インサイト営業とは?従来とは異なる営業手法のメリット・インサイトの活用事例を紹介【2024年5月最新版】

インサイト営業とは?従来とは異なる営業手法のメリット・インサイトの活用事例を紹介!

BtoBの営業手法として注目されているインサイト営業とは?自社も取り組むべき?激化する競争を勝ち抜くヒントが欲しい営業マネージャーなら知りたいはず。そんな方に向け、概要・メリットから従来の営業手法との違い、取り組みのポイント、成功事例まで、インサイト営業の全体像を紹介していきます。

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目次
  1. 1. インサイト営業(インサイトセールス)とは
  2. 2. なぜインサイト営業が注目されているのか
  3. 3. 従来の営業手法とインサイト営業の違い
    1. 3-1. ルート営業(御用聞き営業)
    2. 3-2. プロダクト営業
    3. 3-3. ソリューション営業
  4. 4. インサイト営業で得られるメリット
    1. 4-1. 顧客との関係性強化 / 優良顧客化
    2. 4-2. 高い成約率を期待できる
    3. 4-3. 競合他社との差別化
  5. 5. インサイト営業へ取り組むためのポイント
    1. 5-1. インサイト営業への取り組みを営業部門で共有
    2. 5-2. 自社商材 / 関連商材のエキスパートになる
    3. 5-3. CRM / SFAを有効活用する
    4. 5-4. エキスパート営業マンの知見をフィードバック / 共有する
  6. 6. インサイト営業のスキルを高めるには?
    1. 6-1. 観察力を養うことが重要
    2. 6-2. 不足しているリソースをアウトソーシングする
  7. 7. 営業のヒントにしたい消費者インサイトを活用した成功事例
    1. 7-1. コンビニエンスストアの買い物カゴ
    2. 7-2. 大戸屋の店舗設計
  8. 8. 【まとめ】インサイト営業の全体像を紹介しました

インサイト営業(インサイトセールス)とは

インサイト営業とは、顧客自身も気が付いていない潜在的な課題を提示した上で、自社商材を活用した解決方法を提案する営業手法のこと。インサイトセールスとも呼ばれています。

インサイト(Insight)は、物事の真相を見抜く力、洞察力などの意味を持つ英単語。マーケティング用語としてのインサイトは「洞察力によって得られた購買意欲の核心」という意味合いで使われます。発音が非常に近い「インサイドセールス(内勤営業)」とは全く意味合いが異なることは覚えておきましょう。

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なぜインサイト営業が注目されているのか

インサイト営業が注目されている理由は、インターネットの整備 / スマートフォンの普及をバックボーンとした情報化社会の進展によって、顧客の購買行動が変化したからです。

たとえば、Webマーケティングに詳しい方なら、2011年にGoogleが提唱した「ZMOT」というマーケティング理論をご存知のはず。「ZMOT(Zero Moment Of Truth)」では、顧客がなにを購入するかは、行動を起こす前(ゼロの段階)に決まっていると主張しています。

つまり、顧客の多くは「購入する前に商品・サービスの比較検討から選定までをインターネットで済ませている」ということ。ZMOTは一般消費者を対象にしたマーケティング理論ですが、BtoBビジネスにも当てはまります。法人顧客の多くは、顕在化している課題を解決するために必要なものを「インターネットで調査済み」だということです。

こうした状況で営業マンにできることはあまりありません。「顕在化していない潜在的な課題を提示する」という切り口でアプローチする、インサイト営業が注目されているのはこのためです。

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従来の営業手法とインサイト営業の違い

それでは、インサイト営業は従来の営業手法となにが違うのか。代表的な営業手法「ルート営業」「プロダクト営業」「ソリューション営業」と簡単に比較してみましょう。

ルート営業(御用聞き営業)

ルート営業とは、既存顧客のもとを定期的に巡回訪問し、追加注文があるかどうかを聞いて回る営業手法のこと。そのため、御用聞き営業ともいわれます。顧客にとっては営業マンの定期的な訪問というメリットがあり、営業マンにとっては定期的に受注できるメリットがあります。

顧客との関係性を深めるためにルート営業は有効ですが、インサイト営業のような提案型ではありません。訪問しても受注できない、競合他社が参入してくる可能性もあるため、ルート営業でビジネスを拡大させていくのは困難です。

プロダクト営業

プロダクト営業とは、文字通り「プロダクトを軸にした」営業手法のこと。新商品・サービスの提案、自社ラインナップから顧客ニーズにあわせた商品を提案するなどが中心となるため、商品提案型営業とも呼ばれます。

営業マンに商品知識を求める営業手法のため、顧客のニーズに応じた専門性の高い提案が可能。一方、プロダクト情報をインターネットから入手できる現代では、競合製品を含め、顧客の方が詳細情報を把握している場合も少なくありません。競合商品とバリューが同等なら、価格競争になってしまうのもインサイト営業と異なるプロダクト営業の宿命です。

ソリューション営業

ソリューション営業とは、顕在化している顧客の課題を解決する仕組みを提供するため、自社商材を組み合わせたソリューションを提案する営業手法のこと。提案型という点ではインサイト営業と同じですが「顕在化している顧客の課題」解決を基本とする点で異なります。

アカウントプランのように、中長期的な観点であるべき未来の形を提案する場合もありますが、課題が顕在化しているなら顧客自ら解決できる可能性は少なくありません。その意味においては、ソリューション営業も「競合他社に対する優位性」を積み上げていくしかありません

アカウントプラン については以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:アカウントプランとは?作成・実行の重要ポイント / ABMとの関係を解説!

