに盛り込む必要があります。
営業マニュアルに必要な情報を収集
次のステップは、営業マニュアルを作成するのに必要な情報を収集すること。目的・対象者が明確になれば、必要な情報も自然と見えてくるはずです。
要素を分類して項目ごとに整理
収集した情報を要素ごとに分類し、項目を設けて整理していきましょう。たとえば、自社商材に関すること、ターゲットとなる顧客に関すること、営業プロセス(型)に関することなど。具体的には、営業マニュアルの目次を作成していくイメージです。
項目 |
要素 |
詳細 |
自社商材 |
自社商材の概要 |
概要、機能、特徴、料金、解決できる課題など |
自社商材の市場環境 |
市場規模、今後の成長、競合の存在など |
|
自社商材の立ち位置 |
競合との違い、提供価値、市場のポジショニングなど |
|
顧客 |
ターゲット |
属性、ペルソナ |
顧客の購買行動 |
購買のきっかけ、事例など |
|
営業活動 |
営業プロセス(型) |
基本となる営業の流れ、役割分担など |
営業フェーズ |
商談から成約までの各フェーズ、 フェーズごとの評価軸 / 達成基準など |
|
営業の進め方 |
各フェーズのポイント・注意点、トークスクリプトなど |
|
よくあるケースと対応 |
切り返しの方法、イレギュラー対応などのノウハウ |
作成 / 抜け・漏れのチェック / 公開
収集した情報を項目ごとに整理し、目次の原型ができあがったら、本文を追記して営業マニュアルを作成しましょう。複数名で内容の抜け・漏れをチェックし、問題がなければ事前に定めたフォーマット / 管理方法で公開します。
営業マニュアル作成のポイント
活用される営業マニュアルの前提条件「いつでも閲覧できる」「内容を更新しやすい」は、フォーマット・管理方法でクリア可能。しかし「内容を理解しやすい」前提条件は営業マニュアルの作り方に左右されます。では、内容を理解しやすい営業マニュアルを作るにはどうしたらいいのか?ヒントとなるポイントをいくつか紹介しておきましょう。
わかりやすい文章 / 図・フローチャート
営業マニュアルのテキストには、わかりやすい平易な文章を使いましょう。営業マニュアルに限ったことではありませんが、読み手に誤解を与えないことを意識するあまり、マニュアルは一文が長くなる、複雑になる傾向があるからです。
項目ごとに分類した情報を、さらに大見出し / 小見出しで分類する、繰り返しの表現を避けるなど、できる限り文章量を減らすよう工夫しましょう。解説が複雑になりそうな要素は、直感的に理解できる図・フローチャートを有効活用するのがおすすめです。
専門用語 / 社内用語
既存スタッフが無意識に多用する専門用語 / 社内用語は、できる限り営業マニュアルに記載しない、記載するなら注釈を加えることもポイントです。特に、対象者に新人を含む場合は留意しておきましょう。
新人に専門用語 / 社内用語を覚えてもらうため、あえて営業マニュアルに記載する選択肢もあるかもしれません。その場合は、用語辞典ページを追加するなどの工夫も必要です。
営業マニュアルの運用ポイント
理解しやすい営業マニュアルを作成し、活用されやすい環境で管理していても、スタッフが利用しないのでは意味がありません。使い続けられる有益な営業マニュアルにするためには、作成後の運用が重要。以下から、そのヒントとなるポイントをいくつか紹介していきます。
営業マニュアルの完成・活用を周知徹底
営業マニュアルが完成したことをメンバーに周知徹底し、積極的な活用を促していきましょう。ただ完成しましたと告知するのではなく「保管場所」「利用方法」「営業マニュアルの大まかな内容」を伝えること。また「内容の確認と気になった点や修正が必要な点を必ずフィードバックする」を徹底することがポイントです。
随時更新・アップデート
市場環境の変化とともに営業手法が変化するように、営業マニュアルも変化にあわせてアップデートしていかなければなりません。営業プロセスや商材に関する変更があった際は、営業マニュアルを随時更新・アップデートしていきましょう。
また、新たなノウハウを得られた場合も、営業マニュアルへ追記していく必要があります。ノウハウを含むアップデート情報を共有することで、営業マニュアルの活用を促進する効果も得られます。
営業マニュアル担当者を設置
営業マニュアルの一貫したクオリティを担保するため、作成・更新に関する専任の担当者を設置しましょう。
そもそも、マニュアル作成は業務に精通した現場の担当者に任せるのがベター。営業マニュアルであれば、業務を把握している中堅営業マンに任せる場合が一般的ですが、あえて業務を一通り覚えたばかりの新人に任せる方法もあります。漠然と覚えた営業プロセスを、体系立てて言語化することにより、業務への理解が深まるからです。
【まとめ】営業マニュアルの作り方を紹介しました
営業マニュアルを整備して部署全体のパフォーマンスを高めたいが、そもそも定型業務とはいえない営業活動をマニュアル化する方法がわからない。そんな営業マネージャーの方に向け、効果・メリットから、必要な前提条件、作成・運用のポイントまで、活用される営業マニュアルの作り方を解説してきました。
業務の属人化を防ぐ、効率的に新人を教育できるなど、メリットの大きい営業マニュアルですが、形骸化しやすい一面があることも事実。本記事の解説も参考にしながら、使われ続ける営業マニュアルを作成してください。
なお、営業マニュアルの作成や営業標準化を支援してくれる会社の探し方・選び方がわからない!という方は営業幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
【無料】営業支援会社を紹介してもらう