インサイト営業で得られるメリット

従来の営業手法に比べ、インサイト営業の優位性が高いことは理解できた。では、インサイト営業で具体的にどのようなメリットが得られるのか?知りたい方に向け、インサイト営業で得られる主なメリットを簡単に紹介していきましょう。

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顧客との関係性強化 / 優良顧客化

インサイト営業は、顧客との関係性を強化できるだけでなく、優良顧客への転換というさらなるステップも期待できるメリットがあります。なぜなら、インサイト営業は「顧客自身が認識できていない気付き」を与えるアプローチ手法だからです。

顕在化している課題と異なり、顧客自身が気付いていない潜在的な課題は、そもそも解決方法を探す以前の状態です。解決の糸口となる本質的な課題を指摘してくれる営業マンは、顧客にとってインターネット以上の有益情報を与えてくれる信頼できる存在です。

信頼関係を築ければ、関係性を強化できるのは当たり前。良好な関係を継続できれば、顧客自らが広告塔として評判を広めてくれる「優良顧客」へと転換できます。

高い成約率を期待できる

インサイト営業には、高い成約率を期待できるというメリットもあります。課題の提示と解決方法の提案というインサイト営業のアプローチが、ほかにはない、自社 / 自社営業マン独自の切り口だからです。

顧客との関係を強化しやすいメリットとも相まって、リピート購入、アップセル / クロスセルにつなげやすいメリットも得られます。優良化した顧客からの紹介を得られれば、さらに成約率を高めることも可能でしょう。

競合他社との差別化

インサイト営業は、プロダクト営業 / ソリューション営業をメインとする競合他社と差別化しやすいメリットがあります。プロダクト / ソリューション営業が顕在化している課題を解決するのに対し、インサイト営業は潜在的な課題と解決法をセットで提案するからです。他社との差別化ができていれば、価格競争に巻き込まれるリスクも抑えられます。

ただし、他の営業手法よりも優位性が高い分、インサイト営業を実行することは簡単ではありません。営業マン個々のスキル底上げにも長い時間を要します

インサイト営業へ取り組むためのポイント

それでは、営業組織にインサイト営業を浸透させるためには、どのような取り組みが必要なのか?以下から、ヒントとなるポイントを簡単に紹介していきます。

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インサイト営業への取り組みを営業部門で共有

まずは、インサイト営業という手法があること、営業部門全体で取り入れていくことを、インサイト営業の必要性 / メリットとともにメンバー間で共有しましょう。

そもそも、インサイト営業は数ある営業手法の1つでしかありません。たとえば、客観的に見ても課題が顕在化している顧客に対し、インサイト営業を仕掛けても無意味です。つまり、インサイト営業に取り組むということは、営業マン個々の引き出しを増やす、個々のスキルを高めることにほかなりません。

自身のスキルを高める必要があることを個々の営業マンに意識付けするためにも、部門全体での取り組みを共有 / 周知させることが重要です。

自社商材 / 関連商材のエキスパートになる

インサイト営業という手法を習得するために必要な前提条件は、自社商材 / 関連商材のエキスパートになること。自信を持って自社商材をアピールできる、そう考えている方も少なくないはずですが、それは「プロダクト営業の視点」です。インサイト営業では、もっと客観的かつ柔軟な発想が求められます。

なぜなら、顧客の潜在的な課題に対する解決策を導き出すには、自社商材に限らない幅広い知識 / 視点が求められるからです。関連商材はもちろん、競合他社の商材、業界のトレンド、市況を含めた全体像の把握が必要。エキスパートになるということは、そういう意味です。

CRM / SFAを有効活用する

インサイト営業を身に付けるヒントを得るため、CRM / SFAを有効活用しましょう。そもそもCRM / SFAは、日々の営業活動を記録 / 一元管理 / 分析することで、ビジネスの成長に役立つインサイトを見つけるツールだからです。

CRM / SFAを適切に活用することによって、可視化された営業プロセスのなかから「新たな気付き」を導き出す分析力を養えます。営業の標準化、組織の営業力底上げ、インサイト営業のヒントを得るためにも、CRM / SFAの活用がおすすめです。

SFAの選び方については以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:SFAの選び方|最適な営業支援システムを選ぶために知っておきたいこと

エキスパート営業マンの知見をフィードバック / 共有する

インサイト営業は、ハーバードビジネスレビューに掲載された2012年の論文「ソリューション営業は終わった」をキッカケに注目が高まったといわれています。しかし、インサイト営業自体は新しい考え方ではありません。古くから「エキスパート営業マンが自然に実践している」ことです。

つまり、エキスパート営業マンの知見を組織にフィードバックすることで、インサイト営業のヒント / ノウハウをチーム全員で共有可能。こうした知見を発見し、ノウハウ / 勝ちパターンを共有するのにもCRM / SFAが役立ちます。

インサイト営業のスキルを高めるには?

ここまでは組織としての取り組みを紹介してきましたが、インサイト営業へ取り組むことの本質は、営業マン個々の引き出しを増やす、個々のスキルを高めることです。それでは、インサイト営業のスキルを高めるため、身に付けるべきものはなにか?それは観察力です。

観察力を養うことが重要

観察力とは、人物や物など「身の回りの状況、事象を注意深く観察」し、変化や違いから「さまざまな気付きを得る」能力のこと。観察力はインサイト営業の本質であり、商材への深い知識と組み合わせることによって、はじめて「潜在的な課題を解決する適切な提案」を導き出せるのです。質問力、提案力、分析力などは付随するスキルに過ぎません。

いわれたわけでも、教えられたわけでもないのに、自然にインサイト営業をこなすエキスパート営業マンがいるのはこのため。しかし、だれもが優れた観察力を身に付けているわけではなく、簡単に身に付くものでもありません。インサイト営業に必須の能力であることを認識し、できることを増やしながら地道に観察力を養っていくしかないのです。

不足しているリソースをアウトソーシングする

ただし、営業マン個々の成長を待っているだけというわけにもいきません。ノウハウを持つ、お手本となるエキスパート営業マンが社内に存在しないこともあるでしょう。そんな場合は、不足しているリソースをアウトソーシングする方法もあります。

たとえば、営業支援会社にインサイト営業に関するコーチングを依頼する、あるいは、インサイト営業を得意とする営業代行会社を頼るなどが考えられるでしょう。

営業のヒントにしたい消費者インサイトを活用した成功事例

インサイト営業の全体像は理解できたが、もう少し具体的な方法、参考になる成功事例を知りたい。そう考える営業マネージャーは多いでしょう。しかし、インサイト営業は成功事例を紹介できるようなものではありません。成功事例の公開は、顧客の課題を公開してしまうこととイコールだからです。

本記事では、インサイト営業の参考になる、消費者インサイトを活用した成功事例に絞って紹介していきます。

コンビニエンスストアの買い物カゴ

コンビニエンスストアでは、入り口付近のみならず、店内の各所に買い物カゴが設置されていることに気付いた方も多いでしょう。これは、消費者自身が気付いていないインサイトを発見した結果のマーケティング施策(売れる仕組み)です。

POSデータで分析したところ、コンビニエンスストアを訪れる顧客の購入点数は1〜2点がほとんど。購入点数が増えるほど顧客数が減る傾向にあることがわかりました。理由は簡単。買い物カゴを利用しない顧客は、購入点数が2点になると両手がふさがってしまうからです。

これに対して立てられたのが「すぐに買い物カゴを手に取れる状況であれば、購入点数が増えるのではないか?」という仮説。この仮説は見事に的中し、購入点数が増加するとともに売上も伸びたのです。

大戸屋の店舗設計

和食定食チェーン「大戸屋」は、多くの店舗が飲食チェーンのセオリーから外れた「目立ちにくい2階以上、もしくは地下」に設置されています。これは、女性客のインサイトを発見した結果としての事業戦略です。

そもそも定食を主体とする飲食店は、女性客にとって利用しにくいもの。女性客を取り込みたい大戸屋は、その理由を徹底的にリサーチしました。その結果、得られたインサイトが「1人で定食屋に入るところを見られたくない」という女性心理。

立てられた仮説は「目立ちにくい場所に店舗があれば、女性客も気軽に入店できるのではないか」というもの。その狙い通り、大戸屋は和食定食チェーンとしては珍しく、女性客の獲得に成功したのです。

【まとめ】インサイト営業の全体像を紹介しました

BtoBの営業手法として注目されているインサイト営業とは?自社も取り組むべき?激化する競争を勝ち抜くヒントが欲しい。そんな営業マネージャーの方に向け、概要・メリットから従来の営業手法との違い、取り組みのポイント、成功事例まで、インサイト営業の全体像を紹介してきました。

インサイト営業は個人の能力、スキルに依存する部分の大きい営業手法です。組織全体に浸透させることは簡単ではありません。一方で、市場環境から考えても、インサイト営業への取り組みが必須であることは明確。本記事で紹介したポイントも参考に、できるところから取り組みを開始することが肝心です。

なお、インサイト営業に強い営業代行会社の探し方・選び方がわからない!という方は営業幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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